1 事業の目的・概要
高齢化等による担い手の減少が進む中、持続可能な農業を実現するためには、省力化技術の開発・導入が喫緊の課題となっている。県では、令和元年度から実証してきたスマート農業技術の現場への普及拡大及び課題解決を図るため、スマート農業機械等の導入支援を開始したところだが、高い実装化ニーズに応じて、導入経費支援の増額補正を行う。
【補正理由】
○当初スケジュールを1年前倒しして、R3年当初予算化にて公募を行ったところ、想定以上に認定農業者、集落営農組織等からの導入要望が高く、スマート農業技術の早期普及拡大を図るために補正要求するもの。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 補正
要求額 | R3当初
予算額 |
1 | 実装加速化支援 | スマート農業の実践に必要な機械等の導入に係る経費を支援。
○補助率:県1/3、市町村1/6
○補助上限:個人300万円、任意組織・法人等700万円
(共同利用をする場合は個人600万円、任意組織・法人等1,400万円)
○対象者:認定農業者、集落営農組織、任意組織、市町村公社
○要 件:生産管理システムの導入
【想定される機械と技術内容(主なもの)】
導入機械 | 技術内容 |
ドローン | 水稲直播、農薬散布、生育診断 |
自動操舵機械 | ハンドル自動制御 |
高性能コンバイン | 収量・食味等のリアルタイム測定 |
リモコン草刈機 | リモコンにより遠隔操作する草刈 |
環境制御 | 園芸ハウスの環境制御 |
| 34,000 | 34,000 |
2 | ドローン講習支援 | ドローン講習の受講費を支援。
○補助率:県1/2
○対象者:認定農業者、集落営農組織(構成員及び従業員を含む) | 2,380 | 1,930 |
3 | 負担軽減支援 | 果実・野菜の収穫作業や選果場等の集出荷施設において、作業の軽労化に向けたアシストスーツ等の導入経費を支援。
○補助率:県1/3
○対象者:認定農業者、集落営農組織、任意組織 | 1,100 | 534 |
合計 | 37,480 | 36,464 |
3.現状・問題
農林水産省は「スマート農業実証プロジェクト」のうち、水田作に関する中間報告において、スマート農業により労力軽減に貢献したが、機械費が大きく増加したため、収支が改善しない限りはスマート農業技術の普及が難しいとまとめた。
本県では、令和元年度から「スマート実証農場」を県内にモデル的に設置し、普及性の高いスマート農業技術の推進を図っているところであるが、ドローンや収量計測コンバイン等、有効なスマート農機については既に現場で導入が進み始めている。
そのため、県はスケジュールを1年前倒しでスマート農機の社会実装を促進していくが、高い導入コストが隘路となっているため、政策支援が必要である。
○令和3年当初予算の執行について、実装化促進、ドローン講習支援及び負担軽減支援ともに公募期間で当初予定を上回る要望。