1 背景・目的等
保護者からは、重症心身障がい児及び医療的ケア児等を支援する通所支援事業所等の確保が求められる中、現場である事業所からは、職員不足や職員の高齢化が深刻になっているとの声を聞いている。
- 児童福祉法による国の基本指針に従い、県内における障害福祉サービス提供に係る盤石の基礎を築くため、様々な着眼点から重層的かつ大胆に人材確保を進め、障害児福祉計画(H30〜)を実効性のあるものにする必要がある。
- 人材確保による、重症心身障がい児及び医療的ケア児等を受け入れる事業所等の拡大を念頭に、県内外でのPR、理解・啓発事業を展開する。
2 事業概要
(1)求める人材
○障がい児通所支援事業所等に関わる職種
児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士、看護職員、介護士、生活支援員等
(2)事業内容 【要求額:1,034千円】(1,094千円)
※( )内は、前年度予算
ア)障がい福祉の職場見学ツアー
【要求額:940千円】(800千円)
県内外から福祉人材を確保するため、県内にある障がい児通所支援事業所等を実際に見学してもらい、職場の魅力や仕事のやりがいを発信することで、事業所等への就業促進に資する。
○ツアー催行業務
[対象]県内及び関西方面の求職者(資格・経験の有無は問わない)
[費用]定員10名×2回開催 旅行業者への委託料 940千円
イ)【新規】障がい児通所支援事業所等のPR
【要求額:228千円】(0円)
障がい児通所支援事業所等への就業について、県内外の求職者へ効果的に情報を発信することで、事業所等への就労につなげる。
○PR支援事業
障がい児通所支援事業所等の採用について、求職者に知ってもらう機会がほとんどないことから、県外の就職説明会に参加する障がい児通所支援事業所等に対し、就職説明会参加にかかる旅費を補助する。
[費用]上限2万円×10事業所
○PR力強化事業
障がい児通所支援事業所等で職員募集をしても、なかなか採用に結びつかないことから、職員採用を予定している障がい児通所支援事業所等に対し、効果的なプレゼン方法や求人情報の作成方法について研修を行う。
[対象]職員採用を予定している障がい児通所支援事業所等
[講師]県内講師を想定
[費用]講師報償費6,000円×3h+旅費25円/km
ウ)【拡充】医療的ケア児等に係る理解・啓発
【要求額:212千円】(94千円)
県内の看護学校で医療的ケア児等の支援に係る講義を行うとともに、医療的ケア児や重心児等を受け入れている事業所の職員の声を聞くことで、障がい福祉サービス事業への就業意欲を高める。
○医療的ケア児等の支援方法に係る理解
医療的ケア児等への支援方法に関する講義を行い、医療的ケア児等への支援に関する理解を深める。【計4回開催】
[対象]県内看護学生
[講師]鳥取大学医学部医師を想定
○医療的ケア児等を支援する事業所等への就業啓発
医療的ケア児や重心児等を受け入れている事業所で働いている職員に実際の支援の様子や仕事のやりがいについて講義してもらい、事業所等への就業に資する。【計4回開催】
[対象]県内看護学生
[講師]県内障がい児通所支援事業所等に勤務する看護職員等を想定
3 事業効果等
県外からの医療・福祉人材の移住も想定した事業であり、人口増、地域の賑わい等、副次的な経済波及効果も見込まれる。
- 高齢者介護の分野において、同様の人材確保事業の動きも見られるが、特に医療的ケア児に係る看護・介護の担い手確保、育成の取組は緒に就いたばかりであり、障がい分野に特化してまとまったロットで集中した施策展開を進めることで、重症心身障がい児及び医療的ケア児等のケアに対する啓発の拡大とともに、一定の理解を示す人材の確保につながる。