1 事業の目的・概要
● 平成26年6月の建設業法等の担い手三法の改正により、担い手の育成・確保は、建設業者・建設業団体・公共工事受注者の責務として法律に明記され、平成27年度から県で複数の補助メニューを整備する等、この建設業者等の担い手の育成・確保の取組を支援している(建設産業担い手育成支援事業)。
● 建設技能労働者の就労環境の改善に向けて、県設計額と下請契約額の比較分析調査を実施。この結果をもとに、元請業者と下請業者に立ち入り、建設技能労働者の賃金水準を確認し、その水準確保に向けて必要な助言、指導を行う(技能労働者の就労環境改善事業)。
2 主な事業内容
1 建設産業担い手育成支援事業
(1) 県直営事業
◆ 「建設産業における女性活躍推進シンポジウム(仮称)」の開催(新規)
キックオフイベント「女性活躍推進セミナー」(R1.8)を踏まえ、さらに幅広く関係者が参集し、誰もが働きやすい建設産業を実現するための考え方等、引き続き情報共有を図り、その具体的方策を意見交換するシンポジウム等を実施する。
【シンポジウムの概要(想定)】
〇 時期 R1.8月〜9月
〇 会場 倉吉未来中心・セミナールーム等
〇 内容 建設産業における女性活躍の好事例、先進事例等のパネルディスカッション、ワークショップ 等
※ 女性や若者の入職・定着に資する必要な環境づくりを進めるための方策等を、若者目線で検討するため、鳥取大学の学生が立ち上げた「NPOツナガルドボク中国」との連携した取組を検討。
【予算要求額】
354千円 〔パネラー謝金、旅費、会場使用料 等〕
(2) 補助(委託)事業
(単位:千円)
| 補助金(委託事業)名 | 補助対象事業
(委託内容) 等 | 実施主体
(委託先) | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度6月補正後予算額
(決算額) | 前年度からの変更点 |
1 | ◆とっとり建設☆女星ネットワーク取組支援事業 | ネットワークが主体となって行う建設業における担い手確保・育成に係る取組を支援する。 | とっとり建設☆女星ネットワーク | 10/10(上限額:2,500千円) | 2,500 | ―
(―) | 新規 |
2 | ◆どぼくカフェ及び土木ツアー | 若者や女性等を幅広い層を対象に、カフェスペースで土木に関わる身近な話題を取り上げるほか、実際の土木施設に触れてもらう等、地域社会と土木のつながりを発見してもらう機会を提供する。 | 公益社団法人土木学会 | <委託> | 1,089 | 1,008
(786) | |
3 | ◆建設業の魅力発信事業費補助事業 | 建設産業の魅力発信、人材確保に寄与する取組を補助する。
・広告宣伝費、印刷製本費、委託費、使用料、謝金等 | 建設業関連団体 | 1/2(上限額:750千円) | 2,593 | 1,569
(2,313) | |
4 | ◆高校生のインターンシップ受入企業支援事業 | 土木系高校生の実習、体験学習や、学外実習の受入費用を補助する。 | 建設関係企業 | 9千円/日 | 1,179 | 1,161
(882) | |
5 | ◆建設労働者等スキルアップ事業 | 若手技術者等の資格取得を支援する。
(1)民間研修参加経費補助
・研修受講料
(2)研修参加者フォロー経費補助
・県の(1級、2級土木施工管理技士)資格取得対策研修受講者の業務をフォローする者の人件費 | 建設関係企業 | (1)30千円/名
(2)10千円×受講日数 | 2,000 | 1,200
(930) | |
− | 新規入職者トレーナー事業 | | | | | 988
(494) | 廃止 |
− | 建設業で働く女性の就労環境整備事業 | | | | | 225
(0) | 廃止 |
合計 | 9,361 | 6,151
(5,405) | |
2 技能労働者の就労環境改善事業
(1) 委託事業
| 委託事業名 | 補助対象事業
(委託内容) 等 | 実施主体
(委託先) | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度6月補正後予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | ◆技能労働者の賃金水準等詳細調査委託業務 | 県発注工事の下請として行った工事について、県設計金額と下請契約との比較を行い、下請代金、労務単価の水準等を確認する。 | 公益財団法人鳥取県建設技術センター | <委託> | 5,201 | 3,963
(4,155) | |
合計 | 5,201 | 3,963
(4,155) | |
(2) 県直営事業
上記委託事業で把握した情報をもとに、設計金額を下回る下請契約を締結している元請下請業者に立入調査を実施し、下請工事に従事する技能労働者の賃金水準を確認し、必要に応じて助言や指導を行う(調査数:年間25〜30件程度)。
3 背景
● 建設産業は、除雪及び災害対策など地域の安全・安心を支え、また、生活・産業を支えるための社会資本の整備や維持管理を担い、地域にとって欠くことのできない存在である。
● しかし、近年、建設業界は、公共事業の減少による厳しい経営環境にあり、技能労働者の賃金低下等による若者の土木離れや就業者の高齢化等、人材不足により、生活基盤を支えるべき業界が危機的な状況となっている。
● このため、建設産業の経営安定化対策として「公共事業予算の確保」、「入札制度の見直し」等に取り組むとともに、将来を見据えた持続可能な建設産業を目指した「女性技術者や若者等の育成・確保」と、「技能労働者の就労環境改善」も重要な課題として、県として業界の支援を行ってきている。
4 主な変更点
● 「女性活躍推進」に関連する取組は、業界への女性労働者の取込みにとどまらず、性別や年齢を超えた就労環境の改善、業界のイメージアップ等につながることも期待できる施策である。建設業に関わる女性のネットワーク組織の発足(H31.4)を受けて、新たに来年度予算として、当該団体への活動支援のほか、県としても積極的に啓発事業を直接実施する等、様々な形でこの浸透を図る。