1 事業の目的・概要
新生児の先天性代謝異常を早期発見して適切な治療を行うことで、その疾患から生じる重篤な症状や心身の発達障がいを予防するため、県が新生児に対する先天性代謝異常検査を行う。
また、医療を必要とする未熟児に対して市町村が行う未熟児養育医療に係る経費の一部を負担するとともに、妊娠高血圧症候群等にり患している妊産婦が必要な医療を受けるための経費の一部を支給する。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度6月補正後予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 先天性代謝異常等検査 | 各医療機関が保護者の同意を得た上で生後4〜7日の新生児の血液を採取し、委託検査機関において先天性代謝異常検査を行う。
・検査対象疾患:19疾患(クレチン症、甲状腺機能低下症等)
・検査委託料:16,686千円(県10/10)
・精度管理費:711千円(県10/10) | 17,397 | 17,067 | 検査件数(見込み)の増に伴うもの |
2 | 未熟児養育医療費 | 指定医療機関に入院した未熟児に対し、市町村が医療の給付を行うのに要した費用の1/4を県が負担する。(負担割合:国1/2、県1/4、市町村1/4)
また、未熟児養育医療に係る診療報酬審査支払手数料について、1/2を県が負担する。
(負担割合:県1/2、市町村1/2) | 5,810 | 5,246 | 医療費(見込み)の増に伴うもの |
3 | 妊娠高血圧症候群等療養援護費 | 妊娠高血圧症候群等にり患している妊産婦(が必要な医療を受けるために入院した場合、その療養に要する経費の一部を支給する。(県10/10) | 30 | 30 | なし |
合計 | 23,237 | 22,343 | |
3 目的・背景
(1)先天性代謝異常等検査
フェルニケトン尿症等の先天性代謝異常を早期発見し、早期に適切な治療を行うことで、その疾患から生じる重篤な症状や心身の発達障がいを予防し、乳幼児の健康の保持増進に寄与することを目的とする。
(2)未熟児養育医療費
未熟児は、疾病にもかかりやすく、その死亡率は極めて高率であるばかりでなく、心身の障がいを残すことも多いことから、生後速やかに適切な処置を講ずることが必要である。
このため、医療を必要とする未熟児に対しては養育に必要な医療の給付を行うとともに、市町村保健師により未熟児の保護者に対する訪問指導を行う。
母子保健法の改正により、平成25年から未熟児養育医療の実施主体が市町村へ移譲され、県は医療費の1/4を負担している。
(3)妊娠高血圧症候群等療養援護費
妊娠高血圧症候群は、周産期死亡の原因となるばかりでなく、未熟児や心身障がい児の要因ともなる。また、産婦に後遺症を残すことがあるため、早期に適切な医療を施すことが必要である。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1)先天性代謝異常等検査
県内で出生した新生児のうち、保護者が検査を希望したものに対して、先天性代謝異常等検査を実施した。
(公費負担額) (延べ件数)
H23実績 17,271千円 6,243件
H24実績 16,271千円 5,906件
H25実績 16,815千円 6,009件
H26実績 16,764千円 5,894件
H27実績 16,739千円 5,871件
H28実績 17,249千円 5,749件
H29実績 16,433千円 5,497件
H30実績 15,297千円 5,117件
R元実績 15,165千円 5,028件
(2)未熟児等養育医療費
【未熟児養育医療】
医療を必要とする未熟児に対して、養育に必要な医療の給付を行った。
(公費負担額) (給付実人員)
H23実績 23,844千円 95人
H24実績 21,564千円 92人
H25実績 5,485千円 98人
(11ヶ月分)
H26実績 5,577千円 112人
H27実績 7,068千円 101人
H28実績 5,016千円 90人
H29実績 6,899千円 92人
H30実績 6,193千円 102人
R元実績 4,535千円 81人
これまでの取組に対する評価
(1)先天性代謝異常等検査
先天性代謝異常を早期発見し、早期に適切な治療を行うことで、その疾患から生じる重篤な症状や心身の発達障がいの予防に一定の効果をあげてきた。
また、平成23年度から実施しているタンデムマス法による検査では、発見はまれだが予防的な治療を行うことで児童の突然死や重篤な障がいを防ぐことが可能な疾患を発見することができる。
(2)未熟児等養育医療費
【未熟児養育医療】
平成25年4月から実施主体が市町村へ移譲されたが、事務が滞りなく行われるよう、フォローアップを継続する