事業名:
市場競争力のある鳥取オンリーワン園芸新品種の育成
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農林水産部 園芸試験場 花き研究室
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事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
会計年度任用職員 |
特別職非常勤職員 |
令和3年度当初予算額 |
8,204千円 |
52,407千円 |
60,611千円 |
4.9人 |
4.8人 |
0.0人 |
令和3年度当初予算要求額 |
8,204千円 |
52,407千円 |
60,611千円 |
4.9人 |
4.8人 |
0.0人 |
R2年度当初予算額 |
8,777千円 |
51,945千円 |
60,722千円 |
4.9人 |
4.8人 |
0.0人 |
事業費
要求額:8,204千円 (前年度予算額 8,777千円) 財源:単県、受託
一般事業査定:計上 計上額:8,204千円
事業内容
1 事業の目的・概要
(1) | 本県特産の園芸作物は産地間競争が激化するなか、独自品種による高品質・生産安定が急務となっている。そこで、独自の優良品種を育成し、生産者所得の向上と鳥取県園芸の発展に資する。 |
(2) | 事業の必要性は以下のとおり。 |
| | ・生産者は有利販売と生産性向上ために「鳥取の顔となる品種」、「どこにもない品種」、「作りやすく儲かる品種」を求めている。 |
| | ・産地間競争激化の中にあって、消費者、生産者の両方に応える独自の優良品種育成が急がれる。 |
| | ・これまでの育種資源を有効に活用し、早期に新品種を育成する必要がある。 |
(3) | 育種のさらなる効率化を図るため、R元年度より「砂丘地における特産野菜の新品種の育成」(3,041千円)を本課題(5,726千円)に加え、一体的に新品種育成に取り組むこととした。 |
2 主な事業内容
ナシ
事業の内容 | ・有望系統の特性調査 |
これまでの成果 | ・平成19年〜21年に「なつひめ」、「新甘泉」等7品種を品種登録した。令和元年末には新品種の植栽面積は209.8haとなっている。
・良食味である晩生系統の現地栽培試験を開始した。 |
R3年の試験 | ・引き続き、交配による系統育成と優良系統の特性調査を行い選抜を進める。 |
カキ
事業の内容 | ・有望系統の特性調査 |
これまでの成果 | ・平成22年3月に早生で大玉の完全甘カキ品種「輝太郎」が品種登録された。令和元年末までに「輝太郎」の苗木約28,000本が現場に植えられた。 |
R3年の試験 | ・引き続き、交配による系統育成と優良系統の特性調査を行い選抜を進める。 |
ブドウ
事業の内容 | ・種無し、高糖度、盆前出荷可能品種の育成 |
これまでの成果 | ・糖度18度以上、果粒重が10g以上の優良系統が4系統得られ、H25年に各系統を棚トンネルハウスの圃場に植え付けた。
・4系統を1系統に絞り、平成28年から無加温ハウスの台木(テレキ5BB)に緑枝接ぎし、樹冠拡大と生食用としての調査を進めたところ、果実糖度は20度と高かった。
・令和2年からは生食用と加工用の可能性を検討中。 |
R3年の試験 | ・継続して特性調査を行うとともに加工用としての可能性を検討する。 |
イチゴ
事業の内容 | ・冬季寡日照条件下で高糖度、早生多収品種の育成 |
これまでの成果 | ・食味が良く、冬季の収量が多い「とっておき」が平成30年10月に品種登録された。
・令和元年度は、本県の品種構成比で23%まで拡大した。 |
R3年の試験 | ・西日本の5県と国が共同で新品種候補系統を選抜した。品種出願用の特性調査および現地適応性について検討をする。 |
スイカ(台木)
事業の内容 | ・黒点根腐病および つる割耐病性台木育成
・育成系統の実用性検定 |
これまでの成果 | ・つる割れ耐病性選抜系統「どんなもん台」が品種登録され、県内スイカ産地に導入された。
・つる割病、黒点根腐病に耐性が認められる新品種候補系統を選抜した。 |
R3年の試験 | ・品種出願用の特性調査および現地適応性について検討をする。 |
シバ
