これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1)コンパクトで低コストな脱臭装置の開発
組み合わせる簡易な脱臭方法として、水を循環利用する方法の検討を実施した。循環する水量の違いによるアンモニア除去能力について、試験を実施した。
(2)畜産排水の窒素低減処理技術の開発
合成ゼオライトの吸着特性を明らかにし、接触時間等の基礎的な検討を実施した。合成ゼオライト3種について養豚排水を用いて連続試験を実施した。
〈改善点〉
(1)コンパクトで低コストな脱臭装置の開発
水にアンモニアを吸着させる方法では限界があり、より効果が高い方法の検討が必要なため、クエン酸水を利用することで、能力向上と持続性について検討する。
循環水量が多量になるため、水量を減らすため、クエン酸水の利用、循環の方法について検討する。
(2)畜産排水の窒素低減処理技術の開発
ゼオライトの浸漬量を少なくすると窒素除去率が低下するため、ゼオライトの低コスト化のため、安価なゼオライト資材の調査や合成ゼオライトの再生方法を検討する。
浸漬後初期に有機物量及び浮遊物質量が増加するため、冬期間における有機物と窒素の同時除去のための指標として、最適なMLSSやBOD負荷量について調査する。
これまでの取組に対する評価
(1)コンパクトで低コストな脱臭装置の開発
ガラス発泡材脱臭装置に水を散水して循環させると、アンモニア除去率が向上し、循環水量が多いほど効果の持続期間を延長できた。クエン酸水を併用することにより、高いアンモニア除去効果を維持でき、特に0.5%クエン酸水のPH値とアンモニウムイオン濃度の蓄積量に高い正の相関(相関係数R=0.95)があることが分かった。このことにより、実際の維持管理時の循環水の交換時期の目安として、PH値が指標にできる可能性が示唆された。
(2)畜産排水の窒素低減処理技術の開発
合成ゼオライト4種の吸着特性を調査し、アンモニア吸着能力の高い3種について選定を行った。選定した合成ゼオライトを用いて低温環境下での養豚排水連続試験により合成ゼオライトを3%浸漬すると硝酸性窒素等濃度が平均72%低減し、低減効果は18日間持続することが判明した。