1 事業の目的・概要
水産基盤整備事業で設置したイワガキ増殖礁を継続的に利用し、イワガキ資源の増加と安定を図るため、県栽培漁業センターが開発した岩盤清掃機器及び食害対策器の実証調査を行う活動に対し支援を行う。
2 主な事業内容
事業内容 | 岩盤清掃機器及び食害対策器具を用いた実証試験に係る経費の支援 |
実施主体 | 漁業協同組合〔1〕潜水業者による作業(委託)、〔2〕漁業者グループによる作業 |
補助率 | 2/3(県:1/3,市町村:1/3) |
事業期間 | 各地区1回限り |
事業費 | 2,000千円/地区/年 |
経費内容 | 〔1〕潜水業者による作業費の支援(委託)(平成30年度〜)
・イワガキ増殖礁の清掃費
・食害対策器具の設置費(器具等の購入費を含む) |
〔2〕漁業者グループによる作業費の支援(令和3年度〜)
・潜水機材購入費
・潜水技術講習費
・潜水ボンベリース費
・岩盤清掃機器リース費
・食害対策器具等購入費
・用船料
※漁業者自ら作業することで経費の削減に繋がる(漁業者からの要望あり) |
※平成30年度に網代港地区と泊地区が事業実施。
※他の地区は稚貝の付着状況及び漁獲状況等をみながら開始時期を検討。
3 事業費
(単位:千円)
| 令和2年度当初予算 | 令和3年度要求額 |
イワガキ岩盤清掃実証事業 | 0 | 1,334 |
計 | 0 | 1,334 |
※令和3年度は長和瀬、御来屋の2地区で実施予定。
2,000千円(事業費)×1/3(補助率)=667千円/地区
667千円/地区×2地区=1,334千円
4 使用する機材等
| ○エアケレン等に使用する替え刃
従来のエアケレンは刃幅が6cm程度のものが最大であったが、は刃幅を24cm程度に拡大したものを開発、作業性が向上し、時間あたりの作業量が大幅に向上する。 |
| ○イワガキを食害する巻き貝の這い上がり防止器具
岩礁域に設置した魚礁の場合、イワガキ稚貝を食べるレイシガイの食害を受ける事例がある。レイシガイの這い上がりを防止する器具を据え付けることにより、稚貝の食害を防ぎ、生残率を高める。 |
5 イワガキ増殖礁の概要
水産基盤整備事業県内11地区に計2,520基を整備(平成24〜28年度)
- 継続的な利用によりイワガキ漁獲量が178t/年増加見込み
- 継続的な利用には岩盤清掃及び食害対策が必要不可欠
6 前年度までとの変更点
令和3年度より漁業者グループによる作業経費についても支援
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<<近場漁場資源増産促進事業>>
平成21年〜23年にかけて網代港地区と夏泊地区の岩盤清掃活動を支援。
<<水産基盤整備事業>>
平成24年から28年にかけて県内11地区に合計2520基のイワガキ増殖礁を設置。このことにより年間178tの資源が増産される予定だが、継続的な利用には岩盤清掃等の管理が必要。
<<事業目標>>
全11地区で実証試験を行い、イワガキ増殖礁での継続的な利用を目指す。
<<取組状況>>
平成30年度の網代地区、泊地区で実施された、イワガキの付着が確認されている。
<<改善点>>
清掃の効果(イワガキ稚貝の付着)が認められているが、継続利用に対しての管理体制の確立を検討する必要がある。
これまでの取組に対する評価
<<近場漁場資源増産促進事業>>
岩盤清掃の効果は認められたが、作業性や採算性については課題が残った。
<<水産基盤整備事業>>
増殖礁設置にあたり、漁業者等が魚礁管理については了解しているが、高齢化の問題等があり、実際の運用には岩盤清掃作業の効率化等や、清掃作業の委託費の軽減が必要。
<<評価>>
取り組みが実施された、網代地区、泊地区ではイワガキ稚貝の付着が確認された。