現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和3年度予算 の 農林水産部の未来を伐り開く皆伐再造林推進事業
令和3年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  政策戦略事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:林業費 目:造林費
事業名:

未来を伐り開く皆伐再造林推進事業

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農林水産部 森林づくり推進課 − 

電話番号:0857-26-7305  E-mail:moridukuri@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
令和3年度当初予算額 18,551千円 10,297千円 28,848千円 1.3人 0.0人 0.0人
令和3年度当初予算要求額 18,551千円 10,297千円 28,848千円 1.3人 0.0人 0.0人
R2年度当初予算額 19,963千円 7,870千円 27,833千円 1.0人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:18,551千円  (前年度予算額 19,963千円)  財源:国定額、基金(森林環境譲与税) 

政策戦略査定:計上   計上額:18,551千円

事業内容

1.事業の目的・概要

 県内人工林の約半数以上が植栽から50年以上経過し、「伐って、使って、植える」という資源を循環利用していく時代へ大きく転換し

    つつある中、県内の原木需要に応え、2050年温室効果ガス排出ゼロの実現に貢献するためには、間伐に加えて皆伐再造林を推進し、

    CO2をより多く吸収する若い森林を増やしていくことが必要である。

     このため、皆伐再造林については、再造林に係る森林所有者の負担軽減と、シカ被害対策に係るコストが大きな課題となっており、

    再造林の低コスト化(省力化・効率化)や、地域で取組むシカ対策のモデル的な取組に対し支援を行う。

2.主な事業内容

区      分
事    業    内    容
実施主体
予算要求額
前年度予算額
前年度からの変更点
皆伐再造林協議会〇皆伐再造林推進について、林業関係者や有識者等で構成

 する組織で検討する。

 (1)皆伐再造林適地の選定や低コスト化に向けた技術的指

    導・助言、効果検証、現地検討会の開催等

 (2)地形等のバリエーションに応じた収支モデルの構築

 (3)低コスト化の優良事例の情報発信、再造林に対する県

   民の理解を促進するシンポジウムの開催等

  4,200
3,300
シンポジウム開催経費の増
低コストモデル実践事業〇施業地の地形条件等から、タイプに応じた低コスト化に向け

 たモデル的な取組を支援する。

 (1)一般省力タイプ(単県、補助率2/3)

 (2)急傾斜地、奥山等対応タイプ(単県、補助率3/4)

 (3)早生樹活用タイプ(国定額+県嵩上げ、補助率9/10)

林業事業体
12,351
14,563
・地形条件等に応じ事業内容を区分。
・急傾斜地等に対応したメニューを拡充。
シカ被害対策モデル実践事業〇林業事業体によるシカ捕獲に向けた技術的指導、効果検

 証・分析、現地検討会の開催等。

〇地域の林業関係者連携によるシカ捕獲体制構築に向け

 たシカ捕獲実証。

1,500
新規
〇シカ防護柵の点検管理の省力化・効率化に係るモデル的な

 取組を支援。(単県、補助率:定額1,000円/100m)

林業事業体
500
新規
〇シカ防護柵の有効な維持管理手法に係る検討及び

 シカ生息状況・植生被害に係る調査・分析。

   県
2,100
廃止
合     計
18,551
19,963

3.事業の背景・必要性


(1)事業の必要性
 
 〇施行地に急傾斜地が多い事業体では、採算性の見極めに苦慮し、取組に対し消極的である。また、実績がある事業体でも、対応す
   る地形等のバリエーション(凹凸、谷、山腹等)も増え、採算性の見極めには、試行錯誤をしている状況。
 
 〇このため、国においても有効とされ、推奨されている低コスト技術を、地形等のバリエーションに応じて導入・検証を行い、収支モデ
   ルを構築し、県内事業体が共有することで、これまでの試行錯誤の段階から抜け出し、森林所有者に対する施業提案能力の向上
   や確実な施業コスト低減を図る必要がある。
   
 〇シカによる食害は、これらの低コストの取組を減殺してしまうため、施行地における林業サイドによる密度管理(捕獲)や、効果的・効
  率的な柵の維持管理手法の構築も併せて推進する必要がある。

(2)再造林低コスト化の現状・課題

 〇有識者等の意見をもとに適地を選択し、「伐採→地拵え→植栽→下刈」という再造林の一連作業について、ドローン等の最新の低コ
  スト技術を導入し、本県の実情に合った低コスト先進モデルを検証・構築する取組みを集中的に展開・支援する。
  
<低コスト化に向けた現状・課題>
適地選定等 ・急な地形が多い地域では、採算性の見極めが困難で、事業実施に消極的。

   ⇒有識者の意見も聞きながら、地形や路網等の条件から適地を見極め、適切な施業システムを選定する手法を検証

伐採・地拵え【一貫作業システム導入】

 ・伐採・搬出作業と造林(植林)作業との工程間の連携ができていない。(他地域と比較して本県の地拵えコストは高い)

