一般国道9号(鳥取西道路)の改築に伴う発掘調査で、全国的に大きく報道された「女子群像板絵」を含む縄文時代から中・近世にかけての木製品が良好な状態で大量に出土した。
〇木製品の保存処理
(1)水漬け状態で未処理のものが、コンテナ約5,000箱存在。今年度は木製品の状態把握と、保存処理の優先順位を決めるトリアージ作業を実施中、来年度も継続。
(2)保存処理は、新しい処理方法を導入して迅速化。また重要で自前では困難なものの保存処理を委託化。
(3)保存処理までは、常に水に浸しておく必要があるが、水の腐食防止のため、定期的な水替えが必要。この作業を福祉作業所に委託し、業務の効率化を目指す。
〇木製品の調査研究
(1)年次毎に調査研究を行い、木製品の再評価を行う。その成果は、テーマ毎にブックレットの刊行やシンポジウム、展示会を行い、県内外に発信。最終的には、「鳥取いにしえの木の文化」展として、総合的な展示を実施。
(2)木製品の再評価にあたり、木簡の再検証や利用樹種の解明、自然環境の復元など学際的な研究を実施。
(3)来年度から国史跡青谷上寺地遺跡の史跡整備がはじまる中で、女子群像板絵など、注目度の高い青谷横木遺跡出土木製品についても、その成果を発信。
(4)情報発信として、鳥取=いにしえからの豊かな木の文化のイメージを広めるため、県農林水産部や東京本部、関西本部等他部局と連携して研究成果を発信。