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令和3年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:農業試験場費
事業名:

主要農作物原採種事業

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農林水産部 農業試験場 作物研究室 

電話番号:0857-53-0721  E-mail:zaisei@pref.tottori.lg.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
R3年度当初予算要求額 7,757千円 17,488千円 25,245千円 1.6人 1.7人 0.0人
R2年度当初予算額 1,357千円 17,332千円 18,689千円 1.6人 1.7人 0.0人

事業費

要求額:7,757千円  (前年度予算額 1,357千円)  財源:単県 

事業内容

1 事業の目的・概要

主要農作物種子法は廃止となったが、本県に普及すべき水稲、大豆、麦の優良な品種について、生産者が安心して作付けするのに必要な種子を安定供給するために、令和元年度に鳥取県農作物種子条例(以下「種子条例」)が制定された。

     このため、種子条例に明記された農業試験場(以下「農試」)の責務として、種子生産に必要な原原種及び原種の生産を実施する。
     また、農試で原原種および原種を生産・管理するために必要な機械施設を、条例に基づいて計画的に整備し、種子を安定供給する体制を維持・改善することで、種子事故リスクを低減し、県内の水田主要農作物生産者における安心・安全を確保する。

2 主な事業内容

(1)原原種および原種の生産
水稲12品種、大豆6品種、二条大麦1品種を対象として、優良な原原種個体および系統の維持、増殖を計画的に行う。


【令和3年産原種の作付予定面積】
水稲(うるち5品種)2.0ha    
大豆(5品種)1.5ha
麦(1品種)0.5ha
※ 大豆「サチユタカ」及びビール麦「しゅんれい」の原種は、ほ場管理を農家と分担し、生産を行う。
※ 原原種及び原種の採種計画については、令和2年度末に、品種作付動向に基づく種子需要や在庫量を考慮して、産米改良協会等関係機関と協議を重ねながら詳細を決定する。

(2)原原種及び原種生産に必要な施設整備計画
 「農試種子関係施設整備計画策定PT」を策定主体として、良質な原種の安定供給体制を維持・改善するのに必要な機械施設の整備方針及び計画について、「鳥取県農作物種子条例に伴う農業試験場の機械施設等整備計画(令和元年11月22日付第201900211990号農林水産部長通知)」(以下「整備計画」)を策定した。
 その中で、異品種混入事故等のリスク低減を目的として、コンバインや縦型乾燥機の各品種専用化を図ることを基本方針とし、必要な整備の意義及び効果を明確化しながら、短期的及び中長期的な整備方針と具体的な計画を明記した。しかし、整備計画策定直後に、国補正予算による「地方創生拠点整備交付金」を活用することとし、本県育成である新品種「星空舞」の原種生産にかかわる部分について、施設新築を含む整備を一部早期化し、令和2年度計画とした。
 令和3年度は、整備計画の基本方針に基づき、水稲主要品種専用コンバイン1台を新規導入する。

3 事業の背景

主要農作物種子法が平成30年4月1日をもって廃止されたが、安定的かつ恒久的な種子生産体制の強化について、種子生産者や関係機関から県に対する要望が強く、条例化を望む声が大きかったことから、令和元年7月4日公布によって種子条例が制定された。
 種子条例の中で規定された、県および農試の責務は以下のとおりである。
 
(1)農試が、奨励品種等の種子生産に必要な原種及び原原種の生産を行うこと。
(2)県が、原種の利用者である種子生産者の技術指導を行うこと。
(3)種子条例に基づく種子生産振興計画の中で、種子の安定生産に必要な施設・設備等の整備に関する事項を定めること。
(4)施設・設備等の整備に関する事項について、県が必要な財政上の措置を講ずるよう努めること。

 これらにより、優良な原種生産、原原種の維持および種子事故のリスク低減を目的とした作業精度の向上や管理の効率化が求められ、併せて、種子生産現場の模範となり得る生産管理技術も求められている。

4 前年度からの変更点

令和2年度の、地方創生拠点整備交付金を活用した機械及び施設整備の実績及び効果を整理し、令和3年度に新規導入するコンバインと併せた一体的な活用と、さらなる生産合理化体制の構築を図る。

5 事業の効果

(1)本県に普及推進すべき優良品種について、遺伝的に純粋で優良な原種種子が採種ほ農家に供給され、採種ほで増殖された優良
な種子が一般栽培農家へ供給されることで、本県で生産される水稲、大豆、麦の高品質化や収量増加につながることが期待される。
(2)特に、食味ランキングで特Aランクを取得している「きぬむすめ」や本県育成地大豆品種等のブランド化が進んでいる品種の他、鳥取発で期待のブランド米品種である「星空舞」等、今後の展開が期待される品種について、県産農産物のロットの遺伝的均一性が確保され、産地が維持される。
(3)種子条例に基づいて、原原種及び原種生産体制が計画的に維持・改善されることにより、種子事故リスクが低減され、県内の主要農作物種子生産者ならびに水田経営農家における安心・安全が確保できる。

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

1 政策目標
食味、品質等に優れた米、加工適性に優れた大豆等の優良種子を供給する。

2 取組状況
(1)水稲、大豆の原原種及び原種を生産し、鳥取県産米改良協会を通じて、採種ほ農家等へ原種の種子供給を行った。
(2)大豆「サチユタカ」、二条大麦「しゅんれい」については、農家と管理委託契約を締結し、栽培、淘汰について支援を行うとともに、ほ場審査、生産物審査を実施した。
(3)水稲および大豆の病害虫について、一般ほ場と比較して極綿密な防除体系で薬剤を処理し、種子伝染性病害の発生率低減に努めた。
(4)整備計画に基づき、令和2年度に、原種生産合理化施設を新築するとともに、水稲原種収穫専用コンバインや縦型遠赤外線乾燥機等の備品を導入し、生産の効率化を図ったところである。

これまでの取組に対する評価

1 自己評価
(1)本県の奨励品種等について、遺伝的に純粋で充実した優良種子が採種ほに供給され、一般栽培農家の生産安定に寄与している。
(2)ブランド化が期待される新品種についても、優良種子の供給によって現地への普及に貢献している。 
(3)機械・施設の整備にあたり、国の補正予算を活用して効率的に推進することができた。

2 改善点
(1)優良種子を供給するため、より一層の生産管理等の徹底を図りながら、引き続き、種子事故リスクの低減と作業者の負担軽減について検討する。
(2)(1)を達成するための施設整備計画を、整備効果について検証しながら、随時更新していく。




要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 1,357 0 0 0 0 0 0 0 1,357
要求額 7,757 0 0 0 0 0 0 0 7,757