事業名:
気候・風土に適応した砂丘ラッキョウ・ナガイモの安定生産技術の確立
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農林水産部 園芸試験場 砂丘地農業研究センター
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事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
会計年度任用職員 |
特別職非常勤職員 |
令和2年度当初予算額 |
5,507千円 |
26,758千円 |
40,350千円 |
3.4人 |
2.9人 |
0.0人 |
令和2年度当初予算要求額 |
5,507千円 |
34,843千円 |
40,350千円 |
3.4人 |
2.9人 |
0.0人 |
R1年度6月補正後予算額 |
5,507千円 |
26,989千円 |
32,496千円 |
3.4人 |
2.9人 |
0.0人 |
事業費
要求額:5,507千円 (前年度予算額 5,507千円) 財源:単県
一般事業査定:計上 計上額:5,507千円
事業内容
1 事業の目的・概要
本県東部地区、中部地区の砂丘畑の主要品目であるラッキョウ、ナガイモについて生産振興を図るための生産技術確立を行う。
(1)ラッキョウ
冬季および春先の天候不順による単位面積当たり収穫量の減少、人手不足による生産性の低下等により出荷量が減少傾向にあるため、安定生産、作業労力の分散、省力化、生産コスト低減技術の開発を行う。
(2)ナガイモ
集中豪雨、夏季の高温等の天候不順により、本県ナガイモの主力品種である「ねばりっ娘」は芋に障害が発生し品質の低下が問題になっているため、原因究明と対策技術開発を行う。あわせて、高齢化等による生産量減少対策として、省力化技術の導入を検討する。
2 主な事業内容
| 小課題 | 主な研究内容 |
ラッキョウ | 1.安定生産技術の確立
2.線虫・ウイルス病の防除技術の確立
3.有機・特別栽培技術の確立 | (1) 高収量を得られ、かつ省力な施肥法の開発。
(2)高収量を得られる種球育成技術の検討。
(3)早期出荷に向く系統の特性調査・選抜。
(1)線虫防除方法・効果の検討、ウイルス病耐病性系統選抜。
(1) 化学肥料・農薬施用を減らしても収量が得られる栽培法の検討。 |
ナガイモ | 1.「ねばりっ娘」専用栽培技術の確立
2.黒陥没症対策技術の確立
3.普通ナガイモの安定生産技術の確立 | (1)高収量・高品質となる施肥方法の検討。
(2)縦割れ症発生原因の究明。
(3)出荷後に発生する腐敗の原因究明。
(4)省力作業化を目的とした技術開発。
(1)発生原因の究明と低減技術確立。
(1)収量性が高くリング等の発生が少ない系統選抜。 |
ラッキョウ・ナガイモ共通 | 環境に配慮した施肥法の開発 | (1)硝酸態窒素の流亡のモニタリング。
(2)改良施肥法の窒素・リン酸溶脱量を慣行施肥法の場合と比較。 |
3 背景
(1)ラッキョウ
ア 鳥取県の栽培面積は184ha(H28)と日本一であるが、近年、漸減傾向にある。
イ 原油高等による原材料費の高騰、人手不足・高齢化により、一層の低コスト・省力化技術の開発が求められている。
ウ 近年、春先の天候不順によって出荷時期が遅くなる傾向があり、市場ニーズに合った出荷ができていない。そのため、従来より早く出荷が可能な早出し技術の開発が求められている。
エ 健康食品として認知度も高く、消費者、団体、加工、流通業者および生産者からより安心・安全な、有機・特別栽培への要望が高まっている。
(2)ナガイモ
ア ‘ねばりっ娘’は本県育成のオリジナル品種であり、本県以外での栽培はない。そのため、‘ねばりっ娘’の特性をいかした、栽培法の確立が急務である。また、近年問題になっている‘ねばりっ娘’特有の生理障害(縦割れ症)低減技術の確立が求められている。
イ 夏季の高温・ゲリラ豪雨等の気象変動等により‘ねばりっ娘’・普通ナガイモともに生産量低下の大きな原因となっている黒陥没症の原因究明および対策法の確立が求められている。
(3)ラッキョウ・ナガイモ共通
ア 砂丘地で栽培しているラッキョウ、ナガイモは施肥量が多く、地下水への肥料成分の溶脱も多い。自然環境にやさしい農業が注目されている中、環境に配慮した施肥法の開発が求められている。
4 事業の効果
(1)ラッキョウ
・安定生産により市場への供給量も安定し、「信頼できる産地」としての評価が一層高まり、高単価での取引も期待でき、生産者の所得向上、産地としてブランド力強化につながる。
(2)ナガイモ
・各種障害による被害が少なくなり、「ねばりっ娘」・ナガイモともに品質の向上や生産量の増大により、所得向上が見込める。
(3)ラッキョウ・ナガイモ共通
・環境に配慮した施肥法の確立により、無駄な施肥を防ぎ生産コストを削減できる。また、消費者の食への安心・安全志向に合致した「選ばれる産地」になる。
5 令和2年度要求額内訳(単位:千円)
内訳 | 要求額 | |
