これまでの取組と成果
これまでの取組状況
資源回復技術開発試験
(1)経過観察調査:イワガキ礁の資源状況を把握する経過観察調査を行ったが、付着が悪い地区が確認されている。(幼生による影響の可能性、食害による減耗)
(2)食害対策手法の開発:一定の効果の得られる食害対策手法の開発を行った。より効果があり、海洋環境に負荷のない素材での開発を行う必要がある。
キジハタ栽培漁業実用化支援調査
(1)放流技術
・一部の地域について、早期放流(8月中旬)を行うことができた。その他の地区については、種苗生産がやや遅れたことに加え、台風による悪天候が続いたが、9月中に放流を実施できた。
・過去と別の場所に放流することで新たな放流場所の検討を行った。
・回収率の把握に繋げるため、新たな標識を試験的に用いた。
(2)回収率、費用対効果
・東部は酒津、西部は赤碕をモデルとして、低密度分散型放流が実施された平成23年放流 群の3〜5歳魚までの回収率を把握した。
※キジハタは放流後3年後から水揚げされる
これまでの取組に対する評価
資源回復技術開発試験
・イワガキの資源状況を把握するため、 続的なデータの集積が必要となる。
・食害対策手法の開発により、効率的な増殖手法の可能性が見られた。より効果の高めるため改良を行っていく必要がある。
キジハタ栽培漁業実用化支援調査
・早期放流(8月中旬)を行った地区について、放流後の追跡調査で種苗の生残を確認することができた。種苗の生残が確認できなかった地区については、今後も追跡調査を行う。
・早期放流をすすめるにあたり、季節別の餌料量を比較し、早期放流の有効性を検証する必要がある。
・新たな標識(背鰭を一部切除)を施した種苗について飼育実験を行い、標識の有効性を確認する必要がある。
・キジハタ種苗放流(栽培漁業)の自立化に向けて、回収率の向上のための放流技術の改良や放流効果(回収率、費用対効果)の把握が不可欠である。