1 事業の目的・概要
地域の担い手の経営発展のため、新たな集落営農の組織化、経営の多角化の取組、組織活動に必要な農業用機械等の整備の支援、農業者及び集落営農組織の法人化、法人化後の経営安定の支援、農業者の経営課題に対して専門家等を派遣するなど伴走支援のための農業経営相談所の設置・運営に対し総合的に支援する。
2 主な事業内容
(1)集落営農体制強化支援事業(拡充) (単位:千円)
事業名 | 実施主体 | 要求額 | 補助率 | 事業内容 |
組織化支援 | 市町村、地域農業再生協議会等 | (44)
66 | 県 2/3
市町村1/3
| 集落営農の意識醸成・合意形成に必要な経費への支援
・集落営農世話人会の設置
・集落営農ビジョンの策定
・集落関係者間の合意形成
活動
・集落営農の規約等の締結
(補助金上限:66千円/地区) |
経営多角化支援 | 集落営農組織 | (100)
166
| 県 1/3
市町村1/6
| 集落営農組織による経営内容の多角化及び経営力向上に必要な経費への支援
・高収益品目の新規導入に係る試作
・直売、契約栽培等の実施
に向けた事前調査、商談
等(補助金上限:166千円
/組織) |
機械施設整備支援 | 集落営農組織 | (32,104)
68,869
| 県 1/3
市町村1/6
| 設立された組織が農業用機械及び附帯施設の導入、大型特殊免許取得のための受講料等に必要な経費への支援
[小規模組織]
経営面積20ha未満
補助金上限:7,000千円
/組織
[大規模組織]
経営面積20ha以上
補助金上限:12,000千円
/組織 |
【拡充】
新たな人材発掘支援 | 集落営農組織 | (-)
3,000 | (中山間地域) 県 1/3
市町村1/3 (上記以外)県 1/6
市町村1/6 | 集落営農組織の世代交代、若返りを図るため、新たな担い手を確保した集落営農組織に対し、共同作業で用いる草刈機等の導入経費を支援する。 |
合計 | | (32,244)
72,101 | | |
(2)農業法人設立・経営力向上支援事業(見直し) (単位:千円)
事業名 | 委託先 | 要求額 | 事業内容 | 備考 |
【見直し】
法人設立研修事業
| 鳥取県農業会議 | (2,170)
1,039
| 法人化を目指す認定農業者、人・農地プランの中心経営体に位置づけられた農業者(以下「農業者」という。)及び集落営農組織等に対して、法人設立に関する基礎知識の研修を実施する。 | (一部サポート事業で実施) |
【見直し】
法人設立スペシャリスト派遣事業 | (660)
- | 法人化を目指す農業者及び集落営農組織等に対して、経営の実態に応じて法人設立から設立後初期段階までの助言を行う会計士等の専門家を派遣する。 | (サポート事業で実施) |
法人設立支援事業 | (3,200)
3,200 | 農業者が法人化する場合に、定款作成及び登記等の費用として、定額40万円を助成する。
※集落営農組織が法人化する場合は、(2)の国の「農業経営法人化支援事業」を活用する。
| |
法人設立後フォローアップ事業 | (240)
240 | 法人設立後3年までの法人に対するサポートとして特に困難とされる税務申告等の疑問点に関する相談窓口を設置する。 | |
【見直し】
法人経営安定化支援事業 | (768)
- | 経営の改革、発展を目指す法人の組織運営や経営の改善について、会計士等の専門家による相談・助言やコンサルティングを実施する。 | (サポート事業で実施) |
スペシャリスト等を対象とした農業関係研修会開催 | (380)
476 | 農業法人にアドバイスができる人材の養成、確保につなげるための税理士等専門家への農業施策や農業経営に関する研修を実施する。 | |
【見直し】
農業経営法人化相談窓口設置事業 | (3,125)
2,644 | 農業経営の法人化を目指す農業者及び集落営農組織等の相談に対応するための窓口を設置し、アドバイザーによる相談活動を実施する。 | (一部サポート事業で実施) |
消費税 | (421)
380 | (簡易課税団体) | |
合計 | | (10,964)
7,979 | | |
※要求額の上段( )は前年度当初予算額
