〇本県沿岸域の3日先までの高精度な海況予測情報(水深別水温・塩分・潮流)を「海中の天気予報」として、令和3年度中に漁業者に提供(スマホ等アプリ、ホームページ)する。
〇このため、令和2年度より国受託の「ICTを利用した漁業技術開発事業」に参画し、九州大学等と連携し事業を実施中。
〇海況予測情報を漁業者に活用してもらうことで、不要な出漁を控えることによる計画的な操業や、漁場探索労力の軽減による効率的な操業(労働時間短縮、燃油削減)を図る。
【令和新時代創造プロジェクト・環境気象変動PT事業】
昨年度に加えてさらに、水温・塩分測定装置7台(計12台)、潮流データ転送装置2台(計4台)を貸与し、漁業者による海洋観測を実施する。
漁業者が収集した海洋観測データと既存の沿岸潮流観測ブイの測定データを、海況予測を行う九州大学等へ転送し、高精度な海況予測情報を漁業者に提供する。
加えて、潮流データ転送装置を用いる方法とは異なり、維持管理の労力が低く、安価な無線機を活用した潮流データ収集方法を、令和4年度導入を目指して、船舶機器メーカーと共同で検証試験を実施する。
・既存の潮流観測ブイによるリアルタイム潮流情報は、漁業者が出漁を判断するための必須情報となっているが、水深別の水温・塩分に関する情報も漁場探索に有効なことから、水温・塩分を踏まえた海況予測への期待の声が多い。
・漁業者から、近年、県沿岸の海洋環境の変化や、経験と勘を元にした漁場選択が通用しない場合の増加といった意見が出ている。
・沿岸海域は変動が激しく、海況は時空間的に大きく変化するため、現状の設備では予測が困難である。
・既存の潮流観測ブイによる潮流情報に、漁業者に情報収集していただく水温、塩分情報を加えることで高精度な海況予測が可能。これによって漁業者の漁場選択精度は向上し、無駄な操業・経費・労務時間の削減につながる。