1 事業の目的・概要
(1)鳥取県福祉研究学会の開催支援
鳥取県内の優れた社会福祉に関する業務・活動・研究における成果を発表する場を設け、優秀者を表彰することにより、社会福祉関係者の意欲の向上を図る「鳥取県福祉研究学会」の開催に対し支援を行う。
<学会概要>
(1)構成員:民間・学術・行政機関等の福祉関係者18名
(2)事務局:鳥取県社会福祉協議会
(3)運営財源:会費(参加費制)、共同募金配分金、県補助金
(4)活動内容
・講演会の開催(年1回)
・研究発表会の開催(年1回)
・総会(年1回)、理事会(年3回程度)
(2)対人援助研修事業
多機関の協働による支援体制を強化するため、関連機関の多職種を対象に、各福祉分野に共通する対人援助業務のスキルアップを目的とした基礎研修(1日間・3会場)及び応用研修(1日間・3会場)を行う。
2 主な事業内容
(1)鳥取県福祉研究学会
(単位:千円)
| 補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 鳥取県福祉研究学会支援事業補助金 | 研究発表会・講演会等の開催に係る経費 | 鳥取県福祉研究学会 | 定額(上限300千円)
財源:一般財源 | 300 | 300 | なし |
合計 | 300 | 300 | |
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度予算額 |
|
1 | (1)鳥取県福祉研究学会
研究発表会に係る県知事表彰 | 賞状及び副賞(現金) 1名
※副賞は、研究発表会での最優秀者へ授与するもので、優秀な研究を行った者の栄誉を称えるとともに、今後の専門的な研究活動に役立てていただくためのもの。
※財源:一般財源(報償費で要求) | 100 | 100 | なし |
2 | (2)対人援助研修事業 | 【事業主体】地域で支える仕組み研究会
【財源】地域医療介護総合確保基金※委託料で要求
【研修対象】民生委員・児童委員、相談支援員、コミュニティソーシャルワーカー・生活支援コーディネーター等 | 1,632 | 1,632 | 新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を徹底し、研修会を実施する。 |
合計 | 1,732 | 1,732 | |
3 背景
(1)鳥取県福祉研究学会
平成18年9月 | 「とっとり県民の日」記念事業フォーラムの中で、国松前滋賀県知事から福祉研究の分野の発展について、提案があった。 |
平成18年11月〜平成19年2月 | 滋賀県の社会福祉学会(民間、行政、大学の関係者で構成)を参考に、鳥取大学、鳥取短期大学、県社協、県で3回に渡る意見交換会及び滋賀県社会福祉学会への視察を実施。 |
平成19年3月 | 上記4機関及び13の民間福祉団体により、鳥取県福祉研究学会の設立発起人会を開催する。 |
平成19年6月1日 | 鳥取県福祉研究学会設立。 |
(2)対人援助研修事業
平成23〜24年 | 従来県内になかった高齢・障がい・子どもなど各分野に共通する「対人援助の基礎」に関する研修の必要性を検討 |
平成24年7月 | 「地域で支える仕組み研究会」設立。研究会には、高齢・障がい・子ども・心理・保健等あらゆる分野の専門職が参加。 |
平成24年11月〜 | 対人援助研修開始 |
4 今後の方針
(1)鳥取福祉研究学会
発表に向けた準備は日頃の業務を第三者の視点で見直す機会となり、同職種の発表を聞くことは単に情報を得るのに留まらず、改善に向けた意欲を高める刺激となることから、発表者と聴講者の双方に有益であり、引き続き、学会の開催経費を助成する。
(2)対人援助研修事業
○信頼関係を築くためのコミュニケーションスキルは、人に関わる仕事をする人が共有して身に付けておくべきスキルである。相手との信頼関係を築くためのコミュニケーションや問題行動の理解と対応の手法は、高齢、障がい、児童等、どの分野で働く援助者であっても必要な手法である。このような手法を学ぶ対人援助研修は、様々な課題を抱えて生活されている方と共に暮らしていく社会を創るために必要な研修であり、8050問題や引きこもりなど、複合的な課題を抱える家庭が増加する中において、今後その必要性は増していくことから、引き続き、援助者のスキル向上に努めていく必要がある。
