事業名：
中海・美保湾資源生産力調査
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水産振興局 水産試験場 漁場開発室
| |
事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト
(A+B) |
正職員 |
会計年度任用職員 |
特別職非常勤職員 |
| 令和２年度当初予算額 |
852千円 |
5,509千円 |
6,640千円 |
0.7人 |
0.1人 |
0.0人 |
| 令和２年度当初予算要求額 |
852千円 |
5,788千円 |
6,640千円 |
0.7人 |
0.1人 |
0.0人 |
| R1年度6月補正後予算額 |
814千円 |
5,557千円 |
6,371千円 |
0.7人 |
0.0人 |
0.0人 |
事業費
要求額：852千円 （前年度予算額 814千円） 財源：単県
一般事業査定：計上 計上額:852千円
事業内容
１ 事業の目的・概要
中海の造成浅場を活用した漁業振興を図るため、そこに出現する有用魚類の生育場の改善及び中海と美保湾を回遊する水産有用種に着目し、美保湾を含めた中海圏で漁業振興策を検討する。
２ 主な事業内容
（１）中海調査(H24〜R2）
中海の造成浅場に出現する魚類を把握する。また生育場としての機能強化の手法として簡易構造物を検討する。
調査項目 | 内容 |
出現種の把握 | ４月〜９月期に月１回サーフネットを用いて、稚魚を採集する。 |
生育環境の把握 | 月3回、水温、塩分、溶存酸素のデータを収集する。 |
稚魚の隠れ場の創出
生育環境の機能向上 | ・コンクリート材を用いた簡易な構造物を海底に設置して効果・検証を行う。
・餌生物を増やすため当構造物への海藻付着（褐藻のウミトラノオ）を実施する。 |
マハゼ養殖 | ・養殖の可能性を見出すため、初夏に浅場に出現する天然のマハゼ幼魚を用いて陸上養殖試験を実施する。（民間企業と共同研究） |
（２）カタクチイワシの資源動態(H30〜R2）
カタクチイワシ（主にシラス）は、美保湾における重要な魚類であるが、資源変動が大きく、これまでの知見も限られる。持続的で効率的な利用を考えるために、資源動態や漁場形成要因を検討・把握する。
調査項目 | 内容 |
中海・美保湾
カタクチイワシの資源動態調査 | ・標本船調査や統計調査により漁場や水揚量、単価等を把握する。
・市場調査により、魚体をサンプリングし、体長や混獲等の基礎データを取得する。
・漁場に水温・塩分計を設置し、水質環境の変化を把握する。 |
（３）アオナマコの資源管理方法確立調査（新規）（R2〜R4）
美保湾の重要資源であり、近年漁獲量が減少しているアオナマコを対象に、漁業者が取り組める資源管理手法を確立するため、資源量の推定や産卵特性の把握を目的とした調査を実施する。
調査項目 | 内容 |
| アオナマコの資源管理方法確立調査内容 | ・潜水調査や標本船調査を実施し、資源量の変化を把握する。
・市場調査、標本船調査により産卵期及び産卵開始重量を把握する。
・得られたデータを基に漁獲水準を推定し、資源管理マニュアルを作成する。 |
３ 予算比較
区分 | 内訳 | R元年度
要求額 | Ｈ３１年度
予算額 |
人件費 | 非常勤職員報酬及び社会保険料 | − | 138 |
委託料 | 調査委託傭船料 | 180 | 180 |
報償費 | 標本船調査謝金 | 336 | 240 |
旅費 | 普通旅費 | 16 | 46 |
需要費 | 消耗品費 | 180 | 200 |
役務費 | 電話郵券 | 5 | 10 |
| 使用料及び賃借料 | 潜水調査傭船料 | 135 | 0 |
計 |  | 852 | 814 |
４ 前年度からの変更点
・アオナマコの資源量管理方法確立調査を新規要求
（１）標本船調査謝金 96千円、（２）潜水調査傭船料 135千円
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
（１）中海調査
○造成浅場に出現する魚類の把握
4〜9月の月１回、サーフネットを用いて、造成浅場に出現する稚魚を採集した。また、月の上・中・下旬に水質調査を実施した。
○稚魚の隠れ場となる簡易構造物の開発・効果検証
コンクリートブロックと塩ビ管により簡易な構造物を製作し（1.3平米/基）これを9基設置した。また、同構造物にウミトラノオ（ホンダワラ類）の母藻を吊り下げ播種を実施した。令和元年度は、コンクリートブロックを山積みした２つの試験礁に、５月中旬と５月下旬に採集した海藻を配置させ、母藻設置時期と構造物の高さによる付着状況の違いを試験した。
○マハゼ養殖
地元の民間業者と共同研究を実施。造成浅場で全長4〜5cmの幼魚を採集し、これを民間業者施設内の6トン水槽で約4か月飼育することで、成長や生残率を調べた。
