1 概要
任命権者である教育委員会には、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン(H31.1月文科省策定)」に基づく「方針」の策定が求められ、学校における働き方改革に向けた動きが令和元年度に加速している。教員の多忙解消と負担軽減を行うことで教員の質の向上、教育活動の充実を図るため、県教育委員会、市町村教育委員会、各校種の代表者に外部有識者を加えた「学校業務カイゼン活動推進検討会」において対策の検討を進めた上で、「方針」に学校業務カイゼンプランを位置付け、下記のとおり取組を通じて学校業務カイゼン活動を一層推進する。
(学校業務カイゼン活動推進事業と学校現場における働き方改革推進事業の統合)
取組の柱 | 取組内容 |
意識改革 | ・管理職研修、市町村別研修、校種別研修(内容変更)
・時間外削減目標の設定、長時間勤務者への個別取組(継続実施)
・長期休業中の対外業務停止日(学校閉庁日)の設定(継続実施) |
業務削減 | ・業務改善モデル校による取組推進(継続実施)
・取組事例、業務カイゼンモデルの県内展開(継続実施)
・時間外電話対応の削減(留守電等運用)(新規)
・教員が行ってきた業務の事務職員を含む学校全体での分担見直し(拡充) |
システム活用 | ・学校業務支援システムの活用(継続実施)
※市町村立学校の学校業務支援システム支援事業 |
部活動 | ・部活動方針等遵守による部活動休養日、活動時間遵守の徹底(継続実施)
|
外部人材の活用 | ・教員業務アシスタントの拡充配置(拡充)
・部活動指導員の配置(拡充・体育保健課で予算要求)
・学校運営協議会制度を活用した地域人材の積極的活用(拡充・高等学校課) |
その他 | ・定数配置の改善による小中学校における業務可能時間の創出 |
2 事業内容
| 細事業名 | 要求内容 | 要求額 | 前年度6月補正後
予算額 | 前年度との変更点 |
1 | カイゼン検討会の開催 | 外部有識者からもアドバイス等を受けながら、市町村教育委員会、学校関係者及び県教育委員会が一体となった検討会を設置し、学校業務カイゼン活動の推進を図るもの。 | 277 | 277 | |
2 | 研修の実施(市町村別・校種別・管理職) | 市町村別で実施する研修に講師を派遣する。
また、管理職対象セミナーや校種別の研修会を実施する。 | 1,895 | 1,475 | 研修内容・回数の変更 |
3 | 教員業務アシスタントの配置 | 教員の事務的業務をサポートする会計年度職員を市町村立学校、県立学校に配置する。 | 別途要求54,245 | 17,169 | 配置人員の増 |
(1)意識改革
○研修の実施
・各市町村への外部講師派遣(基礎的研修)
R2からは希望する各市町村で原則1回実施、その後の市町村内での研修内容の展開につなげる。
(R1:教員業務アシスタント配置校で学校ごとの研修実施)
・校種別研修(課題別研修)
各校種別で原則1回ずつ実施、課題やカイゼン手法を共有し、外部講師からの助言等も得てカイゼン活動を進める。(R2新規)
・管理職対象研修(トップセミナー)
管理職への意識啓発、カイゼン手法、国の動向等の講習
○カイゼン活動計画、時間外業務時間削減目標の設定、長時間勤務者への個別対応(県立学校)
年次的に時間外業務時間の削減目標を定め、学校ごとにカイゼン活動についての計画を策定する。長時間勤務者については、原因を分析し解消に向けて対応する。
○対外業務停止日の設定(県立学校)
夏季等の長期休業期間に、行事・部活動を行わない日・外部との電話対応等を行わない日を設定し、教職員の休暇取得を促進する。
(2)業務削減
○各学校におけるカイゼン取組活動の実施
○優良事例の全県展開
市町村立学校・県立学校等の取組について、効果が高いものを事例集として配布・ホームページ等に掲載し、全県でのカイゼン活動を推進する。
○業務時間外における留守番電話の運用等
業務時間外に保護者等外部からの電話対応を行わない事とし、教職員の時間外業務時間の削減を促進する。
○教員が行ってきた業務の見直し
教員が行ってきた業務の見直しを進め、教員でなくてもできる業務については事務職員を含む学校全体で取り組む。
(3)システム活用
○全市町村立学校に導入している学校業務支援システムの運用
※H30から全市町村立学校で本格稼働
※市町村立学校の学校業務支援システム支援事業で運用経費予算要求
(4)部活動
○運動部活動の在り方に関する方針、文化部活動の在り方に関する方針に定められた部活動休養日、活動時間遵守の徹底
(5)外部人材の活用
○部活動指導員の配置(部活動指導員配置事業:体育保健課)
部活動指導を単独で行える部活動指導員を配置し、教職員の負担軽減と部活動の充実を図る。
県立学校45名(19名) 市町村立学校77名(70名)
○教員業務アシスタントの配置
教員の事務作業等をサポートする教員業務アシスタントを配置し、負担軽減を図るとともに、教員業務の見直しを行う。
県立学校7名(4名) 市町村立学校56名(19名) 障がい者雇用枠4名(0名)
○学校運営協議会制度を活用した地域人材の積極的活用
地域住民や保護者等が教育の当事者となることで、責任を持って積極的に教育に携わることができるようになるとともに、
学校と地域が役割分担することで教員の負担軽減を図る。
3 拡充内容
○教員業務アシスタント配置人数の拡大
R1年度:23名(市町村立学校19名、県立学校4名)
↓
R2年度:67名(市町村立学校56名、県立学校7名、障がい者雇用枠4名※)
国1/3補助 概算要求R1年度3,600名→R2年度5,400名
※年間1,200h(30h×40週)/一人として全校の19%程度配置として積算