事業の内容 | ・耐病性で生育が旺盛なコウライシバ品種の育成 |
これまでの成果 | ・ノシバ「グリーンバードJ」が品種登録され(平成25年2月)、現在25haで栽培されている。
・コウライシバは、生育が旺盛な5系統について現地特性を調査中。その中から、初冬でも葉色が濃い系統と、株張りが早い系統が有望と判断した。 |
R3年の試験 | 耐病性系統の評価と現地生育特性の年次調査を行う。 |
実付き枝物
事業の内容 | ・枝姿が優れ、実数が多く、本県で確立した樹形管理で多収となる品種の育成 |
これまでの成果 | ・ツルウメモドキ・・・病気に強く、実が大きく実数が多く、早熟な系統を有望と認め、品種登録に向けて準備中。
・サルトリイバラ・・・県内自生種の中から、棘が極めて少なく、実が大きく、実数が多い系統を選抜した。 |
R3年の試験 | ・ツルウメモドキ・・・品種登録に必要な経年特性を継続調査する。
・サルトリイバラ・・・生育特性を調査し、高接ぎなど圃場での増殖法を検討する。 |
リンドウ
事業の内容 | ・頂花の着色が良く、6月から盆前(8月上旬)に咲く新品種の育成
・ボリュームのある三倍体の育成 |
これまでの成果 | ・頂花の着色が良好で、6月下旬から7月上旬に開花する極早生系統を育成し、現地栽培試験を実施中。
・切り花が長く、ボリュームのある三倍体を作出し、挿し木による増殖試験を実施中。 |
R3年の試験 | ・極早生系統の現地特性検定と採種。
・極早生三倍体の生育特性調査と挿し木による増殖法の確立。 |
ユリ
事業の内容 | ・秋冬出荷作型に適した新品種の育成(シンテッポウユリ)
・球根養成期間の短い小球開花性新品種の育成(小球開花性ユリ) |
これまでの成果 | ・電照なしで年内出荷率が高い有望系統を選抜した(シンテッポウユリ)。
・球根養成期間が従来の1/3で開花する、小輪で黄花の‘鳥鱗1号’をH29に品種登録申請した。 |
R3年の試験 | ・有望系統の現地栽培試験に向けた種子増殖を行う(シンテッポウユリ)。
・‘鳥鱗1号’に次ぐ新たな花色系統の育成・選抜を行う(小球開花性ユリ)。 |
ラッキョウ
事業の内容 | ・乾腐病・灰色かび病等に強く、収量性が高く、早期に完熟する早生品種の育成 |
これまでの成果 | ・乾腐病に強く、食味の良好な新品種‘レジスタファイブ’を品種登録した(H30.8.15)。
・乾腐病耐病性系統を、T系統(北条向き)から2系統、IF系統(福部向き)から1系統選抜。
・灰色かび病耐病性系統を1系統選抜。 |
R3年の試験 | ・選抜した系統の特性調査を継続。 |
ナガイモ
事業の内容 | ・‘ねばりっ娘’と同様に強い粘りをもち、食味に優れ、種芋の育成が容易な品種の育成 |
これまでの成果 | ・‘ねばりっ娘’より食味が良く、種芋の育成が容易な‘1u61’を有望系統として選抜。
・有望系統‘1u61’について現地試験を開始した。 |
R3年の試験 | ・品種登録申請に向けた特性調査を行う。
・現地圃場での適応性検定を継続。 |
白ネギ
事業の内容 | ・5月の抽台発生時期に出荷が可能な品質の高い坊主不知を育成 |
これまでの成果 | ・在来の坊主不知系統の自殖6系統1、078個体、交雑4系統407個体を選抜した。 |
R3年の試験 | ・抽台性、分げつ性を調査しながら選抜を行い、評価を継続する。 |
注)樹冠 : 枝や葉の茂っている部分
(1) | 事業対象者 |
| 県内の園芸農家 |
| ナシ(722ha、県内全域)、カキ(147ha、県内全域)、ブドウ(69ha、県内全域) |
| イチゴ(7ha、湯梨浜町、倉吉市)、スイカ(265ha、北栄町、倉吉市他) |
| シバ(760ha、琴浦町、北栄町、大山町)、実つき枝物(30戸、10ha、鳥取市、智頭町、大山町)、ユリ(1.3ha、北栄町、鳥取市)、
リンドウ(0.2ha 智頭町、船岡町) |
| ラッキョウ(250戸、185ha、湯梨浜町、北栄町、鳥取市、米子市)、ナガイモ(150戸、51ha 北栄町)、白ネギ(390ha、県下全域) |
3.事業の効果
(1) | 良食味、新キャラクター→高単価、高付加価値化、ブランド化
目標糖度 ブドウ18度以上、イチゴ12度 |
(2) | 耐病性品種の育成:防除回数の削減→低コスト化(シバ;10a当たり55,000円減) |
