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令和2年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:民生費 項:社会福祉費 目:社会福祉総務費
事業名:

鳥取県再犯防止推進事業

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福祉保健部 福祉保健課 地域福祉推進担当 

電話番号:0857-26-7158  E-mail:fukushihoken@pref.tottori.lg.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
R2年度当初予算要求額 24,751千円 3,935千円 28,686千円 0.5人 0.0人 0.0人
H31年度6月補正後予算額 28,945千円 3,969千円 32,914千円 0.5人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:24,751千円  (前年度予算額 28,945千円)  財源:国定額 

事業内容

1 事業の目的・概要

犯罪をした者等が、適切な福祉支援等を受けることにより、再び社会を構成する一員となるようにすることで、再び犯罪を行うことを防止し、県民が安全で安心して暮らせる地域づくりを行う。

2 主な事業内容

(単位:千円)
細事業名
内容
要求額
前年度6月補正後予算額
前年度からの
変更点
再犯防止推進事業(1)再犯防止推進会議の開催 

 開催回数:年2回程度
 構成者:保護観察所、検察庁、各矯正施設等国の関係      機関、更生保護等に取り組む民間団体等
 内容:相互の情報交換や課題の共有、再犯防止推進計     画の進捗管理等

(2)社会生活自立支援センターの運営
 事業委託先に相談支援員を配置(2名)し、個別支援検討チーム会議の開催、福祉サービスへのつなぎ、手続等の同行支援等を行う社会生活自立支援センターを運営する。

(3)再犯防止推進計画に関する取組<新規>
  ア 地域の受け皿拡大
    ・障がい者、高齢者事業所向け説明会の開催及び
     個別の事業所訪問
  イ 広報啓発
    ・一般県民を対象とした講演会、説明会の開催
    ・県政広報を活用した関係団体の情報発信
    ・学生ボランティアの活用について検討
  ウ 新たな視点からの支援対象者の課題分析
    ・国機関に在籍する心理学の専門家と教育機関・      市町村行政との連携を進める
   ※イ・ウについては標準事務費内で執行。

7,354

【内訳】
(1)253
(2)7,082
(3)19
  うち国庫4,400
  うち県費2,954
11,514
【内訳】
(1)250
(2)11,264
(3)0
 うち国庫7,700
 うち県費3,814
(3)のアについて、説明会講師への報償費及び旅費を新たに要求。
地域生活定着支援センター運営事業(1)地域生活定着支援センター運営事業

 刑務所を出所予定であるが帰住先がない障がい者又は高齢者であって、刑務所から依頼のあった者に対し、出所後円滑に福祉サービスへ繋げるための支援を行う地域生活定着支援センターを運営する。

17,397
うち国庫16,167
うち県費1,230
17,431
うち国庫16,167
うち県費1,264
合計
24,751
28,945
    ●前年度からの変更点
     前年度までは、社会生活自立支援センターと地域生活定着支援センターで異なる事業主体により運営されていたが、来年度より一般社団法人とっとり東部権利擁護支援センターが併せて運営する予定であり、業務の効率化が見込まれる。
     R2年度予算:24,751千円(▲4,149千円)

    ●鳥取県社会生活自立支援センターの概要

    名称
    鳥取県社会生活自立支援センター
    運営主体
    一般社団法人とっとり東部権利擁護支援センター(鳥取市西町1ー211−3)
    職員
    相談員2名
    対象者
    起訴猶予者、執行猶予者、罰金・科料を受けた者、非行少年(犯罪少年・触法少年・ぐ犯少年(家庭裁判所の審判において非行事実が認定された者))のうち、身寄りのない者、住居のない者、就労・就学先のない者等支援が必要な者。(=地域生活定着支援センターの対象外となる者)
    業務内容
    (1)対象者の福祉サービス等に係るニーズ確認 (2)更生計画の作成(3)受入先施設等のあっせん(4)福祉サービス等に係る申請支援等の実施(5)調整後の必要なフォローアップ(6)犯罪をした者や関係者からの相談支援 等

