1 事業の目的・概要
種雄牛造成の一環として、国の認定機関である(公社)全国和牛登録協会が定める種雄牛造成の選抜方法である「和牛産肉能力検定直接検定試験」「現場後代検定試験」の2つの試験を実施し、「白鵬85の3」「元花江」の次世代の種雄牛を造成する。
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2 主な事業内容
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度
予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 直接検定試験 | 優秀な県有種雄牛を造成するため、種雄候補牛の発育、飼料効率等の調査による一次選抜を行う。
(1)候補牛の選抜・・・県下11頭(場内産6頭を含む)
(2)直接検定試験の概要
・期間・・・予備飼育期間:20日間、検定期間:112日間
・調査項目・・・体重・体型測定値、飼料摂取量 | 2,012 | 1,997 | 変更なし |
2 | 現場後代検定試験 | 直接検定で選抜された種雄候補牛の産子(後代)を肥育し、その枝肉成績によって遺伝的産肉能力を判定するため、以下の事業を実施する。
(1)種雄候補牛の産子(調査牛)取得のための交配
(県内家畜人工授精師へ凍結精液配布)
(2)産まれた調査牛の確認(親子判定)
(3)調査牛の購入と肥育
ア 肥育期間 20〜23ヵ月間
イ 肥育頭数(4セット/年)
64頭(肥育農家8頭・畜産試験場10頭×3種雄牛候補牛+ 肥育農家6頭・畜産試験場4頭×1種雄牛候補牛) | 49,706 | 43,585 | 肥育頭数:
3セット→4セット
46頭→64頭 |
合計 | 51,718 | 45,852 | |
3 事業の背景・目的
(1)「鳥取県農業活力増進プラン」では高能力種雄牛を活かした「鳥取和牛」のブランド化を推進することが求められている。
(2)優秀な次世代の県有種雄牛を造成することが望まれている。
(3)「鳥取県和牛改良方針」に基づく県独自性の高い種雄牛を造成し、県内の和牛改良及び増殖を推進する。
4 期待される効果
優秀な種雄牛を造成することにより、和子牛価格や枝肉市場等の価格が上昇し、農家経営の安定化が図られるとともに、「鳥取和牛」のブランド化が推進され、畜産業の活性化が期待される。
5 事業費
項目 | (前年度)
要求額 |
報酬(産肉能力検定委員) | (175)
190 |
費用弁償(産肉能力検定委員) | (225)
225 |
備品購入費
調査牛の購入費:30頭 | (23,544)
28,890 |
需用費
(飼料・医薬品等調査牛の飼育管理費) | (12,230)
12,230 |
役務費(枠内)
(親子判定手数料108頭×8.3千円等) | (2,456)
2,674 |
委託費
管理委託 | ( 6,952)
7,509 |
合計 | (45,582)
51,718 |
6 事業期間
直接検定試験 昭和53〜
現場後代検定試験 平成13年〜
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○これまでの取組状況
<直接検定の取り組み>
平成19年度検定頭数14頭
平成20年度検定頭数8頭
平成21年度検定頭数8頭
平成22年度検定頭数9頭
平成23年度検定頭数10頭
平成24年度検定頭数3頭
平成25年度検定頭数5頭
平成26年度検定頭数2頭
平成27年度検定頭数5頭
平成28年度検定頭数5頭
平成29年度検定頭数5頭
平成30年度検定頭数6頭
令和元年度検定頭数5頭
令和2年度検定頭数1頭(9月現在)
<成果>
直接検定合格牛および現場後代検定試験に供された種雄候補牛
平成19年度→合格頭数10→後代検定試験頭数4
平成20年度→合格頭数5 →後代検定試験頭数1
平成21年度→合格頭数6 →後代検定試験頭数2
平成22年度→合格頭数6 →後代検定試験頭数3
平成23年度→合格頭数6 →後代検定試験頭数3
平成24年度→合格頭数3 →後代検定試験頭数2
平成25年度→合格頭数5 →後代検定試験頭数2
平成26年度→合格頭数2 →後代検定試験頭数2
平成27年度→合格頭数5 →後代検定試験頭数3
平成28年度→合格頭数5 →後代検定試験頭数4
平成29年度→合格頭数5 →後代検定試験頭数2
平成30年度→合格頭数3 →後代検定試験頭数3
令和元年度→合格頭数6→後代検定試験頭数3(9月時点)
これまでの取組に対する評価
○これまでの取組に対する評価
<自己分析>
・鳥取県和牛の改良目標に合致する種雄候補牛を選抜として、公益社団法人全国和牛登録協会が定める方式にのっとった試験を適切に実施している。
・定法にのっとった試験を実施しているため、増体性(発育や大きさ)の基準を満たさない牛もいるが、そうした牛については、第1次試験不合格として、適正に排除している。
・その結果、合格率は各年度約60%強で推移している。
・第10回長崎全共では当場で育成した種雄候補牛が第1区(若雄区)で優等賞を獲得するなど、体型に優れた育成に取り組んでいる。
<今後の取り組み>
直接検定牛として種雄候補牛を導入する際に、飼料要求性や分娩間隔といった種牛性に関わる形質や肉のおいしさに関する形質のゲノミック評価を導入して選抜圧を高め、優秀な種雄候補牛を確実に選抜できる体制を構築する。
さらに、増体性のみならず、体幅、肩付きなど種牛性に関わる体型の改善に努める。