現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和元年度予算 の 地域振興部の青谷上寺地遺跡出土品(人骨・重要文化財)情報発信事業
平成31年度
6月補正予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:総務費 項:企画費 目:文化財保護費
事業名:

青谷上寺地遺跡出土品(人骨・重要文化財)情報発信事業

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地域振興部 文化財課 青谷上寺地遺跡調査整備担当 

電話番号:0857-85-5011  E-mail:zaisei@pref.tottori.lg.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト(A+B) 従事人役
現計予算額 0千円 7,938千円 7,938千円 1.0人
補正要求額 11,044千円 0千円 11,044千円 0.0人
11,044千円 7,938千円 18,982千円 1.0人

事業費

要求額:11,044千円    財源:単県、国1/2 

事業内容

1 目的・事業概要

(1)青谷上寺地遺跡出土人骨の復元


     全国的にも注目度が高いDNA分析に基づく弥生時代人の研究成果を、いち早く県民と共有するとともに、これを起爆剤にして、これからの史跡整備に向けて改めて青谷上寺地遺跡の魅力を広く情報発信することを目指して、次のような取組を行う。

    ア)弥生時代人の復顔模型の作製、展示

     個別の形質的特徴に関する情報が得られる頭骨があれば、頭骨の模型を土台にして、ゲノムの解析により明らかになった外見的な特徴を付加し、当時の人々の面持ちを忠実に再現。
     完成した模型は活用し、県内の展示施設などを巡回しながら、青谷上寺地遺跡の最新情報を発信していく。 

    イ) 一般向けの講演会の開催
      ・実施時期:10月頃(予定)
      ・場所(候補):青谷町総合支所多目的ホール(150人収容)
      ・内容:青谷上寺地遺跡出土人骨の最新研究(仮案)
          人類学や考古学の専門家によるトークセッション

    ウ)その他PR活動
      ・ パンフレットの作成(講演会や復顔模型の展示で配布)
      ・ パネル巡回展(むきばんだ史跡公園など)
      ・ 新聞(地元紙)などへのコラムなどの寄稿(文化財主事)
      ・ 出前講座(文化財主事)
      ・ HP、facebookなど、SNSを利用した情報発信 など

    (2)青谷上寺地遺跡出土品重要文化財指定記念展

     青谷上寺地遺跡出土の国重要文化財指定品を県民にお披露目するための企画展を開催する。同遺跡の出土品は全国的にも関心が高く、我が国を代表する歴史遺産として国に認定された今、青谷上寺地遺跡の代表的な出土品を一堂に展示することで、遺跡の内容や価値を県民に理解いただくとともに、今後の史跡整備や地域振興の推進に繋げていく。

    1 「重要文化財指定記念講演会1(価値と魅力編)」の開催

      ・会場:とりぎん文化会館
      ・時期:9月(予定)

    2 「青谷上寺地遺跡出土品重要文化財指定記念展(仮)」の開催
      ・会場:鳥取県立博物館 第1、第2特別展示室
      ・会期:令和2年3月14日(土)〜3月28日(土)
      ・展示点数:約300点(重要文化財指定品)
      ・関連行事:会期中に「重要文化財指定記念講演会2(美と技編)」(会場:
          県立博物館講堂)、関連行事 ギャラリートーク(会場:展示室)

    ※速報展の開催(既定予算対応)
     重要文化財指定への答申(3/18)を受け、指定品を県民にいち早く公開するための速報展を行う。
      ・会期−6月16日(日)〜6月30日(日)
      ・会場−県立博物館 第1特別展示室
    ※ステージイベント等(H31当初計上済)
      ・出土品が重要文化財指定されることを踏まえて、指定品に関連したステージイベントを開催
      ・会場:とりぎん文化会館
      ・時期:9〜12月

       (「とっとり弥生の王国」普及活用事業(青谷上寺地遺跡史跡保存活用協議会事業)で計上済)




 

2 要求内容

(単位:千円)
項目
金額
復顔模型製作費
(指導者謝金・旅費等含む)
2,121
指定記念展開催経費
7,567
講演会開催経費
1,236
その他全体に関する事務費
120
合計
11,044

3 各種事業とのタイアップ

 各種事業とのタイアップで、西因幡地域のさらなる魅力向上を図るべく検討中。

1 古代山陰道(青谷地区)の調査研究事業(再掲)
    ・現地説明会、ウォーク(10/6、古代山陰道&亀井畷ウォーク)

