現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和3年度予算 の 水産振興局の内水面漁業研究事業
令和3年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:水産業費 目:栽培漁業センター費
事業名:

内水面漁業研究事業

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水産振興局 栽培漁業センター 増殖推進室 

電話番号:0858-34-3321  E-mail:saibaicenter@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
令和3年度当初予算額 6,772千円 31,577千円 38,349千円 3.2人 2.2人 0.0人
令和3年度当初予算要求額 7,891千円 31,577千円 39,468千円 3.2人 2.2人 0.0人
R2年度当初予算額 6,443千円 31,318千円 37,761千円 3.2人 2.2人 0.0人

事業費

要求額:7,891千円  (前年度予算額 6,443千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:6,772千円

事業内容

1 事業の目的・概要

内水面(湖沼・河川)における重要魚介種の資源回復、増殖を図る。

    (01)湖山池漁場環境回復試験
    ・塩分導入が池内の魚介類へ与える影響を把握するとともに、ヤマトシジミの資源管理手法を提示する。
    (02)東郷池ヤマトシジミ資源回復試験
    ・シジミ資源が減少したことから、シジミ資源回復策(池内の水質管理)を改良すとともに実践し、その効果を検証する。
    (03)アユ資源緊急回復試験
    近年、不漁が続くアユ漁について、復活させるための手法を明らかにし関係者へ提示する。

2 主な事業内容

(単位:千円)
細事業名
内容
要求額
前年度予算額
前年度からの変更点
湖山池漁場環境回復試験・塩分導入影響把握
・ヤマトシジミ増殖
・覆砂効果把握
3,890
2,832
・水質観測システムの整備
・水質計表示用PDAの整備
・顕微鏡用デジタルカメラシステムの更新
東郷池ヤマトシジミ資源回復試験・ヤマトシジミ再生産時の好適条件把握
・ヤマトシジミ増殖策の修正、効果検証
・ヤマトシジミの最適漁獲量の提示
1,484
1,557
なし
アユ資源緊急回復試験・重点課題の解決(海域におけるアユ資源減耗原因の解明、河川における放流手法の改善等)
・アユ不漁対策の効果検証(遡上量調査、産卵場環境調査、流下仔魚調査等)
2,517
2,054
・天神川アユ漁場環境保全対策に係る講演会及び現地研修会の実施
日野川アユ流下仔魚調査回数を増やす
合  計
7,891
6,443
【これまでの成果と今後の目標】
細事業名
調査期間
これまでの成果
今後の目標
湖山池漁場環境回復試験H19年〜・湖山池の塩分導入を評価するため、魚介類のデータを収集・とりまとめを行い、「湖山池環境モニタリング委員会」等へ報告した。
・ヤマトシジミ資源を新たに創出した。これにより、H26年から漁獲が開始され、1,000(H28)〜8,300万円(R1)の漁獲金額が上がっている。
・湖山池関係者による塩分導入の評価が終了するまでデータを収集する。
・ヤマトシジミの資源管理手法を提言し、漁獲量の高位安定化を図る。
東郷池ヤマトシジミ資源回復試験H26〜31年、
R2〜R6年(一部組替継続)
・ヤマトシジミ増殖策の見直しを行い、シジミ漁獲量が(H25)40トンから(H28)120トンへ回復した。
・H29年、30年とヤマトシジミの大量死が発生し、資源量が大きく減少したことから、ヤマトシジミ増殖策のさらなる改訂が必要。
・R1年に試行的にシジミ増殖を修正したところ、稚貝の発生量が増えた。
・ヤマトシジミ増殖策の改良により、資源の回復を図る。
アユ資源緊急回復試験H29〜31年、
R2〜R4年(一部組替継続)
 ○天然資源に関する調査
・天然アユの資源状況は未だに低水準であることがわかった。
・海域における競合生物調査において、現在のところカタクチイワシ等による食害は確認されていない。
 ○河川内における不漁対策
・H30年度のアユ種苗放流試験において、小型種苗放流の実施により解禁当初から比較的よく釣れる釣り場が形成できる可能性が示された。
・アユ漁場への黒テグス設置は、カワウ防除に有効であり、不漁対策として効果があることがわかった。
・上記を含む不漁対策案「アユ資源回復プラン」として関係者へ周知した。
 ○天然資源に関する調査
・海域におけるアユ資源の減耗原因は未だ不明。引き続き調査を行う。
 ○河川内における不漁対策
・河川における安定的な資源増殖と好漁場形成を目的とした、放流手法の改善に努める。
・これまでの調査でわかったアユ不漁対策(カワウ対策、産卵場造成等)について普及に努めるとともに、さらなる改善を行い、アユ資源の安定化や河川における安定的な好漁場形成を目指す。

