1 事業の目的・概要
県では、鳥取県有種雄牛の精液等を貴重な知的財産とし、その保護と活用による県内畜産業の発展のために「鳥取県産和牛の保護及び振興に関する条例」(案)の制定に向けて、9月議会に条例案の提案を行っている。
条例の制定にあたり、和牛振興計画を策定し、県産和牛の産業振興を図るとともに、条例の内容周知等を通じて県産和牛の遺伝資源保護の重要性や県産和牛のさらなるブランド化を通じた和牛振興への理解促進を図る。
2 主な事業内容
区分 | 事業内容 | 要求額(千円) |
和牛振興計画の策定 | ・和牛振興計画の策定に向け、生産者や関係団体で構成する検討委員会を設置。
検討委員会は上部組織+4委員会(生産、販売、改良、遺伝資源管理)を予定。 | 7,000 |
条例周知、鳥取県産和牛のブランド化促進に係る広報 等 | ・パンフレットおよびグッズ作成、新聞等への広告掲載(条例の周知、鳥取県産和牛のPR等)
・生産者および関係団体に対して、条例の内容を周知する説明会の開催
・特定種畜等県有種雄牛や鳥取和牛ブランドをPRするための取組や牛肉消費キャンペーンなどを実施。 |
合計 | 7,000 |
※特定種畜:県有種雄牛の中でも遺伝資源として特に重要な牛。「白鵬85の3」「元花江」など。
3 背景
(1)「鳥取県産和牛の保護及び振興に関する条例」制定に向けた動き
・ 鳥取県は、平成29年の第11回全国和牛能力共進会において県有種雄牛「白鵬85の3」が肉質日本一を獲得し、その子牛が高値で取引されるなど全国から注目される和牛の産地となった。
・ このため、県有種雄牛の遺伝資源の保護とその活用による鳥取県産和牛の振興に取り組むため、条例を制定することとした。
(2)県有種雄牛の遺伝資源を保護する体制の整備
・ 県有種雄牛の中でも特に優秀なものを「特定種畜」とし、精液を提供する時に県の所有権を留保するなど令和2年4月から不適切な県外流出を防止(保護)するため新たな契約での精液提供を開始している。
・ また、県では産肉能力などで優秀な遺伝的能力を持つ繁殖用雌牛および肥育用素牛を県内に保留するために導入支援などの施策を実施している。
(3)補正の必要性
・ 条例制定後は、全国初となる本条例を県内外の関係者に周知及びPRすると共に、条例の中で定めている「和牛振興計画」の作成に向けた準備を速やかに行う必要がある。