1 事業の目的
平成30年12月に「気候変動適応法」が施行され、都道府県及び市町村は地域の気候変動影響・適応に係る情報の収集・整理・分析・提供等を行う拠点(「地域気候変動適応センター」)の体制確保が努力義務とされたことから、衛生環境研究所を同センターに位置づけ、水環境への影響に注目した調査等を行う。(国委託事業(国民参加による気候変動情報収集・分析地方公共団体委託事業)を活用。)
※地域気候変動適応センターの設置は令和2年度中の予定。
2 主な事業内容
〇気候変動影響に係る水環境調査
〇県民等との連携による気候変動影響に関する情報収集・整理分析
〇県民向けワークショップによる情報収集・情報発信
3 期待される効果
〇気候変動影響が整理された「見える化」による気候変動適応の促進
〇気候変動の地域の身近な環境への影響の把握・発信による関心の向上及び適応策の検討
〇沿岸の漁業資源のブランド化及び販売促進
〇気候変動による影響の評価を含めた水環境情報の取得及び保全への知見取得
4 調査に用いる装置(リース対応)
〇電気探査装置
物質の電気的性質を測定して、地盤の地質的な解釈を行う。
5 事業期間及び経費
○事業期間
令和3年4月〜令和4年3月(気候変動影響に係る調査は令和5年度まで継続)
○所要経費
(1)県民向け勉強会・ワークショップ等による情報収集(低炭素社会推進課と連携実施)(881千円)
・関心のある地域住民(農業・林業・水産業従事者、商工業者、一般県民)を対象に招へいし、勉強会を行ったうえで気候変動の現状や気候変動の影響によると思われる身近な現象について意見交換をして情報収集する。
・勉強会 481千円=@481千円(100人規模)×1回
(内訳:会場使用料50千円、招へい者旅費300千円、講師謝金(2名)36千円、講師旅費(2名)95千円)
・ワークショップ 400千円=@80千円(20人規模)×5回 (内訳:会場使用料100千円、招へい者旅費300千円)
・県民を対象とした温暖化の影響に関する電子アンケート
(2)気候変動影響に係る調査・整理・分析(5,758千円)
・分析委託料 330千円
・装置使用料 3,538千円
・研究打合せ及び学会参加等旅費 604千円
・調査・分析に要する医薬材料・消耗品費 1,286千円
(3)公表・普及啓発(2,600千円)
・啓発動画作成(@5分程度×複数(総論・農林水産業・自然生態系・自然災害・産業・熱中症))(委託) 1,800千円=@300千円×6本
・HP作成(委託) 300千円
・リーフレット作成(委託) 500千円(3万部)
6 背景
○気候変動の影響が世界の様々な地域・分野で顕在化する中、温室効果ガスの排出削減等により将来的な気候変動を抑制する「緩和策」に加え、現在発生している影響や被害の回避・軽減を図る「適応策」の重要性が増加している。
○平成30年12月には適応策の法的位置づけを明確化する「気候変動適応法」が施行され、地方自治体は、(1)地域気候変動適応計画の策定、(2)地域気候変動適応センター(地域の気候変動影響や適応に関する情報収集、整理、 分析、提供等を行う拠点)の確保等に努めることが規定された。
○(1)地域気候変動適応計画については「令和新時代とっとり環境イニシアティブプラン」をもって位置づけられたところであり、(2)地域気 候変動適応センターを衛生環境研究所に設置し、低炭素社会推進課等の関係課と連携しながら、地域の気候変動影響や適応に関する情報収集、整理、調査研究、分析、情報提供等に取り組んでいく。
※国は平成30年11月に気候変動適応計画を策定し、同年12月に国立環境研究所に気候変動適応センターを設置。
関連する政策
令和新時代とっとり環境イニシアティブプラン/生活環境の保全/水辺環境の「食」「遊」「学」を促進するワイズユースの拡大
工程表との関連
関連する政策内容
〇環境と調和した持続可能なライフスタイル・価値観の普及や環境教育の充実等による県民主体の環境活動の拡大
〇環境の保全・再生と活用に関する調査研究
関連する政策目標
○地域気候変動適応センターを設置し、適応策の効果的な推進に向けた関係部局の連携体制を構築すると共に、気候変動リスクや適応策の重要性等について県民への啓発を推進する
〇地球環境問題と地域環境への対応に資する研究の実施