事業名:
木材の加工・利用に関する研究
(この事業に対するご質問・ご意見はこちらにお寄せください)
農林水産部 林業試験場 木材利用研究室
|
事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
非常勤職員 |
臨時的任用職員 |
31年度当初予算額 |
4,600千円 |
23,814千円 |
28,414千円 |
3.0人 |
2.6人 |
0.0人 |
31年度当初予算要求額 |
6,944千円 |
23,814千円 |
30,758千円 |
3.0人 |
2.6人 |
0.0人 |
30年度当初予算額 |
4,749千円 |
17,480千円 |
22,229千円 |
2.2人 |
1.5人 |
0.0人 |
事業費
要求額:6,944千円 (前年度予算額 4,749千円) 財源:単県 国1/2 その他
一般事業査定:計上 計上額:4,600千円
事業内容
1 事業の目的
県内産木材の需要拡大、森林資源の循環利用に貢献するため、加工・利用技術の開発等、必要な試験研究を実施する。
2 事業概要
番号 | 試験研究課題名 | 概 要 | 要求額
(千円) |
1 | 【新規】樹齢に応じた「県産スギ材の良さ」に関する研究
(H31〜35) | スギの加齢(エイジング)と寸法安定性など材質との関係を調べることで、県内産スギ材の良さ、樹齢に応じた適所利用を提案する。 | (−)
607 |
2 | 【新規】中規模建築物への県産材の構造利用に関する実証試験
(H31〜35) | 県内産スギ・ヒノキ等で構成されたのトラスの構造性能を明らかにし、中規模建築物での利用を提案する。 | (−)
1,117 |
3 | 【新規】とっとりの新しいCLTの製造・利用技術の確立
(H31〜33) | 厚板を原材料としたCLTの製造技術を確立する。また、製品の構造性能を明らかにすることで建築での利用方法を提案する。 | (−)
1,128 |
4 | 【新規】防火・防炎性を付与したLVL内装材の開発
(H31〜33) | LVL内装材に適した防火・防炎性を付与するため、薬剤の種類・処理方法等を検討し、製造技術を確立する。 | (−)
1,542 |
5 | スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発
(H29〜31) | 当試験場が改良・開発した「応力波伝搬時間」の計測技術を応用した葉枯らし乾燥期間の調査及び簡易な計測手法の開発を行う。 | (765)
533 |
6 | 住宅内装製品への県産広葉樹材の活用に関する研究
(H29〜31) | 県内産広葉樹材を内装製品として活用するため、材質に応じた加工技術を改良・開発する。 | (1,141)
657 |
7 | 保存処理CLTの製造技術の確立
(H29〜31) | 腐朽やシロアリに対する抵抗力を高めたCLT(直交集成板)の薬剤処理技術を確立する。 | (600)
1,360 |
8 | 【終了】県産スギ板材の表面処理技術に関する研究 | スギ内装材のキズ発生を抑制できる表面処理技術を開発する。 | (673)
0 |
9 | 【終了】現場施工が容易なユニット式耐力壁の開発 | スギ厚板を用いた、施工が簡易な「ユニット式耐力壁」を開発する。 | (1,570)
0 |
3 事業内容(平成31年度の主な取組)
(1)【新規】樹齢に応じた「県産スギ材の良さ」に関する研究
・同一個体内での強度性能の水平・垂直変動の調査
・強度性能と近赤外スペクトラム解析との関係の調査
(2)【新規】中規模建築物への県産材の構造利用に関する実証試験
・県産材(スギ、ヒノキ)とトラスに用いる接合金物の検討
・県産材と接合金物による小型トラス試験
(3)【新規】とっとりの新しいCLTの製造・利用技術の確立
・新しいサイズの原材料に適した乾燥スケジュールの検討
・実大試験機等を用いた製品性能、構造性能の確認
(4)【新規】防火・防炎性を付与したLVL内装材の開発
・製品に適した防火、防炎薬剤の種類や処理方法の選定
・燃焼試験機を用いて開発した製品の燃焼性を評価
(5)スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発
・フリーソフトを使った安価な葉枯らし計測の試行
・葉枯らし施業マニュアルの作成
(6)住宅内装製品への県産広葉樹材の活用に関する研究
・広葉樹材を活用した製品を試作し、その性能を評価
・県内産広葉樹材に適した加工方法の提案
(7)保存処理CLTの製造技術の確立
・36mm厚さのCLTに適した保存処理方法の提案
・IRG大会(カナダ)への参加(CLTの保存処理に関する最新技術情報の収集)
(8)【終了】県産スギ板材の表面処理技術に関する研究
(9)【終了】現場施工が容易なユニット式耐力壁の開発
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1)【新規】樹齢に応じた「県産スギ材の良さ」に関する研究
・高齢化、大径化するスギ材の利用価値を高めるための、加齢に応じた材質変化に関する裏付けデータが無い。
(2)【新規】中規模建築物への県産材の構造利用に関する実証試験
・建築で広い空間を確保する際の梁桁材にはトラスが用いられるが、その部材には外国産材や集成材が用いられることが多く、県産材によるトラス構造の性能評価、利用の取り組みは進んでいない。
(3)【新規】とっとりの新しいCLTの製造・利用技術の確立
