○ICTを活用した建設生産性の向上
・H28年度から進めてきた直轄工事のICT工事により、工事着手から完成まで作業時間で平均28%削減されており、本県が進める土工規模でも効果が見込まれる。
・しかし、県が実施する工事は、小規模かつ大量件数であることに加え、紙文書を主体とする業務体制となっているため、発注者は複雑かつ過密な業務を強いられているほか、受注者は現場管理に加え、多量の書類作成に追われている。
・このような中、受注者はICTを活用し、建機の半自動化運転、協議打合せや検査・納品の電子化等、業務改善に積極的に取り組んでいる。
・しかし、発注者は依然として独立分離した業務システムと紙書類を介した業務により、多量な時間外勤務となっている。
・H31年度には労働基準法が改正され、時間外労働時間の限度が罰則付きで設定される予定であり、働き方改革を実現した建設生産性向上においては、受発注者双方の業務効率化が不可欠である。
○ICT活用による効果分析業務
要求額 C=5,700(8,800)千円
<工事>ICT工事の取組状況(H29年度〜)
【平成29〜30年度】12箇所の工事で試行
【令和元年度】
- ICT活用工事の試行を継続するとともに、さらなる普及に向けて、土工以外での法面等構造物での3次元データの活用に向けたICT活用工事実施要領の改正、県内建設業者等を対象とした研修会を開催する。
<測量設計>3次元測量設計の取組状況(H30年度〜)
【平成30年度】3次元を活用した地形測量の試行(測量)
- 3次元測量データを取得(UAV写真測量・地上レーザ測量)、活用した測量設計業務の試行を各県土1箇所の計5業務で試行し、3次元活用による効果、課題を検証。
・大路川河川改修事業「測量および護岸予備設計業務」
・福地谷川砂防新規事業化 などで試行
【令和元年度】3次元モデリング(設計)等による試行
- 3次元測量による地形測量のほか、今年度から3次元による設計を中心に試行を行い、効果、課題を検証。
【1】3次元モデリング(3次元設計)による地元説明資料の作成
⇒早期の地元合意形成に向けた資料作成
・武庫谷川・泊谷川砂防新規事業で試行
【2】3次元土工データの作成(工事前段階でのデータ作成)
⇒ ICT工事での課題解決(データ作成期間)に向けた業務
・国道178号岩美道路等の3箇所で試行
【3】3次元測量による地形測量
⇒ 測量作業の効率化に向けた試行
・泊谷川砂防新規事業箇所で試行
- 上記の試行業務における効果、課題を検証し、県事業規模の測量設計段階における、ICT活用について、昨年度の効果検証も踏まえ方針を決定する。
- また、国土交通省においても効果検証を進めているが、大規模事業のみで、自治体が実施する中小規模の実態に合っていないため、国土交通省からも各自治体の実情を求められている。