    ●鳥取県地域生活定着支援センターの概要
    名称
    鳥取県地域生活定着支援センター
    運営主体
    社会福祉法人鳥取県厚生事業団(鳥取市伏野2259番地43地域支援総合センター(しらはま交流センター)内)
    ⇒令和2年度から一般社団法人とっとり東部権利擁護支援センターへ委託予定。
    (社会生活自立支援センター)
    委託期間
    令和2年〜※単年契約予定
    職員
    相談員4名(常勤専従2名、常勤兼務2名)
    対象者
    障がいを有する、又は高齢(おおむね65歳以上)であり、出所後に適当な住居がなく、福祉的な支援を必要とすると刑務所が認めた出所予定者(出所後もフォローアップ支援)
    業務内容
    ○刑務所等出所前の支援
     (1)コーディネート業務(保護観察所の生活環境調整への協力)
     (2)刑務所等出所後の受入施設等の確保、刑務所出所後に直ちに福祉サービス等を利用できるようにするための体制整備(住民票取得、年金手続、手帳取得、福祉サービス申請…)
    ○刑務所等出所後の支援
     (1)フォーローアップ業務(斡旋した施設等へのアフターケア)
     (2)相談支援業務(刑務所等を出所した人への福祉的な助言等)
     (3)地域のネットワークの構築と連携推進(ケース会議、合同支援会議、連絡会議等の開催)
     (4)情報発信業務(地域住民等の理解が得られるよう普及啓発に努める(講演会等を開催))

3 背景

○平成28年12月に成立された、「再犯の防止等の推進に関する法律(以下、再犯防止法という。)」及び、同年12月に閣議決定された「再犯防止推進計画」に基づき、鳥取県では平成30年4月1日に「鳥取県再犯防止推進計画」を策定。30年度から、入り口支援を行う「鳥取県社会生活自立支援センター」の設置、鳥取県再犯防止推進会議の開催等の事業を実施しているところ。
○必要とする福祉の支援を受けられなかった、又は帰る先を確保できないまま矯正施設を退所する高齢者、障がい者が数多く存在している等の指摘を受けて、厚生労働省は平成21年度から「地域生活定着支援センター」を各都道府県に整備する事業に着手。鳥取県では平成22年7月に設置。平成23年度末に全都道府県に開設された。

4 鳥取県再犯防止推進計画に基づいた取組を展開

(1-1)再犯防止推進協議会の設置
 鳥取県再犯防止推進会議を開催(H30〜)。

(1-2)高齢者、障がい者以外の者においても地域生活への円滑な移行や、地域生活における相談などを支援する新たな機関の設置の検討
 鳥取県社会生活自立支援センターの設置(H30.6.1〜)
  ⇒起訴猶予者、執行猶予者である高齢者・障がい者等の直接の相談窓口を展開。(R1.9末現在:支援対象者30名)

(2)保証人がいない場合の賃貸住宅に係る債務保証制度の創設の検討
 家賃債務保証制度の創設(H30)※住まいまちづくり課所管。
  ⇒民間会社等の債務保証制度を利用できない者について、鳥取県社会福祉協議会が家賃等債務を保証。(R1.9末現在:10件)
    ※犯罪をした者の利用実績は、1件

(3-1)国の関係機関への健康・医療・福祉サービス等の支援制度や手続きの周知。
 「よりよい暮らしのために」の配布。(H31.3.15鳥取県再犯防止推進会議にて配布)

(3-2)薬物依存症の相談拠点・治癒拠点機関の検討
 薬物依存症の相談拠点・治癒拠点機関の設置(H30.4.1〜)※障がい福祉課所管。
  ⇒依存症の専門医がいる渡辺病院を拠点としている。

(4)少年院における療育支援が必要な者に対する県の関係機関による相談支援を実施
 未着手
  ⇒関連した取組として、鳥取少年鑑別所(鳥取法務少年支援センター)とBBS会が協力し、小中高生を対象とした学習支援を実施(全国初の取組)。
  ⇒鳥取少年鑑別所に同行し、東部県立高等学校(14校)及び岩美町、智頭町役場を訪問し利用を呼びかけ。(R1.6、9)
 