(3)農業経営法人化支援総合事業((2)から分割) (単位:千円)
補助事業 | 実施主体 | 要求額 | 補助率 | 事業内容 | 備考 |
農業経営者サポート事業 | 鳥取県農業経営者サポート協議会(共同事務局:鳥取県農業会議、鳥取県農業農村担い手育成機構) | (5,335)
8,320
| 国
10/10 | 関係機関が連携して設置する経営相談に要する経費を交付する。 | |
農業経営法人化支援事業
| (5,600)
2,600 | 国10/10 | 農業経営相談所を通じて設立した以下の組織に対し補助金を交付する。
ア 集落営農組織、複数の農業者が法人化した場合に、定款作成、登記等の費用として、定額40万円
イ 法人化を前提にした集落営農組織を組織化した場合に、設立準備会等の費用として定額20万円 | |
合計 | | (10,935)
10,920 | | | |
※要求額の上段( )は前年度当初予算額
3 前年度からの変更点
集落営農体制強化支援事業及び農業法人設立・経営力向上支援事業を統合。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<取組状況>
H20 新設組織: 4 既存組織: 7 計: 11組織
H21 新設組織:12 既存組織: 11 計: 23組織
H22 新設組織: 7 既存組織: 13 計: 20組織
H23 新設組織: 4 既存組織: 18 計: 22組織
H24 新設組織: 2 既存組織: 14 計: 16組織
H25 新設組織: 4 既存組織: 15 計: 19組織
H26 新設組織: 5 既存組織: 10 計: 15組織
H27 新設組織: 8 既存組織: 9 計: 17組織
H28 新設組織: 8 既存組織: 4 計: 12組織
H29 新設組織: 3 既存組織: 13 計: 16組織
累計 新設組織:56 既存組織:104 計:161組織
・H20〜H29の10年間の間に事業に取り組んだ161地区中56地区において、新たな組織が設立され、地域農業の維持に向けた取組につながった。
・新たな集落営農組織の設立のみならず、既存組織においても機械の共同利用による効率化、組合員の増加、オペレーター等後継者の確保など地域農業の発展につながった。
・農業経営を法人化したいが専門的な知識を習得する場がないという農業者のニーズに応えるため、農業法人の設立を検討している農業者への研修と、設立時の専門的なアドバイスを行う本事業を創設し、H26〜H29で計30法人の設立を支援した。
・集合研修として法人設立研修では、実績とノウハウを持つ業者に委託し、幅広い講師から講義を行ったところ多数の参加があった。
・県農業会議に法人化相談窓口を設置し、アドバイザーによる相談活動を実施した。
・法人化等に関して専門的なアドバイスを個別に行うためのスペシャリストを委嘱し、農業者の要望や経営状況に合ったスペシャリストを派遣。
・H30年度から、農業経営相談所を設置し、専門家を派遣しアドバイスを行うことにより、農業者の幅広い経営課題に伴走支援を行う体制を整えた。
これまでの取組に対する評価
・既存の組織においても機械導入を契機に、機械の操作・作業者が新たに組織に加入し後継者確保につながった事例や構成員の増加、新たな集落を取り込んで活動する組織も見られたが、更なる組織内の後継者育成は急務な課題となっている。
・本事業においては、永続的に集落の農地を維持していくためのシステムとして、多様な形態による集落営農組織の設立と必要な農業機械施設の導入等は有効に活用されているところである。
・将来に向けて持続的に地域農業を維持していくには、平成24年度から実施されている「人・農地プラン」との取組と連動させながら、人と農地の問題解決のため、一層の支援が必要である。
・法人設立研修では、受講者から「法人化に対する問題点、留意点が明確になり解決法がわかった」「会計上の問題がわかった」「有意義な内容でよく理解できた」などの好評価を受けており、法人化に係る知識習得の一助となった。
・法人化相談窓口の設置について、アドバイザーと農業改良普及所とが連携して農業者の相談に対応することにより、農業者の需要にきめ細かく対応できている。