1 事業概要
近年、学校現場における問題が複雑化、多様化している中、教職員が、解決困難な対応に追われ、過重労働に陥ったり、長期間にわたり精神的負担を抱え健康を損なうことがないよう、教職員の負担軽減を図る。
(1)法律相談窓口の開設
県内3地区の弁護士各1名と相談業務委託契約を締結し、法律相談窓口を開設する。
(2)学校課題解決支援アドバイザーの設置
学校に対する保護者や地域住民等からの意見や要望の中で、学校現場や既存のサポート体制だけでは対応が困難な問題に対応するため、問題の早期解決、相手方との良好な関係構築に向けた支援を専門的立場から行う「学校課題解決支援アドバイザー」を設置する。
(ア)業務内容
○県教育委員会又は学校からの要請に応じて、対応困難な問題への対処方法等について検討し、円滑な問題解決に向けた指導・助言を行う。
○必要に応じて、アドバイザーが学校を訪問し、校長等とともに問題の解決にあたる。
○専門家ならではの人的ネットワークを活用し、問題解決に有効なノウハウ等を保有している団体又は人物等の紹介を行う。
(イ)対象者
学校における問題解決のための専門的知識を有する者
(退職校長、精神科医、臨床心理士、弁護士等を想定)
2 課題
○学校において教職員に対応が求められる課題は複雑化・多様化が進んでおり、これらの対応に追われ、教職員が教育活動に専念することが困難となる状況も生じている。
○このような中で、教員が児童・生徒と向き合う時間を確保し、心身ともに健康な状態で、質の高い授業や生徒指導等を行うことができるよう、学校運営の支援(教職員の多忙解消及び負担軽減)を図ることは喫緊の課題となっている。
3 要求額
(1)法律相談窓口の開設
委託料 2,213千円 (前年度 1,944千円)
(積算)
※昨年度との変更点
○近年東部地区の利用が著しく増加しており、他地区との不均衡が生じているため、東部地区担当弁護士に当初想定以上の負担が発生している。そのため、年間50件の利用を基礎部分とし、それを上回る部分については、実績によって支出する。
○基礎部分を上回る場合(51件以上):1件あたり9,000円(基礎部分の75%として算定)
※基礎部分:1件あたり12,000円とし、1件の平均利用時間を45分として算定
・東部(年間75件利用想定)
50,000円×5ヶ月×1.08+50,000円×7ヶ月×1.1+9,000円×25件×1.1=902,500円
・中部、西部(基礎部分内想定)
(50,000円×4ヶ月×1.08+50,000円×8ヶ月×1.1)×2地区=1,310,000円
(2)学校課題解決支援アドバイザーの設置
544千円
(内訳)報償費 364千円(@10,100円×3日×12ヶ月)
特別旅費 180千円(@5,000円×3日×12ヶ月)
【合計要求額】(1)+(2) 2,757千円
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<法律相談窓口の開設>
平成23年7月に東部、中部、西部の弁護士(各1名)と業務委託契約を締結し、学校問題に関する法律相談窓口を開設した。
〈学校課題解決支援アドバイザーの設置〉
平成29年度より学校課題解決支援アドバイザーを設置するとともに、学校の希望に応じた専門家をアドバイザーに委嘱し、対応困難な事案について支援を行っている。
これまでの取組に対する評価
〈法律相談窓口の開設〉
平成30年度は9月末までで44件の相談実績を有し、法的問題について弁護士に助言を受けることで、困難事例の解決、問題発生の未然防止につなげ、教職員の負担軽減を図った。
これまでも毎年、一定の利用実績(H29:83件、H28:44件、H27:68件、H26:46件、H25:48件、H24:50件)を有しており、学校における法律問題、教職員の負担軽減において必要不可欠な制度として定着している。
〈学校課題解決支援アドバイザーの設置〉
平成30年度は9月末までで臨床心理士等4名をアドバイザーに委嘱し、9件の利用実績を有している。学校現場や既存のサポート体制だけでは対応が困難な問題について、問題の早期解決、相手方との良好な関係構築に向けた支援を行い、対応にあたる教職員の負担軽減と心理的支援を図った。