(1) 協力連携の取組の必要性
(ア)県立美術館の整備検討が進む中、県内の美術館、博物館等の機能連携や役割分担、県博等がその中核として機能することの重要性を再認識。
(イ)しかし、県内の美術館・博物館等の多くは他館との連携強化等に積極的に取り組める状況になく、県博もそのための取組を活発に展開しているとは言い難いのが実情。
(ウ)こうした状況を打開するためには、ネットワークを構成する各館が、利用者目線で協力連携の在り方を主体的に見直し、それを踏まえて効果的な協力連携の取組をできるところから速やかに実施していくことが必要。
(エ)その第1段階として、平成29年度に関係美術館が「美術館等連携計画検討委員会」を設置し、県内の美術館等における具体的な協力・連携の取組の計画を策定
(オ)平成30年度には、当該計画に掲げた方針を具現化していくための取組を始め、令和2年度から新たに共同企画展を開催するなど事業を拡張しており、引き続き支援を行う必要がある。
(2) 歴史民俗資料の保存活用機能向上の必要性
(ア)近年、地域や住民が大切に保管してきた貴重な古文書や民具等が、急速な過疎化、高齢化等により散逸・毀損しつつあるが、施設間の役割分担を考えた場合、その中には地元の歴史民俗資料館等で保存活用する方が適切なものが多い。
(イ)しかし当該各館には、館内資料さえ十分に保存活用されていない所もあり、基本機能の回復・強化が急務だが、人的・財政的に余裕がない、専門職員がいない等により十分な対応が行われない所も多く、歴史民俗資料の全県的な滅失が危ぶまれる状況。
(ウ)そうした事態を防止しつつ、各館の資料を県博でも展示したり、各館で巡回展示を行うこと等により、地域に眠る先人の貴重な遺産を県内外に広く紹介できるようにするため、平成29年度に専門的知識・経験のある者を希望する館に派遣する「博物館資料アドバイザー派遣事業」を開始。
(エ)保存・管理が不十分な資料を整理して活用できるようにするためには相当の労力と時間を要するため、令和3年度も継続して実施する必要がある。