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令和2年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:林業費 目:林業試験場費
事業名:

木材の加工・利用に関する研究

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農林水産部 林業試験場 木材利用研究室 

電話番号:0858-85-6221  E-mail:ringyoshiken@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
令和2年度当初予算額 1,975千円 11,805千円 16,010千円 1.5人 0.8人 0.0人
令和2年度当初予算要求額 1,975千円 14,035千円 16,010千円 1.5人 0.8人 0.0人
R1年度6月補正後予算額 5,581千円 23,814千円 29,395千円 3.0人 2.6人 0.0人

事業費

要求額:1,975千円  (前年度予算額 5,581千円)  財源:単県 国1/2 

一般事業査定:計上   計上額:1,975千円

事業内容

1 事業の目的・概要

県内産木材の需要拡大、森林資源の循環利用に貢献するため、加工・利用技術の開発等、必要な試験研究を実施する。

    当該事業は地方創生推進交付金充当事業である。

2 主な事業内容

(単位:千円)
細事業名
内容
要求額
前年度6月補正後予算額
前年度からの変更点
【継続】とっとりの新しいCLTの製造・利用技術の確立
(H31〜33)
厚板を原材料としたCLTの製造技術を確立する。また、製品の構造性能を明らかにすることで建築での利用方法を提案する。
1,219
2,109
新たな試験の実施、試験方法の改良
【継続】防火・防炎性を付与したLVL内装材の開発
(H31〜33)
LVL内装材に適した防火・防炎性を付与するため、薬剤の種類・処理方法等を検討し、製造技術を確立する。
756
922
異なる薬剤処理方法による試験実施
【終了】スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発

(H29〜31)

当試験場が改良・開発した「応力波伝搬時間」の計測技術を応用した葉枯らし乾燥期間の調査及び簡易な計測手法の開発を行う。
533
【終了】住宅内装製品への県産広葉樹材の活用に関する研究
(H29〜31)
県内産広葉樹材を内装製品として活用するため、材質に応じた加工技術を改良・開発する。
657
【終了】保存処理CLTの製造技術の確立
(H29〜31)
腐朽やシロアリに対する抵抗力を高めたCLT(直交集成板)の薬剤処理技術を確立する。
1,360
合計
1,975
5,581

3 背景・前年度からの変更点

(1)【継続】とっとりの新しいCLTの製造・利用技術の確立
    【背景】

    ○CLT(直交集成板)は、建築物など様々な用途において活用が進みつつあり、国産材の需要拡大、地方創生の一つとして大きな期待が寄せられている。
    ○鳥取県では株式会社鳥取CLTが、厚さ36mm、幅1000mm、長さ2,000mmの鳥取県産スギCLTを製造しているが、市場からの多様なニーズに応えるため、厚さ90mm、幅1,250mm、長さ4,000mmの製品に対応する製造ラインを導入した。今後、本格稼働の予定である。
    ○鳥取県産CLT普及のため、新しい生産工程におけるJAS取得を技術支援すると共に、安定した品質の確保と生産性の向上、建築物等への利用技術の確立が必要である。

    【前年度からの変更点】

    ○せん断、断熱など、本年度とは異なる材料性能試験の実施
    ○本年度実施した試験の追試と試験方法の改良

    (2)【継続】防火・防炎性を付与したLVL内装材の開発
    【背景】
    ○公共建築物の木造化・木質化が進み、防火・防炎性能をもった木質材料へのニーズが高まってきている。
    ○防火・防炎処理をしていない木質材料は、内装制限により、病院や百貨店などの不特定多数の人が利用する施設では、一部分しか内装に使用することができないが、防火・防炎性を付与することで内装としての使用範囲を広げることができる。
    ○LVLは薄い単板から構成されている木質材料であり、単板自体への防火・防炎薬剤の注入は容易ではあるが、薬剤を注入するには特別な機械が必要なこと、薬剤が単板の接着力を低下させる恐れがあること、節は固く薬剤の注入性が悪い、などの問題がある。