○新型コロナウイルス感染症の影響により、R2年度の対人援助研修(基礎研修)はZoomを用いたオンライン研修(県内1箇所から配信)としているが、参加申込は例年と比較して1/4となっている。
○対人援助研修は人と人とのコミュニケーションをとる際のスキルを身につけることを目的としており、コミュニケーションは五感を駆使して行うものである。オンライン研修では人と人とが対面してグループワークやペアワークを行うことができないため、本研修の最大の目的である対人援助のスキルを習得することが難しい。
○R3年度は、新型コロナウイルス感染症の対策を徹底した上で、従来の集合型の研修会を開催する予定。ただし、県内で陽性患者が継続して発生する場合や、市中感染の危険性が高い場合、クラスターが発生した場合等については、状況を見て予算内でオンライン開催に変更することを検討する。感染症対策として、アクリル板で飛沫防止対策の実施、マスク着用、手指の消毒の呼びかけを行う。
○H29年度まで、基礎研修を各地区2日間開催していたが、H30年度より各地区1日での開催を試験的に実施中。R3年度も基礎研修は各地区1日開催を予定。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1)鳥取県福祉研究学会
民間、大学、行政の連携により学会を設立し、現場の従事者の資質向上を図る機会として支援を継続している。福祉現場の関係者・大学関係者及び行政関係者にとって研究、研鑽の機会・場として10年間継続して実施されており、「身近な学会」として福祉現場にも徐々に鳥取県福祉研究学会が認知されている。
福祉にかかわる者がその研究成果を発表し、情報を共有していくことで、県内の社会福祉の発展に寄与している。
また、5分野すべてにおいて研究発表がなされており、福祉分野の相互の連携やお互いの資質向上にもつながっている。
(2)対人援助研修事業
【事業目標】
◆多機関協働による支援体制を強化するため、関連機関の多職種を対象に、各福祉分野に共通する対人援助業務のスキルアップを目的とした研修会を実施する。
【取組状況】
◆地域で支える仕組み研究会に委託し、各福祉分野に共通する基礎研修、応用研修を実施。
○研修開催回数(平成26〜29年度)
・基礎研修:各圏域ごとに2回開催
・応用研修:各圏域ごとに1回開催
※H30年度より、基礎研修の開催を各地区1回で試験的に実施。R2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、基礎研修を県内1回でオンライン開催する予定。
これまでの取組に対する評価
(1)鳥取県福祉研究学会
○本学会は19年度に設立され、令和2年度で14年を迎えたが、その間、受賞した取組みや、取組みの中で共有されていた課題に基づいた県の施策実施や、県として広報等により後押ししたものなどがあった。
○今後もより幅広く学会を周知し、県内の福祉関係者に対して、福祉分野の課題や研究・取組成果共有の場として認識・活用されるよう、引き続き支援していく。
○令和元年度は発表題数が29題だった。施設職員等が実践的な研究を多く発表しており、取組を県内の福祉関係者と共有し、研究発表が現場に還元されることにより福祉現場の利用者(県民)へのサービスの質の向上や福祉現場での交流促進、技術向上による離職防止につながること、また、行政も共に課題を共有できることが期待される。
(2)対人援助研修事業
○研修に参加した者からは、次の日からでも活用できるスキルを学べると好評。高齢者、障がい者、子ども、生活困窮者等各福祉分野の支援に共通した支援技術を身につけ、困難ケースの対応等に活用している。
○8050問題や引きこもりなど、複合的な課題を抱える家庭が増加する中において、今後も本研修は必要性を増していくことから、引き続き、援助者のスキル向上に努めていく必要がある。