1 事業概要
母県とブラジル鳥取県人会との今後の交流の継続・発展並びにさらなる民間交流の促進を図るため、各種交流事業を実施する。
2 事業背景・目的
移住者を中心としたブラジル日系人社会は世代交代が進み、このままでは母国・母県とのつながりがなくなってしまうのではないかという不安が大きく、ブラジル鳥取県人会からも、「母県との交流をさらに発展させるための事業」として継続的な実施を強く求められている。
BRICsの一角を占める新興工業国・資源国として発展しているブラジルとの交流を継続することは、本県の将来の発展に寄与するものと考えられる。
また、平成28年度にはブラジル鳥取県人会の元留学生・元研修員等が費用を負担して鳥取県の若人を招へいし、ブラジルにおける鳥取県人会の活動等を紹介する「若人招へい事業」を実施するなど、民間交流が発展している。
こうした観点から、中堅リーダーの相互派遣、研修員・留学生の受入れ及び日本語指導員の派遣による若い世代を中心とした交流活動の実施を通じて次世代の交流活動を担う人材を育て、県人会と母県との交流の活性化を図る。
3 事業内容
(1)技術研修員受入事業 ≪要求額 4,831千円≫
(30年度予算額:2,834千円)
ブラジルに在住する鳥取県出身者の子弟に対し、本県における技術研修の機会を与え、ブラジルでの社会的・文化的・経済的地位の向上を図る。(受入先:行政機関、県内企業、大学等)
(2)留学生受入事業 ≪要求額 3,836千円≫
(30年度予算額:3,836千円)
ブラジルに在住する鳥取県出身者の子弟に対し、本県における修学の機会を与え、ブラジルでの社会的・文化的・経済的地位の向上を図る。(受入先:大学・研究機関)
(3)中堅リーダー交流事業(受入) ≪要求額 733千円≫
(30年度(派遣)予算額:200千円)
(29年度(受入)予算額:1,014千円)
ブラジルに中堅リーダーを約2週間派遣して、ブラジル鳥取県人会や当地の民間団体等との交流・意見交換を通じ、民間主体による自立的な交流の活性化を図る。
(本事業は派遣・受入を交互に実施)
(4)日本語指導員派遣事業 ≪要求額 0千円≫(標準事務費)
(30年度予算額:0千円、標準事務費)
ブラジル・サンパウロ州にある第二アリアンサ鳥取村へ日本語指導員(教員)を派遣し、現地での日本語指導及び日本・本県の文化紹介等を行うことにより、ブラジルとの交流や本県の国際理解教育を推進する。
●派遣者:県内の現職教員
●派遣人数:1人
●派遣期間:1年間(平成30年4月〜平成31年3月)
※原則として1年更新し計2年間の派遣を予定。
●派遣先:第二アリアンサ鳥取村日本語学校
(5)【新規】教員派遣研修事業 ≪要求額 1,813千円≫
ブラジル・サンパウロ州にある第二アリアンサ鳥取村へ教員を短期間派遣する。
●目的等
(1)日本語指導員派遣事業の次期派遣候補者を事前に短期派遣し、アリアンサでの指導環境や状況を把握してもらう。
(2)短期派遣者については、長期派遣への意欲などを参考にして選考する。
●派遣者:県内の現職教員
●派遣人数:1人
●派遣期間:1週間程度
●派遣先:第二アリアンサ鳥取村日本語学校
4 所要経費
事業名 | 研修員
受入事業 | 留学生
受入事業 | 中堅リーダー
交流事業(受入) | 日本語
指導員
派遣事業 | 教員
派遣
研修事業 |
人数 | 1人 | 1人 | 2人 | 1人 | 1人 |
時期 | H31年4月
〜
H32年3月 | H31年4月
〜
H32年3月 | H32年3月予定 | H31年4月
〜
H32年3月 | H31年8月予定 |
期間 | 1年間 | 1年間 | 約2週間 | 1年間 | 約1週間 |
要求額 | 4,831千円 | 3,836千円 | 733千円 | 1,000千円 | 1,813千円 |
費用負担 | ○渡航費
10/10
県負担
○滞在費
10/10
県負担 | ○渡航費
10/10
県負担
○滞在費
10/10
県負担 | ○渡航費
1/2県負担
○滞在費
10/10県負担
(参考)
派遣時
○渡航費
10/10県負担
○滞在費
10/10
ブラジル鳥取
県人会負担 | ○渡航費
10/10
県負担
○滞在費
10/10
県負担 | ○渡航費
10/10
県負担
○滞在費
10/10
県負担 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
留学生受入事業は昭和40年から延べ64名、研修員受入事業は昭和63年から延べ40名を受入れた。
留学・研修を通じて、県内で専門的な知識・技術を学ぶことができている。
また、留学・研修中に日本語能力を向上させ、帰国後の鳥取県人会で重要なポジションにつく者もいる。
研修員・留学生は鳥取県滞在中傘踊り等の伝統芸能の習得や母県への理解を深める活動に積極的に参加している。また、地域で開かれる国際交流イベントやその他地域住民との交流の場へ積極的に参加し、県民の方の国際理解に資する活動を行ってきている。
これまでの取組に対する評価
本事業は、専門的な知識・技術を学ぶだけでなく、日本語・日本文化を学ぶ機会にもなっており、帰国後のブラジル移住者の地位向上に貢献している。
また、これまで本事業に参加したOBやOGがブラジルに帰国した後、ブラジル鳥取県人会において積極的に活動に参加し、自らが鳥取県で経験したこと、感じたことを伝え後輩の育成等を行っている。
本事業参加経験者が鳥取県とブラジルとの交流を継続し、深めていく上で欠かせない人材となっていることから、今後も鳥取県とブラジルの交流促進において中心となるような人材の育成が期待できる。