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令和2年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:畜産業費 目:畜産試験場費
事業名:

鳥取和牛肉うまみ開発試験

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農林水産部 畜産試験場 育種改良研究室 

電話番号:0858-55-1362  E-mail:chikusanshiken@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
令和2年度当初予算額 14,081千円 8,657千円 25,526千円 1.1人 1.0人 0.0人
令和2年度当初予算要求額 15,836千円 11,445千円 27,281千円 1.1人 1.0人 0.0人
R1年度6月補正後予算額 9,369千円 8,732千円 18,101千円 1.1人 1.0人 0.0人

事業費

要求額:15,836千円  (前年度予算額 9,369千円)  財源:国庫 単県 受託収入 

一般事業査定:計上   計上額:14,081千円

事業内容

1 事業の目的・概要

全国の和牛肉との差別化を図るための新たな「新鳥取和牛」ブランドの創出や「新鳥取和牛」の育種・改良手法の開発を目的として、和牛肉のおいしさにかかる様々な「うまみ」を調査し、「うまみ」簡易測定機器を開発する。なお、本事業は「地方創生推進交付金充当事業」を活用する。

2 主な事業内容

(単位:千円)
細事業名
内容
要求額
前年度
6月補正後
予算額
前年度からの変更点
革新的技術開発・緊急展開事業(先導プロジュクト)牛肉の優れた食味成分(香気和成分や呈味成分)を高度な分析機器を使用して網羅的に分析し、新たな牛肉評価指標を作成する。さらに、これら食味成分に関与するDNA情報を解析し、おいしい和牛肉を生産するための育種手法を開発する。
5,100
5,400
牛肉のうまみ備品要求事業鳥取和牛肉のオレイン酸測定に必要なガスクロマトグラフ、うまみ成分の測定に必要な液体クロマトグラフのワークステーション(専用パソコンとソフトウェア)の更新
6,894

(内訳)
ガスクロ:5,409
液クロ:1,485
老朽化に伴う緊急対応
合計
11,994
5,400

3.背景

(1)「鳥取県農業活力増進プラン」では「百合白清2」「白鵬85の3」などの高能力県有種雄牛を活かした「鳥取和牛」のブランド化を推進することが求められており、高能力県有種雄牛に特有の「うまみ」を解明することが必要とされている。
    (2)一方では、霜降り能力の国内トップの「百合白清2」「白鵬85の3」が誕生した現在、今後は霜降りではなく、「うまみ」を持った種雄牛造成が求められている。オレイン酸については、既に遺伝的評価を行い、種雄牛造成に活用しているが、さらに、それ以外の「うまみ」の成分についても同様の取り組みを行えるような展開が必要とされている。
    (3)TPPが平成30年12月30日に発効され、海外産牛肉に課せられていた38.5%の関税は現在26.6%に引き下げられている。また最終的には9%になることが決定しており、安い海外産Wagyuが国内に輸入されることが懸念される。
    (4)こうした状況の中、他県あるいは海外産との差別化を図り、鳥取和牛を世界に打って出る産業にするには、「うまみ」の主要因となる成分を突き止め、瞬時に「うまみ」を数値化して全世界の消費者に説得力のある裏付けデータを提示し、鳥取和牛の良さをアピールしていくことが有効手段だと考えられる。平成30年よりグリコーゲン含量に関するゲノミック評価をスタートし、種雄牛造成に活用している。

4.期待される効果

鳥取和牛肉の特徴を活かしたうまみのある牛肉生産で鳥取和牛のブランド力が向上し、子牛や鳥取和牛肉の評価が上がると共に農家のみならず小売店や飲食店にまで経済効果が期待される。

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

<取り組み状況>
(1)和牛肉のうまみに関係する脂肪中の「オレイン酸」の鳥取和牛肉の現状を調査。
(2)オレイン酸の鳥取和牛新ブランド基準への導入の取り組み
(3)味覚センサーを活用し、赤身肉のうまみに関係するアミノ酸の特定

<成果>
(1)和牛肉の脂肪に含まれるオレイン酸は、性・と畜月齢・血統などにより影響を受けることが判明。血統的特徴の調査では、「気高」の血統を引き継ぐ鳥取系はオレイン酸割合も高くなることが判明。
(2)本事業での研究や食味試験等の結果を基に「オレイン酸55%かつ気高号の血縁を引き継ぐもの」を鳥取和牛新ブランド「鳥取和牛オレイン55」の基準とすることが決まった。また、ブランド認定機関に対し、オレイン酸測定をサポート。
(3)和牛肉のオレイン酸割合の遺伝的影響は高い(遺伝率0.78)ことから、計画交配や遺伝子解析などによる遺伝的な面からの改良が効果的と判明。本成果はJournal of Animal Science(2011年、89号)で論文発表。
(4)味覚センサーを活用し、赤身肉の「うまみ」に関係するアミノ酸として、グルタミン酸、セリン、アルギニンは好ましい関係、カルノシンは好ましくない関係があることが判明。本成果は日本畜産学会第117回大会で発表。
(5)和牛肉の食味評価と成分分析値との関係を調査し、うまみと関係ある成分を数種特定。本成果は日本畜産学会第121回大会で発表。
(6)和牛肉の食味評価に関わる水っぽさについて調査し、月齢及び季節と水っぽさとの関係を解明。本成果は日本畜産学会122回大会で発表。
(7)和牛肉のグリコーゲン含量について調査し、性別による違いや月齢による違いを解明。本成果は日本畜産学会124回大会で発表。

<改善点>
新ブランドの認定基準にオレイン酸が導入されたことから、鳥取和牛肉の脂肪の質の改良が期待される。今後は新たな「うまみ」に関する成分の調査、指標化に取り組む必要がある。

これまでの取組に対する評価

<評価>
和牛肉の脂肪に含まれるオレイン酸を指標化した「鳥取和牛オレイン55」の誕生に本事業での研究結果が活かされた。

<今後の取り組み>
味覚センサーを活用した試験結果をベースに、さらに赤身肉の「うまみ」成分を特定していく。アミノ酸に加え、香りや糖類の分析も進める予定。成分の特定後は、「鳥取和牛オレイン55」と同様に簡易評価法を検討し、他県を先行する鳥取和牛肉のブランド化及び改良につなげていく。

工程表との関連

関連する政策内容

鳥取和牛のブランド化と高付加価値化に向けた技術の開発

関連する政策目標

牛枝肉中の水分含量やグリコーゲン、香りなどを調査し、新たな牛肉の価値の創出につなげていく


財政課処理欄


 備品購入費を精査しました。

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 9,369 1,280 0 0 0 0 0 5,400 2,689
要求額 15,836 1,217 0 0 0 0 0 5,100 9,519

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 14,081 1,217 0 0 0 0 0 5,100 7,764
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0