(1)「輝太郎」早期成園化・早期収量確保技術の確立
これまでに導入された苗樹の中には、初期生育が悪いものや、着果過多によるじゅせいの低下が見られる場合があり、早期に樹冠を拡大し収量を確保するため、植え付け方法や仕立て方、幼木の管理方法等を確立する必要がある。
(2)「輝太郎」生産安定(収量確保)対策の検討
肥沃地で樹勢が強い園などで、8月に後期生理落果が見られ収量が安定しない場合が見られる。また、生理落果を恐れるあまり着果量が多くなったり、幼木期に成らせすぎた場合などで樹勢が低下し、その後の収量が伸びない場合が見られる。このため、後期生理落果の実態を調査するとともに、落果軽減対策や施肥体系を検討し、生産の安定を図る必要がある。
(3)「輝太郎」果実品質の向上対策
「輝太郎」は9月下旬から10月中旬にかけて出荷されるが、10月中旬には全国的にカキの出荷量が増加し単価が下がる傾向が見られる。このため、有利販売が期待できる9月下旬から10月上旬の出荷率を高めることが強く求められている。また、高単価で販売される大玉で外観のよい果実を生産するための技術確立が求められている。
(4)既存品種の生産安定対策の検討
近年の気象条件の変化などに対応するため、カキ全体の施肥体系を見直し、品種に適した施肥方法の確立が必要である。また、「花御所柿」では、収量の安定化を図るため優良系統の選抜を求められている。