1.事業概要
■本事業は、「やず防災つたえ隊」が実施している防災教育をより充実したものにするため、必要となる新たな防災教育ツールを構築するものである。
※「やず・防災つたえ隊」とは、八頭県土整備事務所河川砂防課の若手職員で構成する水害・土砂災害に関する防災教育を実施するプロジェクトチームの愛称です。
2.背景・経緯
■八頭県土整備事務所では、近年、台風や局地的集中豪雨等により全国各地で水害や土砂災害が発生し、多くの被害が発生していることを踏まえ、防災教育・啓発活動に関する出前講座のメニューの充実を図り、そのPRや計画的な実施に取り組んでいる。
■特に、平成30年度からは、河川砂防課内にプロジェクトチーム『やず・防災つたえ隊』を結成し、水害、土砂災害の区別なく、相手のニーズに柔軟に対応した防災教育を実施している。(資料01:実施実績)
■具体的には、次の3つの観点から防災教育の充実を図っている。(資料02:充実イメージ)
(1)学校向け防災教育・・・
これまでの小学校高学年向けのメニューに加え、小学校低中学年向けや中高生向けの防災教育の展開
(2)災害時要配慮者関係向け防災教育・・・
水害や土砂災害において、社会福祉施設等での被害発生や多くの高齢者や在住外国人が被害にあわれていることを踏まえ、災害時要配慮者及びその関係者向けの防災教育の展開
(3)地元自治会向けの防災教育の展開・・・
地域の防災力向上を目指し、地元自治会向けの防災教育の展開
3.現状における課題
■今年度の取り組みを踏まえた現状における課題・問題点は、次のとおりである。
・小学校中低学年向けメニューが少ない。特に土砂災害用のメニューが少ない。
・中学高校向けメニューがほとんどない。現状として、学校への募集やPRの際に目玉となるメニューが欲しい。
・外国人向けに地理地形の分かりやすいハザードマップがあったほうが良い。
・地元自治会向けについては、高齢者の方でもわかりやすく危険箇所エリアを提示したほうが良い。
4.事業内容
■総事業費 C=600千円
(1)小学校低中学年向け防災教育ツールの充実(C=300千円)
◆オリジナル防災紙芝居の製作
洪水に関する紙芝居は市販のものがあるが、土砂災害バージョンがないため、オリジナルの紙芝居を製作する。また、八頭地区オリジナルの歴史・環境を加味したストーリーとする。
⇒これにより、相手方のニーズ(洪水又は土砂災害など)に対応した防災教育ツールを増やす。
◆防災オリジナルカード(八頭バージョン)の製作
防災教育の効果を継続させるため、親子で地域や防災に興味を持ってもらえる防災オリジナルカードを作成する。また、ニーズに合わせて、外国語バージョンの作成も検討する。
⇒子どもだけでなく、家族で防災意識向上を促すことができる。
(2)一般に分かりやすい防災教育メニューの充実(C=300千円)
◆災害危険箇所のドローン撮影と画像・映像処理
地区単位など小規模なエリアを対象としただれもが分かる身近なハザードマップの作成を行うなど、出前講座のオプションとして実施する。また、地域や学校のニーズに対応して、まるごとまちごとハザードマップの取り組みとの組み合わせも検討する。
⇒在住外国人や高齢者の方々に対してもわかりやすい防災教育の実施が可能となる。
⇒最近話題の技術を用いることで、中学生・高校生の興味・関心を引くことができる。その先として、土木関係に興味・親しみを持ってもらえる。
5.今後の展開
防災教育のメニューの充実等は、八頭地区でモデル的に実施し、ニーズと合致した取り組みや効果的な取り組みついては、全県的な取り組みに横展開して行くことを検討する。