1 事業の目的・概要
ユネスコ世界ジオパーク「山陰海岸ジオパーク」でのロングトレイルやシーカヤック等アクティビティ活動の推進、国際化に向けた取組その他様々なジオパーク活動への支援など山陰海岸ジオパークの魅力向上を図り、国内外からの誘客促進を図るとともに、地域住民の機運醸成を図る取組を推進する。
2 主な事業内容
(1)山陰海岸ジオパークトレイル全ルート完成記念イベントの開催等(3,400千円)
山陰海岸ジオパークを横断するトレイルコースが今年度中に全通の予定である。県境を越えて連携したロングトレイルは、日本ジオパークの再認定審査で高い評価を得ており、また山陰海岸ジオパーク推進協議会ではジオツーリズム推進のアイコンと位置づけ、全通後の活用の検討を始めたところである。このトレイルコースの完成を広く知らしめるため、世界的なトレイルの著名人を招聘した全ルート完成記念トレイルイベントを開催するとともに、トレイル愛好者に絶大な人気を誇るBE-PAL誌で情報発信を行い、山陰海岸ジオパークの魅力を全国にPRし、認知度向上と国内外からの誘客を図る。
(2)体験学習の拡充(345千円)
入館者数の増加も目的として、体験学習の拡充を図る。
〇シーカヤックを活用した体験学習(270千円)
児童生徒等がシーカヤックで浦富海岸沿岸を回遊し、自然を楽しみながら山陰海岸ジオパークとSDGsについて学ぶため、漂着ゴミの清掃を行うとともに、地形・地質や海洋生物についての解説を聞く。
〇ジオフィールド祭における体験学習(75千円)
岩美町立渚交流館周辺で開催されるジオフィールド祭において、近隣の関係者と連携し、海の生物や地元の和紙などを使った工作体験ブースや海中映像を放映、解説するなど、児童生徒にジオパークエリアの自然や文化を体験させる。(ウニランプづくり工作体験、因州和紙のランプ作り、浦富海岸の海中解説、モルタルマジック)
〇星空観察会の拡充
当初予定の年5回を日中の観察も含め月1回の年12回に増加させる。(自然館職員対応)
3 これまでの主な経緯等
〇山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館の入館者数は、県立博物館の別館であった山陰海岸学習館を平成28年度にリニューアルオープンし、以降入込客数は基本的に増加の傾向にある。(平成27年度:19,957人→平成28年度:23,875人→平成29年度:23,170人→平成30年度:27,556人)
〇当館は展示室と映像室からなり会議スペースを持たないため、学校、公民館への専門員等による出前講座(ジオパーク全般、地 形・地質、海洋生物、自然災害・防災等。平成30年度で52 回、2,706人が参加)のほか、大学や屋外での教室、観察会(平成30年度で25回、1,166人が参加。)を行っている。
〇入館者数の増加を目的として、今年度6月補正予算により50人収容の岩石庭園を新設し、今まで断らざるを得なかった100人超の修学旅行等の大口客の受入体制を整えるとともに、隣接するアクティビティ拠点施設の岩美町立渚交流館(平成30年度入込客数:14,749人)から客が回遊していない現状を踏まえ、それらの客の誘導のため、当館における屋外案内掲示板、横断幕の設置を予定しているところである。
〇なお、「山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク創生事業費」は、ジオパーク活動の推進が目的であり、一方、「山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館運営費」と「山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館事業費」は、当館の管理運営及び展示の充実を目的としている。