   ⇒伐採・搬出に用いた機械で、造林(植林)を行う、一貫作業システムの導入

植栽【低密度植栽の導入】

 ・植栽密度が従来からの3,000本/haで、植栽、下刈の効率・コストが従来と変わっていない。

  ⇒低密度植栽(1,600本/ha)による苗木代、植栽労務費、下刈りの省力化

【早生樹の導入】

 ・周辺の植生状況や、樹種の特性・生産目標に関わらず植栽樹種が選定されている。(一律にスギ、クヌギ等)

  ⇒早生樹(コウヨウザン等)の導入による下刈の省力化・早期の収穫

【コンテナ苗の導入】

 ・裸苗による植栽で、季節的(春、秋)に労務が集中。熟練作業者の確保が必要。

  ⇒通年植栽が可能なコンテナ苗による労務の平準化、軽減(植栽が簡単で不慣れな人でも作業が可能)

急傾斜地等対応【ドローン等の活用】

 急傾斜地等では、造林機械でカバーできない範囲が広がり、地拵えや苗木運搬等の人力作業が増大、コストが増。

  ⇒ドローンを活用した苗木運搬等による労務の省力化

  ⇒多目的造林機械(伐根処理、残材集材、苗木運搬、下刈を1台でこなす)の活用

  ⇒奥山・山頂では、架線による全木集材、苗木運搬等

森林所有者等 ・皆伐再造林を着実に推進するためには、再造林に対する森林所有者の理解や県民意識の醸成が必要。

   ⇒Co2吸収源対策等の皆伐再造林の意義や、低コスト優良事例のPR


(3)シカ被害対策の現状・課題

  〇狩猟者の高齢化等により、捕獲圧にも限界があり、現状では増加を食い止めるまでには至っていない。
   ⇒シカの自然増加率は約2割(何もしなければ1年で1.2倍)増加を止めるためには、R3に10,000頭以上の捕獲が必要
    (R5に半減 させるには16〜20千頭の捕獲が必要) R1捕獲数:約9,100頭。

 〇防除対策は、現実的に防護柵以外の選択肢がなく、造林補助金による支援もあるが、設置延長が増えるに従い設置・管理に手間と
  コストも増加している。柵を設置しても、生息密度が高い県東部では、柵内に進入されるリスクは残る。
   ⇒設置延長約31倍、事業費で約48倍(いずれもH27→R1)

 〇県東部では、防護柵による対策と併せて捕獲により出現頻度を減らすことも対策として検討していく必要があるが、現状では、林業
   事業体の捕獲技術に係るノウハウが十分でなく効果が期待できない。
   ⇒鳥獣被害対策専門コンサルタント等のコーディネートのもとで行う、林業事業体による捕獲の実証的な取組が必要。

 〇林業事業体による捕獲体制が確立されるまでは、再造林に伴う防護柵の維持管理コストの増大が不可避であり、再造林意欲の減
  退が懸念される。。
   ⇒ドローン等を活用した柵点検管理に係る低コスト化(効率化・省力化)手法の構築に向けた支援が必要(東部)。

 〇生息密度の低い県西部でも、子連れのメスジカの群れが確認されるなど今後の増加が懸念されており、捕獲による個体数調整を見
  据えて、林業関係者による早期防除体制の構築が必要。
   日野地区では、今後の被害拡大に備えて、県・町、林業関係者、日野郡鳥獣対策協議会実施隊等で検討会を設置しており、早
     期防除体制の確立に向けて、各メンバーの役割分担や連携手法の検証のため、シカの試行的な捕獲が必要。


これまでの取組と成果

これまでの取組状況


〇R元年度、専門コンサルタントへの委託により、皆伐再造林施業地の
 作業工程の調査、低コスト化に向けた検証・分析を実施。
〇R2年度、皆伐再造林の作業コスト低減にモデル的に取組む事業体
 を支援するとともに、取組を円滑に進めるため有識者を交えた検討
 会を開催。
〇R2年度、シカ密度の高い県東部で、効率的な防護柵の管理と林業
 事業体による捕獲に向けた検討会を開催。日野地区では、今後の被
 害拡大に備え、林業事業体、県、町等で、早期被害防除体制の構築
 を図るための検討会を開催。

これまでの取組に対する評価


〇作業工程の調査や、有識者を交えた検討会等により、伐採作業と
 造林(植林)作業との工程間の連携が図れていないことや、地拵え
 コストが県外の施業地と比較して高いことなど、低コスト化に向けた
 課題は見えつつあるが、施行地の形態は一様ではなく、作業改善
 に向けた取組は試行錯誤の段階である。
〇シカ生息密度の高い県東部では、防護柵の設置や維持管理コス
 トが近年急激に増加しており、低コスト化への足かせとなっている。
〇皆伐再造林の推進には、森林所有者の負担軽減や作業労務の
 軽減、生産性の向上が不可欠であり、引き続き低コスト化(効率
 化・省力化)に向けた取組を進めていく必要がある。

工程表との関連

関連する政策内容

森林整備の推進

関連する政策目標

再造林面積:200ha/年


財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 19,963 7,865 0 0 0 0 0 7,539 4,559
要求額 18,551 6,552 0 0 0 0 0 6,810 5,189

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 18,551 6,552 0 0 0 0 0 6,810 5,189
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0