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県議会に提出した条例
20年2月定例会 条例(改正)
件名:

鳥取県福祉のまちづくり条例の全部改正について

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生活環境部 景観まちづくり課 まちづくり推進担当 電話番号:0857-26-7390

提出理由


 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下「法」という。)に基づくバリアフリー化を進めることにより、福祉のまちづくりのより一層の推進を図るため、特別特定建築物に追加する施設及び建築物移動等円滑化基準に付加する事項を定める等所要の改正を行う。

※特別特定建築物 不特定かつ多数のものが利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する特定建築物(学校、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、ホテル、事務所、共同住宅、老人ホームその他の多数のものが利用する建築物又はその部分をいう。)であって、移動等円滑化が特に必要なものをいう。

※建築物移動等円滑化基準 移動等円滑化のために必要な建築物特定施設(出入口、廊下、階段、エレベーター、便所、敷地内の通路、駐車場その他の建築物又はその敷地に設けられる施設)の構造及び配置に関する基準

※移動等円滑化経路 高齢者、障害者等が円滑に利用できる経路

※視覚障害者移動等円滑化経路 視覚障害者が円滑に利用できる経路

内容


1 特別特定建築物に次の施設を加える。
(1) 特別支援学校以外の学校
(2) 公益事業の事務所
(3) 共同住宅、寄宿舎又は下宿
(4) 老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの(高齢者、障害者等の移動等の円滑化に関する法律施行令(以下「令」という。)に規定するものを除く。)
(5) 体育館、水泳場、ボーリング場その他これらに類するもの(令に規定するもの及び福利厚生施設を除く。)
(6) 自動車教習所等

2 建築物移動等円滑化基準(便所及びエレベーターに係るものの一部を除く。)への適合義務が課せられる特別特定建築物(公衆便所を除く。)の建築の規模を次のとおり引き下げる(引下げ前(令で定める規模)2,000平方メートル)。
用途
規模
ア 学校(専修学校及び各種学校を除く。)100平方メートル
イ 学校(専修学校及び各種学校に限る。)500平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
ウ 病院又は診療所100平方メートル
エ 劇場、観覧場、映画館又は演芸場1,000平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
オ 集会場又は公会堂500平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
カ 展示場1,000平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
キ 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗100平方メートル
ク ホテル又は旅館1,000平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
ケ 保健所、税務署その他不特定かつ多数の者が利用する官公署100平方メートル
コ 公益事業の事務所1,000平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
サ 共同住宅、寄宿舎又は下宿1,000平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
シ 老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの100平方メートル
ス 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの100平方メートル
セ 体育館、水泳場、ボーリング場その他これらに類する運動施設(専ら従業員の福利厚生のために使用されるものを除く。)又は遊技場1,000平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
ソ 博物館、美術館又は図書館500平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
タ 公衆浴場500平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
チ 飲食店200平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
ツ クリーニング取次店又は質屋、貸衣装屋その他これらに類するサービス業を営む店舗500平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
テ 理髪店及び美容院その他これらに類するサービス業を営む店舗200平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
ト 郵便局又は銀行100平方メートル
ナ 自動車教習所等500平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
ニ ターミナル100平方メートル
ヌ 自動車の停留又は駐車のための施設(一般公共の用に供されるものに限る。)1,000平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
ネ 公衆便所50平方メートル
ノ 公共用歩廊1,000平方メートル(3(1)ウ(ア)の基準にあっては、100平方メートル)
注 公衆便所は、令に定める規模(50平方メートル)のとおり。

