1 背景及び対応方針
○平成24年度に制度創設した鳥取県版経営革新計画により、これまで1,700社以上の県内企業が新たな取組みにチャレンジし、県内中小企業に経営革新を図っていく風土が広く醸成されてきた。
○平成27年度から、県版・法承認2つの認定・承認制度と各々関連する5つの支援制度を総合メニュー化し、平成28年9月補正にて、「生産性向上型」をメニューに追加、さらに平成30年当初では、「働き方改革型」を設立し、企業の新たなチャレンジや生産性向上、働き方改革の取組を支援してきた。
○平成31年度は、平成30年度と同様に新たなチャレンジ〈スタート型〉、生産性向上〈生産性向上型〉、新たなステージへの飛躍〈成長・拡大型〉、働き方改革<働き方改革型>を促進すべく、制度を運用していく。
2 事業概要
○各事業の説明
(1)鳥取県版経営革新総合支援事業
県内中小・小規模事業者が行う新商品・サービス開発等の新たな取組みによる高付加価値化や生産性向上による経営力強化、従業員の就労意欲向上やライフ・ワークバランスのための働き方改革に資する取組みを支援する。
(2)経営革新支援事業
「経営革新」は「中小企業等経営強化法」において、「企
業が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度
の向上を図ること」と定義されており、「新事業活動」と
は、次の4つの「新たな取り組み」を指す。
ア 新商品の開発又は生産
イ 新役務の開発又は提供
ウ 商品の新たな生産又は販売方式の導入
エ 役務の新たな提供の方式導入やその他の新たな事業活動
本事業は、産業の高付加価値化を実現するため、県内企業が経営革新計画に基づいた上記取り組みをするものに対し支援を行う。
(3)経営革新企業ステップアップ支援事業
企業自立サポート融資(新事業展開資金(経営革新貸付))の利用者に対して利息分を補助するもの。
3 昨年度との変更点
○正規雇用奨励事業の廃止及び実施する補助事業のリスクに応じた補助率とする
〈補助率の見直し〉
※スタート型/生産性向上型、成長・拡大型
・設備投資支援事業の補助率見直し(2/3⇒1/2)
・新商品開発等支援事業の補助率見直し(1/2⇒2/3)
○経営革新計画事例集の廃止
○企業組織の特質・現状等の調査分析、現場指導等による持続的な生産性向上や激変する経営環境に対応した経営革新計画策定による計画目標達成率の向上のため、生産性向上型(高度枠)については、公益財団法人日本生産性本部の専門家診断を受けた県内中小企業を対象とする。
4 要求額
要求額 812,666千円 ※以下の(1)〜(3)の合計
(1)鳥取県版経営革新総合支援事業
806,420千円 (980,171千円)
(2)経営革新支援事業
4,998千円 (11,017千円)
(3)経営革新企業ステップアップ支援事業
1,248千円 (973千円)
5 主な事業内容
○鳥取県版経営革新計画総合支援補助金
メニュー | スタート型 | 成長・拡大型 | 生産性向上型 |
補助上限 | 200万円 | 1,000万円 | (一般枠)
500万円
(高度枠)1,000万円 |
補助
メニュー | 新商品開発等支援事業
設備投資支援事業
正規雇用奨励事業 | 経営力強化支援事業
設備投資支援事業 |
補助率 | 新商品開発等支援事業(2/3)
設備投資支援事業
(1/2) | 新商品開発等支援事業(2/3)
設備投資支援事業(1/2) | 経営力強化支援事業(2/3)
設備投資支援事業(1/2)
※ただし、海外展開の取組は全て2/3 |
補助事業
期間 | 24ヶ月以内 | 36ヶ月以内 | 24ヶ月以内 |
要件 | (1)付加価値額、経常利益、売上のいずれかが増加。
(2)当該企業にとって新たな取組であること。 | (1)付加価値額年率3%以上及び経常利益年率1%以上の向上。