3 背景

    1 湖山池漁場環境回復試験
    ・塩分が導入されるH24年以前は、湖山池はアオコや異臭の発生、漁獲量の減少など種々の問題が発生し、地位住民などから対策が求められていた。
    ・県は「水質浄化」と「豊かな生態系回復」を目的に、H17年11月からH23年度までを試験期間として、「塩分導入実証試験」を実施。
    ・県と鳥取市は「湖山池将来ビジョン」をH24年1月に作成し、湖山池の塩分濃度を東郷池並とすることが決定された。
    ・これに基づき、H24年3月から塩分導入を開始。
    ・湖山池関係者から塩分導入が湖内の生態系へ与える影響の把握が求められている。
    ・塩分導入とヤマトシジミ増殖策によりシジミ資源が創出され、H26年6月からシジミ漁が開始された。
    ・ヤマトシジミは漁獲量の変動が激しいことから、安定して漁獲できる資源管理の提示が求められている。
    ・ヤマトシジミの大量死が発生することから、その原因解明と対策が求められている。

    2 東郷池ヤマトシジミ資源回復試験
    ・東郷湖漁協では、「シジミ増殖策(水門操作マニュアル)(H16提示)」に基づく水門操作を続けてきたが、近年、高潮位による操作不能や夏期の貧酸素等の頻発によりシジミの大量斃死が頻発。再び不漁に陥った。
    ・東郷池のヤマトシジミ資源の回復と安定生産のため、近年の気候変動に応じた「シジミ増殖策」の見直し等を行ったところ(H26〜H28年度)、H28年度の漁獲量は120トンまで回復した。この結果を受け、H29年度に貧酸素対策を盛り込んだ「シジミ増殖策」改訂版を提示した。
    ・しかし、H29年、H30年と貧酸素以外と推察される原因でヤマトシジミ斃死し、資源量が大きく減少し、R1年から漁獲規制が強化された。
    ・このため、早急なヤマトシジミの資源回復と増殖策の改良が求められている。

    3 アユ資源緊急回復試験
    ・H26年を境に、県内3河川(日野川、天神川、千代川)におけるアユ遡上量が激減。以降、現在に至るまで遡上量は低く推移。そのため、河川漁協の経営が悪化している。
    ・遡上悪化は本県だけではなく、日本海西部沿岸県(山口県〜福井県)で広く発生しており、アユ仔稚魚の海域生活期における生残率の低下が影響しているものと考えられた。
    ・海域だけでなく、河川内でもアユの不漁原因(カワウ被害、生息環境の悪化、餌資源の減少、産卵場の環境悪化等)が多数存在している。
    ・河川内の不漁問題についてはR1年度に策定した「アユ不漁対策プラン」によって対策案を提示、漁協等が行うアユ不漁対策への指導、対策実施後の効果検証を行う。海域での減耗原因解明については国や関係者と連携を行う。

4 前年度からの変更点

  
項目名
変更内容
湖山池漁場環境回復試験・進度調整査定された「ヤマトシジミ親貝場(囲網)撤去」をR2年に備品費(「水質観測システム」、「水質計表示用PDA」)等を流用し実施したため、「水質観測システム」、「水質計表示用PDA」を継続して要求。
・Windows10に対応するため、実体顕微鏡用デジタルカメラシステムを更新。
東郷池ヤマトシジミ資源回復試験変更なし。
アユ資源緊急回復試験・アユ等魚類の生息に適した工事手法を県内に広めることを目的として、専門家による講演会や現地指導説明会を開催する。
・日野川ではアユの流下仔魚の出現時期が10月上旬から12月下旬までと判明したことから、アユ流下仔魚調査回数を10回から12回へ増やす。

