1 事業の目的・概要
日本(境港)〜韓国〜ロシアを結ぶ環日本海圏航路の安定的かつ継続的な運航に資するため、運航経費の一部を助成する。
【助成理由】
環日本海圏航路は日韓露を結ぶ唯一の定期フェリー航路であり、本県が北東アジアゲートウェイとしての機能を備えるための象徴的かつ重要な航路である。
しかしながら、日韓関係の悪化により令和元年11月28日から令和2年2月29日まで臨時休航となったほか、海外経済の低迷、自然災害の発生など、航路を取り巻く環境は不安定である。運航会社側は、売上原価の削減や貨物獲得を目的とした舞鶴への追加寄港、積極的な旅客誘致などの経営努力を続けてきたが、引き続き、境港を寄港とする航路を続ける意思を持っている。
本県としても、中海・宍道湖・大山圏域市長会と連携し、航路の安定化に向けて支援を継続する。
2 事業内容
環日本海圏航路の運航経費を助成する民間団体に対し、地元自治体と協調して支援を行う。
【協議会→運航会社】
事業主体:環日本海経済活動促進協議会
補助対象:日本(境港)〜韓国の運航経費のうち固定的経費の1/10を助成
補助限度額:1往復当たり1,000千円を上限とし、運航回数に基づき助成(週1回運航・年間52往復を想定)
【県・地元自治体→協議会】
助成内訳:助成総額を県と地元自治体が7対3で負担(地元自治体とは中海・宍道湖・大山圏域市長会)
補助金額: <全体事業費>
1,000千円(上限)/往復×52往復(週1回運航)=52,000千円
うち鳥取県 7/10(負担割合) = 36,400千円
うち地元自治体 3/10(負担割合) = 15,600千円
*固定的経費とは、売上の増減に関係なくほぼ一定の金額となる経費であり、傭船料等船舶及び付帯設備の保有、借受、維持に関する費用、船員費、一般管理費、燃料費などとする。
3 背景
・日韓関係の悪化による旅客の減少による経営上の困難により、令和元年11月28日〜令和2年29日まで臨時休航。
・2019年(1月〜12月)の境港利用状況は、延べ乗客数(境港−東海間)は15,321名で、1便あたり平均乗客数が前年比35.9%減の182人。貨物の取扱貨物量の合計トン数は3,427ftと、前年比47.3%の減。(境港管理組合による暫定値)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
2009年6月の就航以来、東日本大地震や客船セウォル号沈没事故、MERSの流行、ロシア経済の低迷、鳥取県中部地震などの情勢変化にさらされながらも、運航が継続されてきた。運航会社も、売上原価の削減や積極的な旅客誘致などの経営努力を続けている。
しかし、日韓関係の悪化による旅客減により、令和元年11月28日から令和2年2月29日まで臨時休航となった。
これまでの取組に対する評価
・2019年に同航路で来訪した外国人旅行客は、約7千4百人で、経済波及効果は約3.1億円(試算)に達する。
・就航以来の境港利用の累計(R1.12月末)では、旅客は延べ約26万人以上、貨物は約7万トン以上の実績があり、境港の存在感は確実に向上した。
・航路が維持されていることにより、本県への外国人観光客誘致や県内企業の海外展開が促進されている。