(1)自動車の電動化・自動運転化の急激な動き
○世界各国の動き
・イギリス・フランス 2040年からガソリン車等の販売を禁止。
・中国 将来的にEV・HVのみ販売。
・インド 2030年からEVとHVのみを販売。
○日本も2050年までに国内企業が国内外で販売する乗用車を全てモーター駆動による「電動車」とする目標を打ち出す。(平成30年7月 経産省「自動車新時代戦略会議」)。
→ 日本でも2020年の東京五輪を機に、電動化等が急速に進むと見込まれている。
(2)自動車部品産業の根底からの変化
○新車の9割は「走るスマホ」になるといわれ、外資情報大手企業がスマホ感覚で自動車を扱う(ハードで稼がすサービスで稼ぐ)ようになれば、自動車メーカー自体も危うい。
○自動車部品企業は、ハード(部品)に強いだけでなく、ソフトにも対応できる企業に変化することが求められる。
(3)県内の自動車部品産業の状況
○ほとんどが下請企業であり、元請の意向に大きく依存せざるを得ない状況であり、打って出る開発・提案のための機運が醸成されにくい。
⇒ 本県の自動車部品産業も、予測される将来に向けて工法・材料等の既成概念にとらわれず、また専ら下請けに頼るのでなく、新たな提案・チャレンジに取り組み、生き残っていくことが必要。
本県でも新世代自動車を意識した取り組みは行われているが、散発的に留まっている。
こうした取組を再編し、新たに県、県内産業支援機関、県内企業等が参画し「鳥取県自動車「次の十年企業」創出プラットフォーム(T-neX)(仮称)」を形成し、緩やかな連携の下、本県の自動車関連産業の振興・底上げを進める。
○「鳥取県自動車「次の十年企業」創出プラットフォーム(T-neX)(仮称)」の役割
・技術啓発・研さん(技術情報・ビジネス環境(国際経済動向等)などの情報共有、勉強会・研究会の実施)
・技術創造支援 (新世代自動車向けの新たな部品・技術・装備品・サービスの開発支援)
・人材育成・販路開拓(固有技術の伝承支援、商談機会提供等)
○基本構成(想定)
鳥取県、(公財)鳥取県産業振興機構、同・とっとり国際ビジネスセンター、(地独)鳥取県産業技術センター、県内企業(自動車分野ほか)、とっとりIoT推進ラボ(参加企業)、JETRO、国(経済産業省など)、大手自動車企業
※ 県及び(公財)鳥取県産業振興機構が共同事務局を担う。
< 県内企業の意見等 >
○ 基板製造は海外と差がつけにくい分野。関税や為替の影響は常に考えているが、やはり技術で違いを作っていくことが必要。電動化・自動運転化の動きもにらみつつ新技術に取り組み、大手自動車メーカーへも積極的にプレゼンしていく。(電装系部品製造業)
○ カスタマイズ志向の強い客層に応えるため、新たな生産技術開発への取り組みが必要と認識。また、技術だけでなく営業スキルも磨く必要を感じる。
(電装系、機械系部品製造業)
○ 電動化による製造部品点数の減・受注の減が見込まれ、自社の強みである鍛造工程や一貫した加工能力に着目して売り込むなど戦略を考える必要がある。
(機械系部品製造業)
< 他県の取組 >
(広島県) ひろしま産業振興機構内に「カーテクノロジー革新センター」を設置。
(静岡県) 浜松地域イノベーション推進機構内に「次世代自動車センター」を設置。