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

<事業目標>
(1)湖山池漁場環境回復試験
事業目標:・湖山池におけるヤマトシジミ資源の増大 
       ・湖山池における漁場環境等の監視 8回

(2)東郷池ヤマトシジミ資源回復試験
事業目標:・東郷池におけるヤマトシジミ漁獲量の回復
       ・東郷池における漁場環境等の監視 8回 

(3)アユ資源緊急回復試験
事業目標:アユ不漁対策の実施と効果検証

<取組状況>
(1)湖山池漁場環境回復試験
・平成17年11月から実施されている塩分導入実証試験に対応して、湖山池に於いて、定置網等を用いて魚類相を把握。
・また、池内の塩分が高まったことからヤマトシジミ増殖試験を開始。

(2)東郷池ヤマトシジミ資源回復試験
・東郷池のヤマトシジミ資源が減少したことから、平成26年度から資源増殖のための調査を再開した。
・令和元年度から試行的に最大塩分濃度を6psuから7psuへ高めたシジミ増殖策を実施。

(3)アユ資源緊急回復試験
・平成27年度からアユ資源回復のための調査を開始。平成29年度からアユ不漁対策として河川内の調査にも着手した。

<現時点での達成度>
(1)湖山池漁場環境回復試験
・ヤマトシジミ漁獲量(H31実績104t、長期目標300t )
・漁場環境等の監視(H31実績8回、基準値8回)

(2)東郷池ヤマトシジミ資源回復試験
・ヤマトシジミ漁獲量(H31実績95t、長期目標300t )
・漁場環境等の監視(H31実績8回、基準値8回) 

(3)アユ資源緊急回復試験
・アユ漁対策として、早期小型種苗放流、カワウ防除のための黒テグス張りが効果あることが判明した。

これまでの取組に対する評価

<自己分析>総評
(1)湖山池漁場環境回復試験・本試験により、塩分導入が湖内の環境や魚介類へ与えた影響を把握することが可能となった。
・ヤマトシジミの増殖については、シジミ漁が開始されるなど成果があり、漁獲量も増加傾向にある。

(2)東郷池ヤマトシジミ資源回復試験
・「シジミ増殖策」を修正し、シジミ資源が回復したが、H30年には大きく減少し、不足箇所が明らかとなった。
・試行的に修正したシジミ増殖策を行ったところ、稚貝が増加した。今後、漁獲量は回復見込み。

(3)アユ資源緊急回復試験
・アユ不漁対策の一手法を明らかにすることができた。

<自己分析>各論
(1)湖山池漁場環境回復試験
・魚類相調査・・・湖内の魚類相の変化、重要資源の動向調査が明らかとなった。
・ヤマトシジミ増殖試験・・・シジミ資源は創出されたものの、漁獲量の変動が大きいことから、安定して漁業ができるシジミ増殖策を提示する必要がある。

(2)東郷池ヤマトシジミ資源回復試験
・「シジミ増殖策」について、シジミの餌となるプランクトンを増やす項目を入れることで効果が上がる可能性が示されたことから、今後はこれを検証する必要がある。

(3)アユ資源緊急回復試験
・天然アユ資減少要因については未解明であり、引き続き解明に向けた調査を行う。
・現行の不漁対策手法について実施後の検証を行い、改善策を示す必要がある。

工程表との関連

関連する政策内容

・漁業重要資源の増殖・管理技術の開発と普及
・漁場(沿岸・内水面)環境の監視と保全技術の開発・普及

関連する政策目標

・湖山池におけるヤマトシジミ資源の増大
・東郷池におけるヤマトシジミ漁獲量の回復
・アユ不漁に関する基礎データ収集
・湖山池における漁場環境等の監視
・東郷池における水質環境の把握


財政課処理欄


 顕微鏡用デジタルカメラシステムの更新は進度調整とします。その他備品購入費の金額を精査しました。

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 6,443 0 0 0 0 0 0 0 6,443
要求額 7,891 0 0 0 0 0 0 600 7,291

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 6,772 0 0 0 0 0 0 600 6,172
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0