現地試験栽培管理委託費
(債務負担行為…令和3年度分)
学会・検討会・研修会への出席旅費
使用料及び賃借料(各種作業機械レンタル料)
ラッキョウ・ナガイモ栽培用資材・分析用試薬等購入費 | 818
(127)
300
268
4,121 | |
合計 | 5,507 | |
6 前年度からの変更点
特になし
7 年度別試験内容と事業費(千円)
年度 | 事業費 | | 事業内容 | |
| | ラッキョウ | ナガイモ | 共通 |
H31 | 5,507 | 施肥・早出し系統・種球植付け時期の検討、線虫・ウイルス病調査 | 「ねばりっ娘」栽培法・普通ナガイモの安定生産技術の検討、黒陥没症原因究明 | 環境に配慮した施肥法の検討 |
R2 | 5,507 | 施肥・早出し系統・種球植付け時期の検討、線虫・ウイルス病調査 | 「ねばりっ娘」栽培法・普通ナガイモの安定生産技術の検討、黒陥没症原因究明 | 環境に配慮した施肥法の検討 |
R3 | 5,507 | 年内施肥法確立、早出し系統選抜、種球育成法検討、線虫防除体系検討、ウイルス感染被害の少ない系統選抜 | 「ねばりっ娘」栽培法・普通ナガイモの安定生産技術・黒陥没症低減技術の検討 | 環境に配慮した施肥法の検証 |
R4 | 5,507 | 施肥法や種球育成法等を組合せた技術検討、線虫防除体系検討、ウイルス感染被害の少ない系統選抜 | 「ねばりっ娘」栽培法・普通ナガイモの安定生産技術・黒陥没症低減技術の検討 | 環境に配慮した施肥法の検証 |
R5 | 5,507 | 安定生産技術、線虫・ウイルス病防除体系の確立 | 「ねばりっ娘」栽培法・普通ナガイモの安定生産技術・黒陥没症低減技術の確立 | 環境に配慮した施肥法の確立 |
合計 | 27,535 | | | |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<成果>
(1)ラッキョウ
・収量に影響する重点施肥時期(9・10月)を明らかにした。
・早期出荷に向く品種を5品種に3次選抜した。
・特別栽培での施肥体系を検討した結果、収量は慣行並みとなった。
(2)ナガイモ
・「ねばりっ娘」特有の縦割れ症の発生は増肥によって助長された。
・黒陥没症は芋の距離が短いと発生が増加する傾向が見られた。
・収量性が高く形状が比較的良好なナガイモ4系統を3次選抜した。
・出荷後腐敗症状の原因の多くは青かび病菌で、ナガイモに有傷接種した場合に腐敗した。
(3)ラッキョウ・ナガイモ共通
・ラッキョウの9・10月重点施肥の窒素溶脱量は慣行と比較して減少した。
・ナガイモでは生育後半施用した窒素が多く溶脱していた。
<改善点>
1)ラッキョウ
・肥効調節型肥料を用いた基肥一発施肥(追肥回数減)による省力栽培法を検討する。
・種球植付時期及び種球への春肥効果を検討する。
・化学肥料・化学農薬の施用を減らした特別栽培法を検討する。
(2)ナガイモ
・アク抜けが早まる施肥法を検討する。
・縦割れ症、黒陥没症の原因を他の側面から検討する。
・腐敗の洗浄方法、保管方法の違いによる影響を調査する。
・植物ホルモンを用いたムカゴ発生低減法、重機を用いた収穫法等、省力栽培技術の確立を行う。
(3)ラッキョウ・ナガイモ共通
・改良施肥法の窒素・リン酸溶脱量を慣行施肥法の場合と比較する。
これまでの取組に対する評価
平成30年度 外部評価委員会議(中間評価)の結果
評点 11.9 判定 ○
(評点9以上で試験実施)
評価委員の主な意見
・施肥量を更に検討して下さい。
・砂丘地域の窒素の挙動については、様々な面で多方面に大きな影響を与えるのでがんばって研究して下さい。
・「長いも」「らっきょう」ともに鳥取を代表する作物です。「食のみやこ鳥取」ブランドとして研究成果に期待します。
財政課処理欄
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
5,507 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5,507 |
要求額 |
5,507 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5,507 |
財政課使用欄(単位:千円)
区分 |
事業費 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
計上額 |
5,507 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5,507 |
保留 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
別途 |
0 |
0 |
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0 |
0 |
0 |
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