（２）カタクチイワシの資源動態
標本船調査、聞き取り調査や統計調査等を実施し、カタクチイワシ銘柄、シラス銘柄の漁獲量や単価等を整理。また、漁獲されたシラスの大きさや他種の混ざり具合、大まかな漁場を把握。漁場内に調査点を一つ設け、表、中、底層の連続的な水温を計測している。
これまでの取組に対する評価
（１）中海調査
○出現種の把握
・平成24年度から実施された調査により、各年、主に稚魚期からなる魚類が20種程度確認されており、春〜夏期においては、比較的多様な魚類の出現が見られ、餌となるイサザアミなども多数見られている。
・昨年度は10科20種の魚類が採集された。本年度は分析中。
○稚魚の隠れ場となる簡易構造物の開発・効果検証
・昨年度は６月から１２月にかけて水産有用種であるマハゼの利用が確認。１平米あたり約３尾が利用していた。10月には5.6尾/平米に達し、周辺域と比較して非常に生息密度が高い状況となった。
・令和元年度は、６月から９月にかけてマハゼを1平米あたり1.1尾確認。
・昨年度実施した海藻の付着試験では、ウミトラノオの幼芽を確認できず失敗。原因は不明。
・令和元年度の試験では幼芽を確認することができた。→適切な母藻設置時期だったと考えられた。構造物の高さによる違いは認められず。→構造物が低くても、砂の流動による付着した種の剥離は考慮しなくてもよいと推察。
○マハゼ養殖
・昨年度は、7日間で2036尾採集。養殖開始後190日に出荷サイズまで成長（平均体長13.8cm)。飼育開始後12日までに４割が斃死し、給餌量不足が原因と考えられた。また、飼育初期の水温が低かったことから、成長が悪かったと推察。→加温により成長アップが可能。
・令和元年度は、13日間で764尾採集。飼育密度が昨年の1/6とかなり低くなったことから、昨年に比べ生残、成長とも順調に推移し、養殖開始後102日には平均体長15.3cmまで成長。
・養殖サンプルに係る飲食店の評価：定番の天ぷらのほか、刺身、骨せんべい、から揚げ、肝の塩辛などで試食され、天然ものに比べ臭みがなく大変美味しい。話題性もあるので取り扱ってみたいとの声を多くいただいた。
・刺身として扱いやすい大きさは概ね体長13.5cm以上であることがわかった。
・課題：
中海ではマハゼ幼魚が少ない年があり、養殖種苗に用いるマハゼの多量採取が年によっては難しい。また、大衆魚のイメージがあり、今のところ高値での取引は難しく、さらなるコスト削減を行うとともに引き続き採算性について検討を行う必要がある。
（２）カタクチイワシの資源動態
○漁場
シラスとカエリ（大きさの違いによる銘柄名）で漁場が異なっており、成長に伴い生息場所が変化していると推察された。
○漁獲されたシラス漁の特徴
・5月下旬から7月上旬にかけて、すくい網で漁獲されたシラスの大きさは、体長30mm前後の個体が大半を占め、成長している様子が確認できなかった。
・漁期前半は水揚げ時に他のイワシ類の混獲も多く、シラスに混じりが多い状態で出荷すると大幅に価格が下がることがわかった。そのため、漁業者は他のシラスを手作業で分離し時間を要し時間を要している。しかし、これも完全ではないことから、当場ではカタクチイワシだけを分離して出荷できる方法を検討中。
○海水温の変動
７〜８月頃の水温変動の規模が昨年と比較して小さかった。
工程表との関連
関連する政策内容
中海(美保湾含む）における水産資源の回復・有効利用方法の研究
関連する政策目標
造成浅場内でのマハゼなどの水産資源のモニタリング調査及び美保湾のシラスの漁獲データ、漁場形成要因（水温等）、成長、価格などの基礎データの収集
財政課処理欄
要求額の財源内訳(単位：千円)
| 区分 |
事業費 |
財源内訳 |
| 国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
| 前年度予算 |
814 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
813 |
| 要求額 |
852 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
852 |
財政課使用欄(単位：千円)
| 区分 |
事業費 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
| 計上額 |
852 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
852 |
| 保留 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
| 別途 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |