これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1)【新規】再造林の推進に向けたコンテナ苗の通年植栽試験
<事業目標>
通常と異なる植栽時期にコンテナ苗と裸苗を植栽し、苗木の活着や成長(樹高、直径)を調査し、本県の気象条件での植栽時期の限界を明らかにする。
(2)鳥取県でのカラマツの育苗・植栽技術の確立
<事業目標>
カラマツの育苗方法の改善と植栽適地を明らかにして、植栽直後の獣害対策を検証する。
<取り組み状況・改善点>
植栽後のシカ食害対策として、カラマツに忌避剤や食害防止クリップを施用し、防除効果を検証した。忌避剤の散布時期を従来の春・秋から春・夏(下刈り後)に変更した。
(3)【新規】山地災害リスクを考慮した適正な作業システムの選定技術の確立
<事業目標>
山地災害リスクを含む山の地形条件に応じた作業システムを適正に選択する手法と架線系を選択した場合の効率的な作業ポイントの設定手法について検討する。
(4)早生広葉樹等の育苗及び植栽技術に係る実証試験
<事業目標>
成長の早い早生樹を利用した短伐期林業の実現に係る育苗及び植栽技術を確立する。
<取り組み状況・改善点>
・センダンの育苗に必要な種子データ、発芽試験、施肥試験を行った。
・センダン及びコウヨウザン等を県内11カ所に植栽し、定期的に活着状況及び成長量調査を実施中である。
(5)【終了】夏季の下刈り作業における労働環境の改善
<事業目標>
下刈り作業において、給水方法とヘルメット内の環境条件を改善する。
<取り組み状況・改善点>
ヘルメットへ電動ファン付きのベンチレーション装置を追加した。
チューブによる給水可能なボトルを試作し改良を行った。
猛暑日の環境下において実証試験を行った。
(6)【終了】高齢広葉樹の萌芽更新技術の確立
<事業目標>
高齢広葉樹からの萌芽更新技術を開発する。
<取り組み状況・改善点>
高齢広葉樹からの萌芽更新では、萌芽しても生存率が低いとされている。県内で最も普通なコナラの高齢木について伐採後の萌芽状況とその後の推移を4年間調査した。
これまでの取組に対する評価
(2)鳥取県でのカラマツの育苗・植栽技術の確立
忌避剤は春・夏に散布するとシカ食害が軽減された。カラマツの成長速度に対して食害防止クリップの効果は発揮されないことがわかった。今後も林業事業体と連携しながら試験を進めていく。
(4)早生広葉樹等の育苗及び植栽技術に係る実証試験
・センダンの自生地分布が温度、積雪深と関係があることが分かり、
植栽適地の指標の一つになることが分かった。
・センダン、コウヨウザンの実用的な育苗方法(播種方法、施肥方法)、植栽試験の結果をまとめて、各種学会、研修会等で発表を行うなど、着実に基礎データの蓄積と成果の普及を行っている。
(5)【終了】夏季の下刈り作業における労働環境の改善
電動ファン付きのベンチレーション装置を追加することによりヘルメット内の温度は外気と同等となりファンが無い場合と比較して温度上昇を抑制できた。
チューブによる給水可能なボトルに水分を随時に作業を中断すること無く少量補給できることが可能となった。
(6)【終了】高齢広葉樹の萌芽更新技術の確立
高齢なコナラでも、適期に伐採を行うことで萌芽更新が可能なことが分かった。
地際からの萌芽枝が、萌芽後の生存率が高いことが分かった。