(3) | 機能性の付加→新規需要開拓 |
(4) | 多収性→増収増益 (イチゴ、実つき枝物 50%増収) |
(5) | 高品質・多収性→周年出荷体系・ブランド力の強化 |
(6) | 球根養成期間の短縮→種苗費の低減(ユリ)→増収 |
(7) | 種苗の増殖性向上→早期普及(ナガイモ‘ねばりっ娘’より増殖が容易な新品種) |
(8) | 5月出荷の白ネギの品質向上→増収 |
4.R3年度要求額内訳
内訳 | 要求額(千円) |
委託料 | 306 |
栽培資材費、実験用器具・試薬 等 | 6,874 |
普通旅費 | 657 |
役務費 | 287 |
賃借料 | 80 |
合計 | 8,204 |
5.試験実施期間
事業実施期間:平成28年度〜令和3年度
年 | 試験内容 | 事業費(千円) |
ナシ | カキ | ブドウ | イチゴ | スイカ | シバ | 枝物 | リンドウ | シンテッポウユリ | 小球開花ユリ | ラッキョウ | ナガイモ | 白ネギ |
H30 | 選抜 | 特性調査 | 特性調査 | 選抜 | 耐病固定 | 選抜 | 選抜 | 特性調査 | 選抜 | 選抜 | 選抜 | 特性調査 | 特性調査 | 8,767
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↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
R1 | 選抜 | 特性調査 | 特性調査 | 選抜 | 耐病固定 | 選抜 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 選抜 | 選抜 | 特性調査 | 特性調査 | 8,683 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
R2 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 8,777 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
R3 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 極早生申請 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 品種申請 | 特性調査 | 8,204 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
R4 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 品種申請 | 特性調査 | ツルウメ申請 | 特性調査 | 品種申請 | 特性調査 | 特性調査 | | 特性調査 | 8,204 |
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | | ↓ | |
R5 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | 特性調査 | | 品種申請 | サルトリ申請 | 早生申請 | | 品種申請 | 特性調査 | | 特性調査 | 8,204 |
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | | ↓ | | ↓ | | ↓ | ↓ | | ↓ | |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<目標>
特徴ある鳥取オリジナル品種の育成・消費者、生産者ニーズに応え、本県の園芸作物をブランド化する独自の優良品種を育成する。
<取り組みの内容>
・ナシ有望系統の選抜
・西村早生、伊豆に代わる優良な早生甘カキ品種の育成
・盆前出荷ブドウ品種の育成
・高糖度、早生多収イチゴ品種の育成
・つる割病および黒点根腐病耐病性スイカ台木の育成
・耐病性で生育が旺盛なノシバおよびコウライシバ品種の育成
・枝姿が優れ、実数が多く、本県で確立した樹形管理で多収となる「実つき枝物」品種の育成
・頂花がきれいに着色し、6月から盆前に咲くリンドウ品種の育成
・花が大きくボリュームのある三倍体リンドウの育成