    【前年度からの変更点】

    ○本年度とは異なる方法で薬剤を注入し、その不燃性能を明らかにする。



これまでの取組と成果

これまでの取組状況

(1)とっとりの新しいCLTの製造・利用技術の確立
@取り組み状況
・CLT用ラミナの生産に関する現地調査・聞き取りを行った。
・実大強度試験機によりCLTの金物接合性能を明らかにした。
・CLTが雨に濡れた場合の寸法や重量、含水率の変化を定期的に計測した。
A課題
歩留りを上げるために、企業が行っている現行の乾燥スケジュールの改良が必要。


(2)防火・防炎性を付与したLVL内装材の開発
@取り組み状況
・メーカーと共同で不燃薬剤で処理したLVL小試験体を作製した。
・試験体は燃焼試験機を用いて燃焼させ、不燃性能に関するデータを収集中。
A課題
・薬剤や処理条件設定に関する試行錯誤が必要。相当量の試験体の作製、燃焼試験を要する。

(3)スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発
・山林内で実際にスギ材を伐倒し、乾燥経過や材色変化を追跡調査しており、本年度中には葉枯らし技術に関するマニュアル化を行う予定である。

(4)住宅内装製品への県産広葉樹材の活用に関する研究
・コナラを中心とした製材について、住宅用製品に適した乾燥スケジュールを試験中。
A課題
・広葉樹の色や木目を生かした内装製品の試作に取り組む。

(5)保存処理CLTの製造技術の確立
・36mm厚さのCLTに防腐防蟻薬剤を、条件(時間・圧力)を変えて加圧注入処理し、注入量や染み込み深さを把握した。この結果をもとにCLTに適した注入量を設定し、実際の生産方法に準じて加圧注入処理を行った。今後、染み込み深さ、コスト検証等を行い、成果を取りまとめる。

これまでの取組に対する評価

(1)とっとりの新しいCLTの製造・利用技術の確立
CLTが雨に濡れた場合の寸法変化、重量変化についてデータは、共同研究を行っている企業からも、施工に役立つデータとの高い評価をいただいた。また本成果は、日本木材学会中国四国支部研究発表会で発表し、口頭部門の優秀発表賞を受賞し、外部からも高く評価された。


(2)防火・防炎性を付与したLVL内装材の開発
・試験計画の設定、試験の実施に関し、共同研究メーカーと協力しながら進められており、順調に試験が遂行できている。
また本成果は、日本木材学会中国四国支部研究発表会で発表し、ポスター部門の優秀発表賞を受賞し、外部からも高く評価された。

(3)スギ材の効率的な葉枯らし乾燥システムの開発
・行政機関や企業が行う現地研修会の場で情報提供を行い、葉枯らし乾燥技術の普及、啓発に役立てている。市場での試験販売では高値が付くなど、成果を上げつつある。

(4)住宅内装製品への県産広葉樹材の活用に関する研究
・紙の原料になるはずであった広葉樹材の高付加価値化の提案として、内装ドアを試作、西部総合事務所に設置した。1年経過しても寸法の狂いは認められておらず、広葉樹の多様な木目や色が好評であった。

(5)保存処理CLTの製造技術の確立
・保存処理による接着性能の低下は認めらず、当初期待していた通りの成果を得ることができている。
・カナダで開催された国際学会で成果を発表し、CLTの保存処理の必要性に対し、各国の関係者から賛同いただいた。

工程表との関連

関連する政策内容

安全かつ低コスト林業推進のための搬出・造林・保育・育苗技術、森林病虫害の被害防止技術、県産材の加工利用・用途拡大等に係る技術等に関わる研究開発、「県立21世紀の森」の管理運営など

関連する政策目標


財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 5,581 1,536 0 0 0 0 0 1,360 2,685
要求額 1,975 622 0 0 0 0 0 0 1,353

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 1,975 622 0 0 0 0 0 0 1,353
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0