高大接続改革が進められる中、高等学校教育においては、「学力の3要素」(※1)の育成がより明確に求められている。
【大学入学共通テスト(令和2年度〜実施)の方針】
○知識・技能の習得を評価するとともに、思考力・判断力・表現力を中心に評価する
○一般入試では筆記試験に加え、在学中の「生徒の探究(※3)的な学習の成果等」をより積極的に評価することを促す
⇒高校3年間の学習活動(例:総合的な学習の時間における探究的な学習の内容や成果、部活動、ボランティア活動、受講した講演会、取得した資格・検定等)の記録を入試の評価に反映させる
○英語の4技能(※2)を評価する
⇒民間の資格・検定試験の受験結果を入試の評価に反映させる |
このため、「思考力・判断力・表現力」のさらなる育成、「総合的な学習の時間」における探究活動の充実、新テストに対応した英語における表現力の習得が課題となっている。
※1:「学力の3要素」とは、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」のこと
※2:「探究」とは、課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現など、問題解決的な活動を発展的に繰り返す一連の学習活動
※3:「4技能」とは、「読むこと」「聞くこと」「話すこと」「書くこと」を指す
(1)生徒の思考力・判断力・表現力(記述力)の強化のためのハイレベル講座 2,840千円
各研究、各学問分野等における著名な研究者、実践者等を招いて意見交流等を行い、質の高い探究や、それに係るレポートや発表活動を通じ、新大学入学共通テストに求められる思考力・判断力・表現力(記述力)の強化を図る。
(例)AI分野における著名な研究者等を招き、最先端の情報提供、生徒の探究計画書への指導助言、関連人脈の紹介、科学関連のコンクール等への誘い等を受け、生徒の探究活動のハイレベル化を図る。
対象 | 普通科高校9校、総合学科高校1校、
鳥取県高等学校合同東京大学対策講座 |
実施回数 | 年2回 |
(2)教員の知見を高め、探究における指導力向上事業
4,200千円
「総合的な学習の時間」での探究活動の質をより向上させるため、教員が学会、大学、研究機関等を訪問し、最新・最先端の研究内容及び研究課題等に関する情報収集を行うとともに、研究者等との情報交換を行い、各分野への見識を深める。
また、派遣教員が校内で情報を共有し、担当教員が探究における生徒の課題発見、課題解決手法、仮説設定、検証方法等に適切な支援及び指導・助言にあたる。
対象校 | 普通科高校9校、総合学科高校1校 |
実施回数 | 年3回 |
(3)大学入試改革に向けた英語力向上対策事業
14,310千円
大学入試改革により、導入される外部試験を予め大学入学共通テストの受験が想定される高校2年生を対象に受験させ、試験への順応を図るとともに、当該試験結果の詳細なデータ分析を行うことで、本県英語教育の課題を抽出し、効果的な指導法を開発する。
対象者 | 大学進学を目指す普通科県立高校の全2年生及び大学進学希望の専門高校の生徒 |
対象者数 | 2,700名 |
外部検定試験 | GTEC for Students(4技能検定試験)を想定 |
受験料 | 5,300円/名 |