現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和3年度予算 の 農林水産部の「きぬむすめ」の安定・良食味米生産を目指した栽培管理技術の確立
令和3年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:農業試験場費
事業名:

「きぬむすめ」の安定・良食味米生産を目指した栽培管理技術の確立

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農林水産部 農業試験場 環境研究室 

電話番号:0857-53-0721  E-mail:nogyoshiken@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
令和3年度当初予算額 1,417千円 10,019千円 11,436千円 0.8人 1.3人 0.0人
令和3年度当初予算要求額 1,536千円 10,019千円 11,555千円 0.8人 1.3人 0.0人
R2年度当初予算額 0千円 0千円 0千円 0.0人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:1,536千円  (前年度予算額 0千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:1,417千円

事業内容

1 事業の目的・概要

鳥取県の主食用米の一翼を担う「きぬむすめ」の強力なブランド確立に向け、気候変動に対応し、安定した収量・食味を確保する栽培技術を確立する

2 主な事業内容

1 異常気象に対応した食味の高位安定技術の開発

    (1)安定した「特Aランク」取得に繋がる気象・食味条件の解析と対応技術の確立

    ・気象(出穂後気温・日射量)と食味関連項目(アミロース・千粒重)の関連の解析

    ・食味の高位安定に繋がる栽培技術の検討

    (2)気象データを利用した被覆肥料の溶出シミュレーションによる効率的な追肥技術の確立

    ・気温を用いた地温推定法の検討

    ・推定地温を用いた被覆肥料窒素の溶出シミュレーションの検討

    ・被覆肥料窒素の溶出シミュレーションを活用した追肥技術の検討

    2 イネごま葉枯病を抑制する肥培管理技術の開発

    (1)適正な資材投入によるイネごま葉枯病の抑制と適正な生育および食味の確保

    ・マンガン成分による生育量改善が食味に与える効果の確認および栽培技術への応用

    ・根圏環境の改善による生育量増加に適合した窒素施肥法の検討

    (2)土壌改良材と基肥が同時に施用できるオーダーメイド肥料の検討

3 背景

〇「きぬむすめ」は、穀物検定協会による食味最高評価「特A」を取得した県内唯一の品種である。平成25年以降、「特A」を5回取得したが、平成29年と令和元年に取得を逃した。県内実需者からは、「特A取得は販売促進に繋がる。安定した特A取得をお願いしたい」との声が聞かれる。
〇近年、平坦地において高温等の異常気象要因の影響と思われる生育・食味の不安定化が問題となっている。県内に広く普及している被覆肥料体系は地温の影響を受けやすく、肥料成分溶出が不安定となることから、食味低下の要因と考えられる。生産現場では、追肥の必要性を判断する技術確立について強い要望がある。

〇気象以外にも、平成28年以降、イネごま葉枯病の多発により、登熟不良がみられ、早急な対策の確立がJA、普及所等から要望されている。

〇本病の防除対策として、当場ではこれまで鉄資材の施用が発病抑制に有効であることを把握し、施用量基準を作成した。また、鉄資材よりマンガン資材が高い効果を有する知見を得ている。ただし、マンガン資材については効果の持続性、経済性等の検討を行う必要がある。

4 事業の効果

(1)良食味米となる気象条件の解析による食味高位安定化栽培技術の提案
(2)異常気象時における基肥一発施肥体系での追肥技術の提案

(3)イネごま葉枯病を抑制する適正な土壌改良技術の提案

以上の提案技術により安定した「特A」の取得に繋がり、実需者の鳥取県産米に対する評価が高まる。

5 事業期間および年次計画

大課題中課題小課題令和3年令和4年令和5年
1 異常気象に対応した食味の高位安定技術の開発(1)安定した「特Aランク」取得に繋がる気象・食味条件の解析と対応技術の確立1)気象(出穂後気温・日射量)と食味関連項目(アミロース・千粒重)の関係性の解析
2)食味の高位安定につながる栽培技術の検討
(2)気象データを利用した被覆肥料の溶出シミュレーションによる効率的な追肥技術の確立1)気温を用いた地温推定法の検討
2)推定地温を用いた被覆肥料窒素の溶出シミュレーションの検討
3)被覆肥料窒素の溶出シミュレーションを活用した追肥技術の検討
2 イネごま葉枯病を抑制する肥培管理技術の開発(1)適正な資材投入によるイネごま葉枯病の抑制と適正な生育および食味の確保1)マンガン成分による生育量改善が食味に与える効果の確認および栽培技術への応用
2)根圏環境の改善による生育量増加に適合した窒素施肥法の検討
(2)土壌改良材と基肥が同時に施用できるオーダーメイド肥料の検

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

令和2年度で終了する研究課題の中での取り組み
(1)取り組み内容
・「きぬむすめ」食味の高位平準化に向けた技術開発に取り組んだ。

・平成30年から令和2年まで、同一ほ場(農試場内ほ場および鳥取市青谷町ほ場)で、窒素施用量、施用時期の違いによる食味向上試験を実施し、良食味となるための出穂期葉色を把握でき、生産現場での追肥指導に活用できると思われた。

・平成30年度から令和2年度まで、同一ほ場(鳥取市2ほ場、岩美町1ほ場、三朝町1ほ場)で秋落ち田で効果がみられる鉄資材投入による水稲の根域調査及びイネごま葉枯病の発生程度調査を普及所と連携しながら実施した。鉄資材による根の活力増加により生育量が増加したため、施肥窒素量の低減が必要であることと、イネごま葉枯病の抑制効果を確認できた。

・令和元年度から令和2年度まで、新たに秋落ち田と関係性の強いマンガン成分について、三朝町3ほ場で、マンガン資材投入とイネごま葉枯病発生程度との関係性について普及所と連携し予備調査を行った。マンガン成分も同様に、イネごま葉枯病の抑制効果の可能性を把握できた。

これまでの取組に対する評価

令和2年度で終了する研究課題での取り組み評価及び残された課題
(1)取り組みに対する評価
・令和2年度までの研究課題では、一部地域を対象に「きぬむすめ」の低食味値の改善技術について研究を行い、良食味となる窒素施肥法について生産現場へ提供できた。

・イネごま葉枯病対策として、鉄資材による抑制効果を確認でき、生産現場での土壌改良材散布による土づくりの必要性を、普及所を含め再認識できた。

(2)残された課題
・近年、食味ランキングの「特A評価」を連続取得できなくなったが、要因として、近年の高温による不安定な気象による食味低下が考えられる。そのため、「安定した「特Aランク」取得に繋がる気象・食味条件の解析と対応技術の確立」が必要である。

・現場で広く普及している被覆肥料は温度によって肥料成分が溶け出す時期、量が変わるため、食味低下への影響が考えられる。異常気象年での、肥料溶出を推定した適正な追肥の判断方法の確立が必要となっている。

・県内ではイネごま葉枯病が拡大傾向にあるが、生産現場では土壌改良材の投入が消極的である。効率的な資材投入による土壌改善対策の検討が必要である。

工程表との関連

関連する政策内容

市場競争力を高める低コスト生産・経営管理技術の開発

関連する政策目標

「きぬむすめ」食味の高位平準化に向けた技術開発
 (1)低食味改善による良食味米の生産安定
   ・栽培法(穂肥窒素施用法、含鉄資材投入)による改善技術の確立
 (2)ごま葉枯病対策
   ・「きぬむすめ」の感受性調査


財政課処理欄


 備品購入費を精査しました。

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 0 0 0 0 0 0 0 0 0
要求額 1,536 0 0 0 0 0 0 0 1,536

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 1,417 0 0 0 0 0 0 0 1,417
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0