現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和3年度予算 の 農林水産部の「輝太郎」を核としたカキの産地力強化に向けた栽培技術の確立
令和3年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

「輝太郎」を核としたカキの産地力強化に向けた栽培技術の確立

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農林水産部 園芸試験場 河原試験地 

電話番号:0858-85-0274  E-mail:engeishiken@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
令和3年度当初予算額 1,080千円 19,532千円 20,612千円 1.0人 4.1人 0.0人
令和3年度当初予算要求額 1,080千円 19,532千円 20,612千円 1.0人 4.1人 0.0人
R2年度当初予算額 1,161千円 19,301千円 20,462千円 1.0人 4.1人 0.0人

事業費

要求額:1,080千円  (前年度予算額 1,161千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:1,080千円

事業内容

1 事業の目的・概要

本県では、県東部地区を中心とした「西条柿」「花御所柿」や、西部地区を中心とした「富有柿」の栽培が行われてきた。平成22年に鳥取県で育成された「輝太郎」が品種登録され、早生の高品質品種として生産者への導入が進み、市場でも高単価で取引されている。

     しかし、「輝太郎」誕生から10年程度と栽培の歴史が浅く、技術的に不明な点も多く、導入した農家からも栽培技術の確立が求められている。輝太郎の植え付けから、収量の確保対策、果実品質の向上対策等について試験研究を進め、早急に技術確立を行い「輝太郎」の生産拡大を図る必要がある。

2 主な事業内容

(1)「輝太郎」早期成園化・早期収量確保技術の確立
  ・大苗活用による早期多収技術の開発

(2)「輝太郎」生産安定(収量確保)対策の検討

  ・後期生理落果の実態調査及び環状剥皮処理等落果軽減技術の確立

  ・樹勢の維持、着果管理法の確立

  ・「輝太郎」に適した施肥体系の検討

(3)「輝太郎」果実品質の向上対策

  ・出荷時期前進化、外観向上、大玉生産技術の確立

(4)既存品種の生産安定対策の検討

  ・品種に適した施肥体系の検討

3 背景

鳥取県のカキ栽培面積は約147ha(令和元年、JA全農とっとり取扱結果樹面積)で、県内の果樹ではナシに次ぐ栽培面積である。
園芸試験場で国との共同で育成した「輝太郎」が平成22年に品種登録され、平成21年から供給された苗樹はこれまでに28,300本、約47ha分相当が植栽されている。高単価で販売されていることなどから今後も導入が進み、本県の特産品となることが期待される
 また、今後県外での「輝太郎」の栽培・販売が行われる見込みで、早急に「輝太郎」の数量確保と高品質化を進め、鳥取県産「輝太郎」のブランドを確立し、鳥取県のカキ産地力を強化することが必要である
 平成30年度には、生産者、JA、県等で組織する「輝太郎」ブランド化プロジェクトで、カキ「輝太郎」振興プランを策定し、令和10年度に栽培面積を80haに倍増する計画を立て、県全体で「輝太郎」の生産振興を図っているところである。

4 事業の必要性

(1)「輝太郎」早期成園化・早期収量確保技術の確立
 これまでに導入された苗樹の中には、初期生育が悪いものや、着果過多による樹勢の低下が見られる場合があり、早期に樹冠を拡大し収量を確保するため、植え付け方法や仕立て方、幼木の管理方法等を確立する必要がある。
(2)「輝太郎」生産安定(収量確保)対策の検討
 肥沃地で樹勢が強い園などで、8月に後期生理落果が見られ収量が安定しない場合が見られる。また、生理落果を恐れるあまり着果量が多くなったり、幼木期に成らせすぎた場合などで樹勢が低下し、その後の収量が伸びない場合が見られる。このため、後期生理落果の実態を調査するとともに、落果軽減対策や施肥体系を検討し、生産の安定を図る必要がある。
(3)「輝太郎」果実品質の向上対策
 「輝太郎」は9月下旬から10月中旬にかけて出荷されるが、10月中旬には全国的にカキの出荷量が増加し単価が下がる傾向が見られる。このため、有利販売が期待できる9月下旬から10月上旬の出荷率を高めることが強く求められている。また、高単価で販売される大玉で外観のよい果実を生産するための技術確立が求められている。
(4)既存品種の生産安定対策の検討

 近年の気象条件の変化などに対応するため、カキ全体の施肥体系を見直し、品種に適した施肥方法の確立が必要である。また、「花御所柿」では、収量の安定化を図るため優良系統の選抜を求められている。

5 令和3年度要求額内訳(単位:千円)

    要求額
旅費
                  91
栽培資材・実験資材購入費等
                 968
通信運搬費
                      21
合計
                   1,080

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

○甘柿新品種「輝太郎」の果実特性、幼木の生育・収量性、後期生理落果や空洞果発生の状況について調査を行った。
・早期樹冠拡大には、従来使用している「禅寺丸」実生台木よりも「山柿」等の実生台木を使用するのが有効と考えられたが、樹勢が強くなりすぎると後期生理落果が増加する懸念ある。
・後期落果軽減対策として、環状剥皮処理が有効と明らかとなったが、果実品質面で課題が残った。
・熟期促進対策では、環状剥皮処理や植調剤の使用により、熟期が早まる可能性が確認されたが、外観低下等の課題が残っている。
・輝太郎は収穫前から収穫期にかけて、台風等による風スレ・大雨による汚損・裂皮が発生しやすいことが明らかとなり、その対策となる技術開発が急がれている。
・平成30年2月の「輝太郎」生産振興大会で、従来の「輝太郎」栽培マニュアルに新たな知見を追記し改訂し、配布した。
・各品種の施肥体系の再検討を行っている。

これまでの取組に対する評価

平成28年度 外部評価委員会議(中間評価)の結果
   評点 12.1  判定 ◎
 平成30年度外部評価委員会議(中間評価・組替継続)
   評点 12.8  判定 ◎
(評点9以上で試験実施)

評価委員の主な意見
平成28年度
・高品質、高価格を目指すことで生産者が安定します。栽培方法を含めたブランドの確立を望みます。
・果実の研究の難しさがよくわかりました。困難な課題ですが、鳥取の名産として農家の人が継続できるように、研究継続を願っています。
平成30年度
・今後、他県での栽培が可能となるが、それまでに鳥取発のブランド化が急務。
・鳥取県のブランド化として、研究成果を活かすため、全国への発信も工夫してほしい。
・ブランド化するのに有望な課題である。

財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 1,161 0 0 0 0 0 0 0 1,161
要求額 1,080 0 0 0 0 0 0 0 1,080

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 1,080 0 0 0 0 0 0 0 1,080
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0