これまでの取組と成果
これまでの取組状況
小・中学校では、スクールカウンセラーを中学校に配置し、校区の小・中学校での支援を行うとともに、生徒指導上の諸課題が心配される小学校に「学校生活適応支援員」を配置し、体制強化を図っている。また、重大な事故等で緊急支援が必要になったときに迅速に臨床心理士等を派遣できる体制を整備している。
一方で、不登校の出現率の増加が続いており、未然防止及び早期支援や組織的な対応の必要性から児童生徒の自己肯定感の育成や不登校傾向の児童生徒への組織的対応のシステムづくり、認知行動療法を基礎としたプログラムの実践を行っている。
平成30年7月に作成した「教育相談体制充実のための手引き」やこの手引きを補完するものとして平成31年3月に作成した「ケース会議マニュアル」の中で、支援を必要とする児童生徒を早期に発見し、組織的な支援を行うため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家や関係機関と連携した教育相談体制充実のためのポイントや課題を抱える児童生徒の要因や背景を見立てるポイント等を示し、各学校における教育相談体制のさらなる充実を進めている。
これまでの取組に対する評価
(1)学校生活適応支援員配置事業
・配置校の不登校児童数はH18〜H21は県全体に占める割合が20%を超えていたが、配置により徐々に減少傾向にあった。
・配置による効果は見られるが、県全体の不登校児童数が増加しており、課題を抱える学校の増加が懸念される。
(2)スクールカウンセラーの配置
・学校の教育支援体制に心理の専門家が加わることで、校内支援委員会やケース会議等で専門的な視点でのアドバイスを行い、児童生徒の効果的な支援につなげることができた。
・今後、長期休業中等にも支援できる体制づくりが必要であると考える。
(3)スクールカウンセラー研修充実事業
・毎年、事例検討や講義等を実施し、スクールカウンセラーの資質向上につながっている。
(4)臨床心理士等の緊急支援体制の構築
・児童生徒へ臨床心理士等が迅速に対応し、子どもが落ち着いて学校生活が送れるようになった。
(5)人間力・組織力による不登校改善事業
・モデル校において、スクールソーシャルワーカースーパーバイザーを活用したケース会議の研修を実施するなど、校内の教育相談体制の構築が進んだ。
・「学校における支援体制づくり」講演会での内容を校内研修等で伝達する学校も増え、教育相談体制の充実が図られている。
(6)安心・安全な学級づくりプロジェクト事業
・千葉大学子どものこころの発達教育研究センターが開発・検証している認知行動療法を基盤にして開発された「勇者の旅」プログラムの実施により、プログラムを実施した児童生徒の「不安」の尺度が低下したことがわかった。
・兵庫教育大学大学院が開発した「STARTプログラム」の実践により、児童が情動を抑制することを学び、日常的に実践することで、落ち着いた雰囲気で学習や学校生活全般を送っていることが報告されている。
(7)教育支援センターにおける支援体制の整備
・未実施