件名:
鳥取県孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり推進条例
福祉保健部 福祉保健課 地域福祉推進室 電話番号:0857-26-7158
提出理由
援助を行う者、援助を受ける者及びその他の家族の支援に関し、県及び市町村の責務並びに県民、事業者及び関係団体等の役割を明らかにするとともに、相互の連携と協力により、その支援に関する施策に取り組むために必要な事項を定め、援助を行う者及び援助を受ける者の孤独・孤立を防ぎ、全ての県民が地域社会の中で互いに支え合う温もりのある社会づくりの推進に資することを目的とする。内容
1 基本理念
(1) 特定援助者等支援(特定援助者等に生じる身体的又は精神的負担を軽減させるとともに、孤独・孤立の問題に対応するため、行政若しくは民間が、又は行政と民間との協働により行う支援をいう。以下同じ。)は、全ての特定援助者等(特定援助者(家庭内援助を行う者をいう。)、被援助者及びその他の家族等をいう。以下同じ。)が個人として尊重され、健康で文化的な生活を営み、自己実現や社会参加をすることができるように行われなければならない。
(2) 特定援助者等支援は、県、市町村、県民、事業者、関係団体等、民間支援団体等の多様な主体が相互に連携を図りながら、特定援助者等との信頼関係を構築しつつ、特定援助者等が孤独を感じ、又は孤立することのないように共に支え合い生きる「支え愛」の理念の下で行われなければならない。
(3) 特定援助者等支援においては、全ての特定援助者等が、適切な教育及び就労の機会並びにその他必要なサービスの提供を受ける機会が確保されるように十分配慮されなければならない。
2 県等の責務
(1) 県は、1の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、特定援助者等支援に関する施策を実施するとともに、市町村、事業者、関係団体等及び民間支援団体との有機的連携を図る責務を有する。
(2) 県は、市町村、県民、事業者、関係団体等及び民間支援団体による特定援助者等の支援の一層の促進のために情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。
(3) 市町村は、基本理念にのっとり、児童福祉法その他の法律に基づくサービス(以下「法令等サービス」という。)の提供及び特定援助者等支援に関する施策の実施に取り組むとともに、包括的な相談支援体制の整備、特定援助者等の社会参加のために必要な支援及び住民相互の交流促進を通じた互いに支え合う地域づくりの推進に主体的に取り組むよう努めるものとする。
(4) 市町村は、法令等サービスによっては十分な援助を受けることができないと考えられる特定援助者等又は必要な援助を受けることができていない特定援助者等に対して、制度の創設、地域の社会資源の活用その他の方法によって、支援するよう努めるものとする。
3 県民等の役割
(1) 県民は、基本理念にのっとり、あらゆる機会を通じて、特定援助者等についての理解と関心を深めるとともに、見守り及び声かけその他の特定援助者等支援に努めるものとする。
(2) 事業者は、基本理念にのっとり、特定援助者等支援の必要性についての理解を深め、その事業活動を行うに当たっては、県及び市町村が実施する特定援助者等支援に関する施策の推進に協力するよう努めるものとする。
(3) 事業者は、その雇用し、又は雇用しようとする者が特定援助者である可能性があることを認識し、その就労と家庭内援助(高齢、障がい、ひきこもりその他の事由により援助を必要とする者に対して、その家族等(同居又は別居を問わず、父母、祖父母、配偶者、子、孫、兄弟姉妹その他の親族又はその他これらに準ずる者をいう。以下同じ。)が無償で行う介護、看護、日常生活上の世話その他の援助をいう。以下同じ。)との両立ができるよう配慮に努めるものとする。
(4) 関係団体等は、基本理念にのっとり、県及び市町村が実施する特定援助者等支援に関する施策に積極的に協力するよう努めるものとする。
(5) 関係団体等は、その業務を通じて日常的に特定援助者に関わる可能性があることを認識し、特定援助者を認知したときは、その意思を尊重しつつ、その家庭内援助の現状並びに特定援助者等の健康状態及び生活状況を確認し、特定援助者等支援の必要性の有無、特定援助者の家族に他に家庭内援助を必要とする者がいないか把握に努めるものとする。
(6) 関係団体等は、特定援助者等支援が必要と考えられる者に対し、特定援助者等支援を行う機関の紹介その他の情報提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
(7) 教育に関する業務を行う関係機関は、日常的に児童、生徒、学生その他の教育を受ける者と接する機会を活用し、特定援助者を認知したときは、その意思を尊重しつつ、教育の機会の確保の状況、その家庭内援助の状況並びに特定援助者等の健康状態及び生活環境を確認し、特定援助者等支援の必要性について早期の把握に努めるとともに、早期の支援につながるよう必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
4 特定援助者等への支援の推進
(1) 県は、市町村と連携協力して、特定援助者等支援のために必要となる施策を推進するものとする。
(2) 県は、特定援助者等支援が適切に行われるよう、相談対応、助言、日常生活及び社会生活の支援その他の特定援助者等支援又はそれらの支援の調整を担う人材の育成及び確保に必要な施策を講ずるものとする。
(3) 県は、特定援助者等支援の重要性について県民の理解と関心を深めるため、家庭、学校、職域、地域その他の様々な場を通じて、研修の充実その他の方策により、必要な普及啓発活動を行うものとする。
(4) 県は、特定援助者等支援に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(5) 県は、県が単独で、又は市町村、県民、事業者、関係団体等、民間支援団体等と協働して行う特定援助者等支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進のため必要な事項を調査審議し、及びその施策の実施状況を検証するため、孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり審議会を設置する。
5 施行期日等
(1) 施行期日は、令和5年1月1日とする。
(2) 鳥取県附属機関条例について、4(5)に伴う所要の改正を行う。