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県議会に提出した条例
18年2月定例会 条例(改正)
件名:

消費生活の安定及び向上に関する条例の一部を改正する条例

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生活環境部 県民生活課 消費生活担当 電話番号:0857-26-7186

提出理由


1 これまでの消費者施策は、事業者に対して相対的に弱い立場に置かれている消費者を積極的に保護することによって、県民の消費生活の安定及び向上を図るものであった。

2 一方近年では、消費者をとりまく経済社会状況が変化し、消費者トラブルも増加・多様化する中で、消費者自身が必要な知識や情報を身に付け、自立した主体として行動することが求められている。

3 そのため、これまでの消費者施策を見直し、消費者の権利を尊重し、消費者の自立を積極的に支援するための施策を実施するため、基本理念の規定を新設するとともに、事業者等の責務、消費者等の役割、消費者教育の推進等の規定について所要の改正を行う。

4 また、事業者がその商品の性能等について不実のことを告げたか否かを判断する場合において、合理的な根拠を示す責任を当該事業者に負わせることとする等、事業者に対する調査について必要な事項を定める。

内容


1 次のとおり、消費者施策に関する規定を整備する。

(1)基本理念(規定の新設)ア 県民の消費生活の安定及び向上の確保は、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため、自立した主体として、自主的かつ合理的に行動するとともに、事業者が適切な事業活動を行い、消費者の信頼を確保することを基本として行われなければならない。

イ 消費者施策の推進は、県民の消費生活における基本的な需要が満たされ、その健全な生活環境が確保される中で、消費者の安全の確保その他の消費者の権利を尊重することを基本として行われなければならない。

ウ 消費者施策の推進は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差を是正するための施策を進めるとともに、消費者が自立した主体として自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として行われなければならない。

エ 消費者の自立の支援に当たっては消費者の安全の確保等に関して事業者による適切な事業活動の確保が図られるとともに、消費者の年齢その他の特性に配慮しなければならない。

オ 消費者施策の推進は、高度情報通信社会の進展及び消費生活における国際化の進展に的確に対応すること並びに環境の保全に配慮して行われなければならない。
(2)事業者の責務(規定の整備)ア 事業者は、県民の消費生活に関し、その供給する商品等について、次に掲げる責務を有する。
 (ア) 消費者の安全及び消費者との取引における公正を確保すること。
 (イ) 消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること。
 (ウ) 消費者との取引に際して、消費者の知識、経験等に配慮すること。
 (エ) 消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理すること。
 (オ) 県及び市町村が実施する消費者施策に協力すること。

イ 事業者は、その供給する商品等に関し環境の保全に配慮するとともに、消費者の信頼を確保するよう努めなければならない。
(3)事業者団体の責務(規定の新設) 事業者団体は、事業者の自主的な取組を尊重しつつ、事業者と消費者との間に生じた苦情の処理の体制の整備その他の消費者の信頼を確保するための自主的な活動に努めるものとする。
(4)消費者の役割(規定の整備) 消費者は、消費生活に関し、環境の保全及び知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない。
(5)消費者団体の役割(規定の新設) 消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明その他の消費者の消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な活動に努めるものとする。
(6)市町村との連携等(規定の新設)ア 県は、消費者施策の実施について、市町村の協力を求めるとともに、市町村が行う消費者施策の実施について、必要な協力を行うものとする。 

イ 県は、消費者、事業者等と協働して、消費生活の安定及び向上に関する活動に取り組むものとする。
(7)消費者団体の自主的な活動の促進(規定の新設) 県は、消費者団体の健全かつ自主的な活動が促進されるよう必要な施策を講ずるものとする。
(8)不当な取引方法の調査(規定の新設) 知事は、事業者が不当な取引行為を行ったか否かを判断する場合において、当該事業者が商品の効能、種類等につき不実告知行為を行ったか否かを判断する必要があるときは、当該事業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、当該事業者は不実告知行為を行ったものとみなす
(9)啓発活動及び教育の推進(規定の整備)ア 県は、子供のときからの消費者教育の必要性を重視し、学校、地域等を通じて消費生活に関する教育の充実に努めるものとする。

イ 県は、啓発活動及び教育の推進に当たっては、高齢化、高度情報化等の進展に配慮するとともに、消費者の年齢その他の特性に応じて効果的に行うよう配慮するものとする。

ウ 県は、啓発活動及び教育の推進に当たっては、消費者からの相談及び苦情並びに他県の被害状況等に応じて、迅速かつ効果的に行うものとする。
(10)苦情の処理(規定の新設) 知事は、市町村が講ずる消費者からの苦情の処理に関する措置について、必要な支援を行うほか、市町村との連携を図りつつ、主として高度の専門性又は広域の見地への配慮を必要とする苦情の処理のあっせん等を行うものとするとともに、多様な苦情に柔軟かつ弾力的に対応するものとする。
(11)環境の保全への配慮(規定の整備)ア 消費者は、その消費生活が環境に及ぼす影響を理解し、物を大切にするとともに、商品等の選択、購入等に際しては、環境の保全に配慮するよう努めなければならない。

イ 事業者は、その事業活動を行うに当たって、環境の保全に配慮するよう努めなければならない。
(12)立入調査等(規定の整備)ア 知事は、条例の規定の施行に必要な限度において、事業者に対し、その業務に関し資料の提出若しくは説明を求め、又はその職員に、当該事業者の事務所、工場その他の場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

イ 知事は、事業者がアの立入調査等の拒否等を行ったときは、その旨を公表することができる。
(13)この条例の失効(規定の新設) この条例は、平成23年3月31日までに延長その他の所要の措置が講じられないときは、同日限り、その効力を失う。

2 その他所要の規定の整備を行う。
3 施行期日は、平成18年4月1日とする。