1 事業の目的・概要
昨年度、韓国・中国で猛威をふるい大きな被害をもたらしたASF(アフリカ豚熱)は、効果のある治療薬やワクチンが開発されないため一度侵入すると全国の養豚業に大きな被害をもたらす、今一番注意を要する海外悪性伝染病である。国内への侵入の脅威が一段と高まったため、本県のASF対策として、早急に野生動物のASF検査体制の確立及び養豚農家の衛生対策への支援を実施する。
2 事業内容
| 細事業名 | 内容 | 要求額
(千円) | 総事業費(千円) | 国庫補助金
(千円) | 補助率 | 事業実施主体 |
1 | ASF検査体制強化 | 野生いのししのCSF検査と交差汚染を防止するため、CSF・ASF検査施設を増築し、ASF検査に必要な機器を整備する。 | 20,639 | 20,639 | 7,422 | 県1/2 国1/2
事業費14,844千円
検査機器以外の備品
県10/10
事業費5,795千円 | 県 |
2 | 飼養衛生管理強化 | 養豚農家の飼養衛生管理向上のための動力噴霧器等購入経費に係る補助 | 11,000 | 16,500 | 8,250 | 国1/2
県1/6(上乗せ)
事業実施主体1/3 | 養豚生産者団体 |
3 | 事業に係る事務費 | 100 | 100 | 0 | 県10/10 | 養豚生産者協議会 |
| | 計 | 31,739 | 37,239 | 15,672 | | |
※国の補助金は令和元年度補正予算(令和2年度割当)消費・安全対策交付金を充当予定
3 補正理由
4月3日に家畜伝染病予防法の一部改正が公布され、ASFの国内侵入防止に係る体制が強化された。特に県は野生動物のASF感染の状況を常に監視し予防対策を図り、養豚農家は家畜の飼養衛生管理基準の遵守を徹底し、官民一体となりASF侵入防止を図る必要がある。平成30年9月に国内で26年ぶりの発生となったCSF(豚熱)は、国外由来のウイルス株である事が判明しており、飼養豚へのワクチン接種、野生いのししへの経口ワクチン散布による対策をとっても、8県58事例で拡大したことを考慮すると、ASF侵入の脅威は深刻で、改正後の家畜伝染病予防法に対応するために、早急の対応を講じる必要がある。
4 今後の予定
5月 事業実施主体打ち合わせ
国交付金割当内示
6月 養豚農家要望取りまとめ(再調査)
7月 CSF・ASF検査施設増築工事準備開始、年度内完成
8月 養豚農家の飼養衛生管理基準の強化
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○取組状況
・野生いのしし検査結果
H30年9月からR2年4月6日までのCSF-ELISA検査頭数182頭、死亡いのししPCR検査7頭、合計189頭すべて陰性を確認。AFS検査は実績なし。
・養豚農場における野生動物侵入防止柵設置
22農場中20農場設置済。1農場は工事中、1農場は廃業予定。
・養豚農場における野生動物侵入防止ネット設置
22農場中、3農場が未設置。(資金の都合つかず)
○改善点
・ASF検査件数の増加
・防鳥ネット設置を含む飼養衛生管理基準の遵守の徹底
これまでの取組に対する評価
県補助事業、国のALIC補助事業を実施するまでは、侵入防止柵既設は3農場にとどまっていた。野生いのししの侵入防止のため早急に設置をすすめ、年度内に2農場を除くすべての飼養農場で設置し、侵入防止策を講じた。また、防鳥ネットの設置などコスト、労力を要する対策にも取り組んだ。しかし、コストの面からも防鳥ネットの設置を全ての農場に実施することは困難であった。