・秋冬出荷作型に適したシンテッポウユリ品種の育成
・球根養成期間の短い小球開花性ユリ品種の育成
・乾腐病、灰色かび病等に強く、収量性が高いラッキョウ新系統の育成
・粘りが強く、食味が良好で、種芋の育成が容易なナガイモ新系統の育成
・抽台せず、5月に出荷できる品質の高い坊主不知の育成
<現時点における達成度>
これまで、以下の品種を登録申請した。
ナシ・・・・・・青ナシ「なつひめ」(H18年)、「夏さやか」、「夏そよか」、「えみり」、「涼月」(H19年)、赤ナシ「新甘泉」(H19 年)、「秋甘泉」(H20年)
カキ・・・・・・早生甘ガキ「輝太郎」(H20年)
イチゴ・・・・・「とっておき」(H28年)
スイカ・・・・・つる割れ耐病性台木「どんなもん台」(H19年)
シバ・・・・・・ノシバ「グリーンバードJ」(H20年)
実つき枝物・・ツルウメモドキ(申請準備中)、
ユリ・・・・・・小球開花性ユリ「鳥鱗1号」(H29申請)
ラッキョウ・乾腐病耐病性品種「レジスタファイブ」(H30)
これまでの取組に対する評価
<H28年度の外部評価(中間)の結果>
評点:12.7 判定:◎(評点9未満は試験を中止すべき)
(1)委員の主な意見・これまでの成果と課題が明確になっている。本県の基幹。継続した調査研究に期待する。
・全体的に結果が出ている。
<改善点>
・ナシ・・・・選抜した早生系統の特性調査を行うとともに、現地栽培試験を開始した系統については品種登録申請に向けた特性調査等を行う。
・カキ・・・・育種系統の特性調査を行い、選抜をすすめる。
・ブドウ・・・特性調査を行い選抜をすすめる。
・イチゴ・・・有望系統に適した栽培方法を検討するとともに、新たに交配を進め特性検定による選抜を行う。
・スイカ・・・交配による系統育成、選抜を引き続き行うとともに、つる割れ病以外の土壌病害耐性についても検討する。
・ノシバ、コウライシバ・・・耐病性系統の評価と現地生育特性の年次調査を行う。
・実つき枝物・・・現地生育特性調査を行う(ツルウメモドキ)。優良系統の圃場での増殖法(高接ぎ繁殖など)を確立する(サルトリイバラ)。
・リンドウ・・・極早生系統の現地特性評価を行うとともに、早生及び中生系統の交配検定及び特性調査を行う。三倍体の特性調査と挿し木による増殖法の確立。
・ユリ・・・・有望系統の現地栽培試験に向けた種子増殖を行う。多輪品種を導入して輪数の増加を図る(シンテッポウユリ)‘鳥鱗1号’は秋(彼岸)出荷作型での採花率が20〜90%と年次変動が大きいため、採花率向上のための秋出荷
栽培法の確立を行うとともに、新たな花色の系統の育成によりシリーズ化を図る(小球開花性ユリ)。
・ラッキョウ・・・・育成系統の特性調査を行い、選抜を進める。
・ナガイモ・・・・有望系統について、生産者圃場での現地適応性検定を行うとともに、品種登録申請に向けた特性調査を行う。
・坊主不知・・・・育成系統の特性調査を行い、選抜を進める。
工程表との関連
関連する政策内容
C園芸産地の基盤強化 G6次産業化・農商工連携の推進、新商品の開発
H食のみやこ鳥取ブランドの発信
関連する政策目標
・果樹、野菜、花きの新品種育成
財政課処理欄
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
8,777 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
700 |
8,077 |
要求額 |
8,204 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
700 |
7,504 |
財政課使用欄(単位:千円)
区分 |
事業費 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
計上額 |
8,204 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
700 |
7,504 |
保留 |
0 |
0 |
0 |
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別途 |
0 |
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