本県の沿岸漁船に、水温・塩分測定装置(12台)、潮流データ転送装置(9台)を搭載し、漁業者による海洋観測を実施する。
漁業者が収集した海洋観測データと既存の潮流観測ブイのデータを分析機関(九州大学等)へ転送し、高精度化な海況予測情報を漁業者に提供する。
(期待される効果)
・漁業者への高精度・広範囲な海況の現状・予測情報の提供が可能となる。
・海況予測情報活用による無駄な出漁の削減、漁場探索労力の低減による操業の効率化及び燃油コストの削減が期待できる。
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 財源 |
1 | 潮流データの高精度化 | 潮流を観測する機器が既に設置されている沿岸漁船の漁業者に協力を仰ぎ、観測データの分析機関(九州大学)にデータを転送する機器を船に設置させてもらい、自動的にデータを収集して潮流情報の海況予報高精度化を図る。
(測定機器購入・設置費)
111.1千円×9台=1,000千円 | 1,000 | 国10/10 |
2 | 水温・塩分データの高精度化 | 水温・塩分の測定・データ転送機器を漁業者に貸し出して水深別の測定を依頼し、水温・塩分情報の海況予報高精度化を図る。
(測定機器購入費)
550千円×12台=6,600千円
(観測依頼料)
6千円/月×12か月×12隻=864千円 | 7,464 | 国10/10 |
3 | 標準事務費 | | 1,936 | 国10/10 |
合計 | 10,400 | |
・既存の潮流観測ブイによるリアルタイム潮流情報は、漁業者が出漁を判断するための必須情報となっているが、水深別の水温・塩分に関する情報も漁場探索に有効なことから、水温・塩分を踏まえた海況予測への期待の声が多い。
・漁業者から、近年、県沿岸の海洋環境の変化や、経験と勘を元にした漁場選択が通用しない場合の増加といった意見が出ている。
・沿岸海域は変動が激しく、海況は時空間的に大きく変化するため、現状の設備では予測が困難である。
・既存の潮流観測ブイによる潮流情報に、漁業者に情報収集していただく水温、塩分情報を加えることで高精度な海況予測情報が可能。これによって漁業者の漁場選択精度は向上し、無駄な操業・経費・労務時間の削減につながる。