3 建築物移動等円滑化基準に次の事項を加える。
(1) 特別特定建築物に共通して適用する事項
ア 廊下、階段、階段に代わり、又はこれに併設する傾斜路に付加する基準
階段や傾斜路の下端に点状ブロックを設置すること。
イ 便所に付加する基準
 (ア) 床の表面を粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。
(イ) 1以上の洗面器又は手洗い器には、レバー式、光感知式等による水栓を設けること。
(ウ) 1以上の便所にベビーチェアその他乳幼児を座らせる設備を設け、その出入口に表示を行うこと(学校以外の場合に限る。)。
(エ) 車いす使用者用便房は、次に掲げるものであること。
 a くつべら式又は光感知式等による大便器洗浄装置を設けること。
 b 洗面器又は手洗い器には、レバー式又は光感知式等による水栓を設けること。
ウ 移動等円滑化経路に付加する基準
 (ア) 移動等円滑化経路を構成する出入口のうち、屋外に面するものは、降雨及び降雪の影響の少ない場所に面する場合等を除き、ひさし又は屋根を設けること。
(イ) 当該移動等円滑化経路を構成する廊下等の末端付近は、車いすの転回に支障のない構造とすること。
(ウ) 当該移動等円滑化経路を構成するエレベーターのかごの内部に鏡及び手すりを設置し、出入り口に利用者を感知し、戸の開閉を自動的に制止することができる装置を設けること。
(エ) 当該移動等円滑化経路を構成する敷地内の通路を縦断し、又は横断する排水溝等を設ける場合においては、当該排水溝等に、つえ、車いすの車輪等が落ちない構造のふたを設けること。
(2) ホテル又は旅館の客室に付加する基準
ア 床の表面は、滑りにくい材料で仕上げること。
イ 室内は、車いす使用者が円滑に利用することが出来るよう十分な床面積を確保すること。
ウ 電話機、コンセント、スイッチその他の設備は、車いす使用者が円滑に利用できる高さとすること。
エ 回転灯その他の聴覚障害者に緊急情報を伝達する設備を設けること。
(3) 特別特定建築物のうち一定規模以上のものについて特に付加する事項
ア 便所に付加する基準
(ア) 2の表のエ、オ、キ、ク(一部の用途に限る。)、ケ、セ(一部の用途に限る。)、ソ、ニ及びネに掲げる特別特定建築物であって、その建築の規模が一定の面積以上のものについては、一以上の便所にベビーベッドその他乳幼児のおむつの交換ができる設備を設けること。
(イ) 2の表のエ、オ、キ、ク(一部の用途に限る。)、ケ、セ(一部の用途に限る。)、ソ及びニに掲げる特別特定建築物であって、その建築の規模が一定の面積以上のものについては、車いす使用者用便房にベッドその他の高齢者、障害者等が円滑に衣類等の交換ができる設備を設け、当該便所の出入口には、その旨の表示を行うこと。
イ 移動等円滑化経路等に付加する基準
(ア) 2の表のウ(一部の用途に限る。)エ、オ、キ、ケ、セ(一部の用途に限る。)、ソ、ト及びニに掲げる特別特定建築物であって、その建築の規模が一定の面積以上のものについては、当該出入り口の外側に音声により視覚障害者を誘導する設備を設けること
(イ) 当該移動等円滑化経路を構成する廊下等は、次に掲げるものであること。
 a 2の表のエ、オ、キ、ク(一部の用途に限る。)、ケ、セ(一部の用途に限る。)、ソ及びニに掲げる特別特定建築物であって、その建築の規模が一定の面積以上のものについては、乳幼児の授乳及びおむつの交換ができる設備を設け、当該設備の出入口には、その旨の表示を行うこと(他に授乳及びおむつの交換ができる場所を設ける場合を除く。)。
 b 2の表のエ及びセ(一部の用途に限る。)に掲げる特別特定建築物であって、その建築の規模が一定の面積以上のものについては、乳幼児を預かることができる室を設け、当該室の出入口には、その旨の表示を行うこと(他に乳幼児を預かることができる室を設ける場合を除く。)。
(4) 共同住宅においては、道等から各住戸までの経路のうち一以上を、移動等円滑化経路に準じて高齢者、障害者等が円滑に利用できる経路にしなければならない。
(5) 公益事業の事務所においては、道等から視覚障害者が利用する窓口又は案内所までの経路のうち1以上を、視覚障害者移動等円滑化経路に準じて視覚障害者が円滑に利用できる経路にしなければならない。

4 条例で付加した3の基準について、特別特定建築物の増築等の場合における適用範囲を定める。

5 適合証の交付
特定建築物を建築物移動等円滑化基準に適合させた場合における、適合証明の制度を設ける。

6 施行期日等
ア 施行期日は、平成20年10月1日とする。
イ 所要の経過措置を講ずる。
ウ 鳥取県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例について所要の規定の整備を行う。
エ 知事は、この条例の施行後5年を経過したときは、この条例の規定及びその実施状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。