2 「アートピアとっとり博」未来へつなぐ!文化遺産魅力発信事業(文化政策課所管)
    ・「アートピアとっとり博2019」PR祭(トークイベント、展示等)
    ・鳥取発!新作民藝運動90周年企円事業(民工芸制作現場見学、体験等)
    ・「とっとり弥生の王国」魅力発信事業(出土品展示、古代体験)
    ・文化遺産新たな魅力創造事業(むきばんだ史跡公園ライトアップ、紙ランプ等)

4 史跡整備との関係

 DNA分析の研究成果を史跡整備に活かし、中国の歴史書『魏志倭人伝』に記された「倭人」や当時の「社会」に関する情報を発信し、史跡の活用をはかる。
 重要文化財指定品の優れた造形美や技術の高さを史跡整備に活かし、青谷上寺地遺跡の弥生のものづくり技術の粋や、海上交易の拠点としての重要性に関する情報を発信し、史跡の活用を図る。

<史跡整備等への活用例>

■人骨発見地点の整備
 DNA分析の対象となった頭骨など約5300点に及ぶ人骨が散乱していた様子を再現し、「倭国大乱ひろば」として整備することで、『魏志倭人伝』に記された時代・社会の実像を情報発信する。

■展示施設での重要文化財指定品、人骨等の展示
 史跡の隣接地に建設を検討している展示施設に、重要文化財指定品や出土した弥生人骨の展示を行う。また、最新のDNA分析として、再現された弥生人の復顔模型などを展示する。

■史跡の活用/地域振興
 重要文化財指定品の特徴である「匠の技」と「海との関わり」をテーマとした古代体験を活用メニューに取り入れ、青谷上寺地史跡公園ならではの魅力をアピールする。
 DNA分析から復元された青谷上寺地遺跡の弥生人(青谷人)のブランド化をはかり、青谷上寺地遺跡、青谷町、鳥取市、鳥取県への関心を高め、史跡の活用を通じた地域振興に取り組む。

5 事業の背景

(1)青谷上寺地遺跡出土人骨の復元

    ・青谷上寺地遺跡では、「倭国乱」の時代(2世紀)を生きた人々の骨が約5300点、109体分出土している。脳の発見等により、全国的に注目を集めた。
    ・埋蔵文化財センターでは、平成30年度から国立科学博物館、国立歴史民俗博物館との共同研究により、青谷上寺地遺跡出土人骨のDNA分析を進めている。
    ・ミトコンドリアDNA(母系に関する情報)分析では、32個体中31個体が東アジアの各地に由来する渡来系の人々であることが見えてきた。
    ・現在進行中である核DNA分析(人の形を特徴付ける遺伝情報など)では、人骨6個体のうち3個体の男性人骨が縄文系であることが特定できた。将来、日本列島人の成り立ちを解明するための、大きな手がかりが青谷上寺地遺跡から得られつつある。
    ・今後、国立科学博物館により、核DNAの詳細な分析が行われ、ゲノムの解析によって遺伝的特徴(混血の状況、個体の形質等)の解明が期待される。
    ・県民、マスコミの関心、期待も高く、DNA分析の中間成果報告(11/17、青谷町で開催)では、会場(150人収容)が満席となった。またシンポジウム「倭人の真実」(3/2、とりぎん文化会館小ホールで開催)では、430名の参加があった。

(2)青谷上寺地遺跡出土品重要文化財指定記念展
    ・青谷上寺地遺跡は、多種多様な弥生時代の遺物が極めて良好な状態で発見されたことにより「地下の弥生博物館」と呼ばれ、弥生時代の生活や文化をリアルに語るこれらの出土遺物は、弥生時代の研究にとって欠くことのできない資料として高く評価され、このたび1,353点が国の重要文化財に指定される運びとなった。
    ・青谷上寺地遺跡出土品は、「弥生の匠の技」というべき精巧な木製品や「海との関わり」を示す多様な出土品(海を介した交易によりもたらされた鉄器や青銅器などの貴重品、漁労具として使用された銛などの骨角製品など)が特徴であり、従来の「弥生のムラ=農村」のイメージを覆すもの。(木製品・骨角製品の指定点数は、弥生時代の遺跡からの出土品としては全国一)





要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
現計予算額 0 0 0 0 0 0 0 0 0
要求額 11,044 1,416 0 0 0 0 0 0 9,628