(5-1)民間団体のボランティア募集の呼びかけに対する協力
 鳥取環境大学の学園祭(環謝祭)において、BBS活動の広報活動や会員募集の協力を実施。(H30.10及びR1.10)

(5-2)シニアバンクの活用(受刑者に対する学習支援等)の検討
 鳥取刑務所で実施されている篤志面接委員によるクラブ活動(将棋)の講師の推薦について、鳥取県社会福祉協議会シニアバンクを活用し、刑務所を関係団体へ繋いだ。(R1.8)

(5-3)県政だより等による更生保護の啓発、とっとり人権情報誌ふらっとによる偏見解消のための啓発
 県政だより7月号に特集記事を掲載。(R1.7)

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

◆鳥取県再犯防止推進会議において、県の新規事業についての担当課から説明や民間団体から現在の活動状況・課題等について説明、情報交換を実施。鳥取県内における再犯防止に関する支援関係団体等のリストについて話し合いを行い、支援者リストを作成し、関係者へ配布を行った(支援者リストは、福祉保健課ホームページで公開)。
R元年10月の会議では、鳥取県再犯防止推進計画に対する取組の進捗状況について、確認し共有を行った。また、県の広報媒体による広報活動について、理解と協力の呼びかけを実施。

◆依頼先からの相談案件について、福祉サービスへのつなぎを実施。
(事例1)ホームレス状態だった対象者について、住居の確保を行い、地域生活が安定。また、金銭管理や身元引受人を成年後見制度に繋げたことで、万引きのリスクが低くなった事例有り(弁護士からの依頼)。成年後見人、ケアマネージャー、友人・知人、病院等の支援の輪ができ、社会生活自立支援センターも3ヶ月に1回、訪問又は電話連絡を行っている。
(事例2)知的障がい者の対象者について、支援が本格的に始まったところで、再犯を犯してしまった事例有り(弁護士からの依頼)。作業所に通い始めて2ヶ月で財布の置き引きを行う再犯。再犯の原因としては、支援者の輪が安定していなかったこと、対象者のIQが低いため、支援者のアドバイスが理解できにくかったこと等。
⇒再犯を犯してしまった事例については、実刑は免れたため面談を継続している。。支援者と対象者で会議を行い、今後どのようなサービスを利用したいか話し合いを行っている。(対象者へは絵を使ってわかりやすく説明)

◆障がい福祉サービス事業所の受入の拡充のため、鳥取県の再犯防止に関する取組及び受入施設加算制度の説明会を開催。
⇒H30実績:東・中・西部の計29団体35人参加

◆更生保護、再犯防止の講座・研修会の開催を実施。一般県民を対象とした、地域生活定着支援センターの講演会、人権教育講座を開催。また、弁護士会、民生委員協議会等の関係機関を対象とした社会生活自立支援センターに関する勉強会、説明会を開催。

これまでの取組に対する評価

(1)〜(3)事業
◆平成30年6月から入口支援を行う「社会生活自立支援センター」を設置し、これまで支援の対象とならなかった起訴猶予者、執行猶予者、罰金・科料を受けた者、非行少年等へも支援の幅を広げた。
◆鳥取県再犯防止推進会の実施により、国、県、関係民間団体によるネットワークの形成が図れた。
◆1機関のみで支援を行うことで、課題が解決していると判断したり、支援者が過度な負担感を抱える、個人情報の観点から必要な情報が支援者に伝達されないといったことがないように、各関係先へ再犯の実態や支援機関である自立支援センターの役割の周知広報を徹底していく必要がある。
◆入口支援における対象者の属性等の情報提供が少ないために、支援の計画が立てにくく、円滑に対応できていない状況があるため、引き続き国へ協力依頼を行う必要がある。

(4)事業
◆対象者への面接、アセスメントに沿って、福祉サービス利用、経済的基盤を整えるための年金受給、生活保護等受給手続き、居住先の確保などの調整を図った。




要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 28,945 23,867 0 0 0 0 0 0 5,078
要求額 24,751 20,567 0 0 0 0 0 0 4,184