(2)当該企業にとって新たな取組であり、ビジネスを展開するエリアにおいて相当程度普及していないもの。 | (1)「経営力向上計画」の認定を受けていること。
(2)売上、経常利益、付加価値額のいずれかが増加する計画であること。
(3)正規雇用の維持、または増加が前提の計画であること。
※高度枠は別途要件あり。 |
審査主体 | 商工団体 | 県(審査会) | 商工団体
(高度枠の外部審査会は廃止。日本生産性本部の専門家診断により審査を行う) |
その他 | ○設備投資の上限は100万円とする。 | | |
メニュー | 働き方改革型 |
補助額上限 | 2,000千円 |
補助率 | 2/3 |
補助対象期間 | 12ヶ月以内 |
対象事業 | (1)企業内保育所やテレワーク就業環境整備に要する経費
(2)ITやクラウドシステムの導入に要する経費
(3)バリアフリー改修や職場適用援助者の導入に要する経費
(4)就業規則の整備による専門家経費など |
対象要件 | 上記対象事業の取組みを複数実施し、県内中小企業の生産性向上・働き方改革に資すること |
審査主体 | 県(審査会) |
○経営革新支援事業
経営革新正規雇用創出奨励金
経営革新計画の承認日時点から純増した人数分について、奨励金を支給する。
・ 対象事業者 経営革新計画を実施する中小企業者等で、経営革新計画の承認日時点から雇用者数が純増した者
・ 雇用要件 平成30年度中に、6月以上の正規雇用継続に至ること(※H26年度末までに承認を受けた経営革新計画に限る)
・ 奨励金額 新規正規雇用者1人当たり100万円(正規雇用後、6月ごとに50万円を支給)
○経営革新企業ステップアップ支援事業
対象者 | 次のア、あるいはイに該当し、ウを満たす中小企業者
ア 県経済再生成長戦略に定める戦略的推進分野にかかる経営革新計画、県版経営革新計画、県版経営革新計画(スタート型)に取り組むこと。
イ 県経済再生成長戦略に定める戦略的推進分野にかかる県版経営革新計画(生産性向上型)、県版経営革新総合支援事業(高度生産性向上型)に取り組むこと。
ウ 鳥取県新事業展開資金〈経営革新貸付)を借り入れ、未納の延滞金がないこと。 |
利子補助率 | (ア)0.7%
(イ)(ア)に年0.3%をプレミアム加算(年1.0%)
※借入額全額を利子補助の対象とする。 |
助成対象期間 | 5年間 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○H27年4月から従前の県版・法承認支援を統合メニュー化した県版経営革新総合支援事業を制度運用。
○高付加価値・生産性向上に向けた取組みを促進するため、H28年9月補正で県版経営革新計画に「生産性向上型」を創設。
(H28年9月に中小企業庁、中国経済産業局、県との3者で全国初となる中小企業者等の支援に関する連携協定を締結)
○H30年当初で「働き方改革型」を追加し、従前の県版経営革新では支援対象外だった「働き方改革」の取組の発掘・支援・普及啓発を行い、県内中小企業の生産性向上と働き方改革の取組を加速化させる。
○また、経営革新の制度PRとして、H18年に経営革新計画に取り組む優良事例を表彰する「経営革新大賞」を創設。優良事例の表彰や事例集(マンガ)作成によるPRとともに、各種制度説明会で経営革新制度のPRを図ってきた。
これまでの取組に対する評価
○平成30年9月末時点でスタート型716件、生産性向上型180件、成長・拡大型31件の計画を認定。
※働き方改革型には10件の応募があり、今後審査会にて審査予定。
○県内中小企業の経営力向上計画(国)の認定件数は増加しており、県内中小企業の生産性向上に対する意識は高い状況にある。引き続き、生産性向上による経営力強化や新規性の高い取組へのチャレンジ、働き方改革に対する取組みを支援していくとともに、制度融資による資金支援も継続しておこなっていく。