1 事業の目的・概要
・オオタカの営巣地を守るため、開発予定であった森林を県が取得した。(平成13年:面積104.5ha)
・当該森林をオオタカの営巣場所に適した環境整備(更新伐)と松くい虫による被害拡大を抑制するための伐倒駆除を実施する。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 赤松林の更新伐 | 間伐・搬出(A=1.7ha)、下刈(A=8.8ha) | 8,736 | 5,419 | 調査委託を計上 |
2 | 松くい虫被害木の駆除 | 枯れ松の伐倒駆除(A=104.5ha) | 6,691 | 4,787 | 調査委託を計上 |
合計 | 15,427 | 11,006 | |
※赤松林の更新伐について、伐採木は生産品として売却益収入が見込まれる。
・売却想定額3,136千円
3 背景
オオタカの保全を効果的に進めるため、期的にモニタリングを実施し樹林環境の整備の結果が森の生態系にどのように影響しているか調査検証を行っており、以下のような経緯を経て森林環境の整備を行っている。
〇第1回調査(平成15年度)
・餌取のための飛翔空間を確保するため、松の本数調整伐、松以外の雑木の除伐(平成18年〜22年)
〇第2回調査(平成23年度)
・営巣環境を継続的に維持するため、伐採(更新伐)を順次計画的に行い、天然更新を進める。(平成26年度〜)
・天然更新の幼樹の生育を阻害する雑草の刈払い(下刈)を実施。(平成28年度〜)
・近年、急増している松くい虫の被害を防止するため、保全松林の指定を行ない衛生伐(特別伐倒駆除)を実施。(平成28年度〜)
〇第3回調査(令和2年度)
・更新伐によるオオタカの営巣環境や隣接地に設置されたソーラーパネルの影響、樹種転換の可能性の検討を行った。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○これまでの取組状況・改善点
◇平成13年に県が土地を取得後、条例の制定、観察路等の整備を行い、平成18年度からは計画的にオオタカの営巣環境に適した森林整備を継続実施している。
◇平成23年度にモニタリング調査を実施。(更新伐の実施を検討)
◇年々松くい虫被害が増大、これまで林内で燻蒸処理されていたが、平成26年度から資源の有効利用を図るためチップ工場へ搬出し再利用を図った。また、平成28年度から交付金事業で実施できるように、平成27年度に保全区域の指定を行った。
◇平成26年度からオオタカが営巣可能な林分を長期間確保するため、老齢赤松林から強度間伐を実施し、天然更新により整備を実施。
◇天然更新を促すための下刈を平成28年度から実施。
◇定期的なモニタリングを実施し、今後の樹林環境整備の方針や計画策定へ反映させた。
これまでの取組に対する評価
○これまでの取組に対する評価
◇平成23年度のモニタリング調査においてオオタカの生息が確認され、これまでの営巣環境整備が評価された。
◇更新伐で伐採された良質材は木材市場で競り売りし、県の収益が見込めるようになった。(H26〜H30で18,094千円:手数料含む)
◇下刈の適切な実施によって、松の幼樹が順調に生育しており、連絡調整会から高い評価を受けている。