・株式会社鳥取CLT(旧 協同組合レングス)が製造するスギ3層クロスパネルは、地域資源を活用した全国展開できる製品であり、林業試験場では、会社設立当時(平成12年)から各種データの蓄積や性能評価、新製品開発等で技術支援をおこなっている。
(4)【新規】防火・防炎性を付与したLVL内装材の開発
・LVLは、株式会社オロチ(日南町)が製造、販売しているが、近年、防火、防炎性能を付与した商品へのニーズが高まっている。しかし、鳥取県内での防火、防炎性に関する研究データの蓄積は極めて少ない。
(5)スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発
・山林内で実際にスギ材を伐倒し、乾燥経過を追跡調査している。その結果、スギ丸太の乾燥の進行は伐倒後約2か月間であること、伐倒方向や伐倒時期によっても乾き具合が異なること等がわかった。
(6)住宅内装製品への県産広葉樹材の活用に関する研究
・県内チップ工場や森林所有者から数種の広葉樹を調達し、その基本的な材質を明らかにした。また、コナラの乾燥試験を行ったが、設定したスケジュールでは、材に割れや落ち込み等の損傷が多数生じた。
(7)保存処理CLTの製造技術の確立
・36ミリ厚さのCLTについて、屋内使用での耐久性向上を目的とした薬剤の加圧注入処理を実施した。
(8)【終了】県産スギ板材の表面処理技術に関する研究
・スギ表面の硬化、固定をおこなうのに効果的な手法(温度、圧力、圧締時間等)を選定した。
(9)【終了】現場施工が容易なユニット式耐力壁の開発
・壁ユニットを試作し耐力試験を実施した。
・ユニットを改良し、性能や施工性の良い仕様を決定した。
・大工技能者に依頼してユニットの試作、耐力試験を準備中。
これまでの取組に対する評価
(1)【新規】樹齢に応じた「県産スギ材の良さ」に関する研究
・鳥取のスギ材のブランド化、材質に合った用途の提案が期待されている。
(2)【新規】中規模建築物への県産材の構造利用に関する実証試験
・県産材の構造利用を進めるうえで、研究課題での取り組みが期待されている。
(3)【新規】とっとりの新しいCLTの製造・利用技術の確立
・これまでの研究成果は株式会社鳥取CLTに還元し、生産や販売活用に役立ててもらっている。新製品の生産に結びついた成果もあり、その取組は企業から高く評価されている。
(4)【新規】防火・防炎性を付与したLVL内装材の開発
・株式会社オロチのLVL生産に対しては、創業当時(平成20年)から技術支援を行っており、JAS取得や新製品開発で当社から高い評価を頂いている。
(5)スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発
・行政機関や企業が行う現地研修会の場で情報提供を行い、葉枯らし乾燥技術の普及、啓発に役立てている。
(6)住宅内装製品への県産広葉樹材の活用に関する研究
・広葉樹材の乾燥(スケジュール、寸法等)の改善が必要。
・紙の原料なるはずであった広葉樹材の高付加価値化の提案として、内装ドアを試作、西部総合事務所に設置した。広葉樹の多様な木目や色が好評であった。
(7)保存処理CLTの製造技術の確立
・保存処理による接着性能の低下は認めらず、当初期待していた通りの成果を得ることができた。
(8)【終了】県産スギ板材の表面処理技術に関する研究
・節のあるスギ板材でも可能な表面硬化に関する技術を構築できた。
(9)【終了】現場施工が容易なユニット式耐力壁の開発
・スギ厚板とダボを活用した耐力壁をユニット化し、簡易施工と耐力確保を可能とした。
工程表との関連
関連する政策内容
低コスト林業推進のための伐採・搬出技術、低コスト再造林・保育技術、森林病虫獣の被害防止技術、県産材の加工利用・用途拡大等に係る技術等に関わる研究開発、「県立21世紀の森」の管理運営など
関連する政策目標
財政課処理欄
備品購入費について、金額を精査しました。「樹齢に応じた「県産スギ材の良さ」に関する研究」は「スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発」が終了してから実施してください。「中規模建築物への県産材の構造利用に関する実証試験」は汎用性のない仕様になるのであれば、県産材の利用拡大につながらないと思います。
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
4,749 |
1,133 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
600 |
3,016 |
要求額 |
6,944 |
1,799 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1,360 |
3,785 |
財政課使用欄(単位:千円)
区分 |
事業費 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
計上額 |
4,600 |
1,046 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1,360 |
2,194 |
保留 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
別途 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |