事業名:
粗飼料生産利用向上事業
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農林水産部 畜産試験場 酪農・飼料研究室
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事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
会計年度任用職員 |
特別職非常勤職員 |
R3年度当初予算要求額 |
20,466千円 |
19,807千円 |
40,273千円 |
2.0人 |
1.4人 |
0.0人 |
R2年度当初予算額 |
11,927千円 |
19,643千円 |
31,570千円 |
2.0人 |
1.4人 |
0.0人 |
事業費
要求額:20,466千円 (前年度予算額 11,927千円) 財源:単県、財産収入、手数料
事業内容
1 事業の目的・概要
家畜の健康を維持しながら飼料費をいかに低減させるかが優良経営への重要なポイントであるため、飼料の生産から利用に至る一連の技術向上に関する支援として次の事業を行う。
(1)粗飼料増産のための優良品種選定試験
県内の自給飼料増産・品質向上を図るため、どの流通品種が鳥取県の気候に適し、安定した収量が期待できるかを栽培試験し、農家が品種選定する際の基礎資料とする。
(2)飼料分析を活用した給与技術向上支援事業
増加する産乳量とともに高度化している乳牛の飼養管理技術に対応するため、飼料の成分を分析し、自給飼料生産技術や牛の疾病予防も含めた飼料給与技術の向上を図る。
(3)粗飼料生産事業
畜産試験場の供試牛に給与する自給粗飼料の生産を行う。
2 主な事業内容
(1)粗飼料増産のための優良品種選定試験
鳥取県の自給飼料生産体系は、夏作:トウモロコシ、冬作:イタリアンライグラスが中心であり、県としても推奨している。
この2作目について、県内に流通している品種の中から有望な品種を比較栽培し、試験成績を農家へ公表する。
また、近年の温暖化に対応するため、これまで鳥取県では栽培事例がほとんどない暖地型牧草の試験栽培を実施する。
試験作目 | 試験品種数 | 試験方法 |
| 6 | 3年反復法 |
| 6 | 3年反復法 |
| 3 | 3年反復法 |
(2)飼料分析を活用した給与技術向上支援事業
ア、飼料の栄養成分やサイレージの品質、ミネラル含量を分析し、適正な給与方法や自給飼料の栽培方法等について農家に指導する。
イ、依頼分析対応だけではなく、積極的に現場での技術支援を展開し、飼料給与改善とそれに伴う飼料分析の重要性について啓発する。
(3)粗飼料生産事業
ア、場内10.6haの圃場で飼料作物の栽培を行い、主にサイレージとして貯蔵・利用する。(春作:トウモロコシ5.2ha、冬作:イタリアンライグラス10.6ha)
イ、使用する品種は、「粗飼料増産のための優良品種選定試験」 の結果を参考に決定。
ウ、肥料や除草剤の効果など、より効率的な肥培管理方法について検証し、結果を積極的に情報発信する。
3 期待される効果
(1)粗飼料増産のための優良品種選定試験
ア、安定かつ高収量の自給飼料生産が可能となり、生産コストの低減が期待できる。
イ、飼料作物の作付け面積が増加することで、堆肥の循環促進と荒廃地対策につながる。
ウ、自給飼料で家畜を飼うことで、安心・安全な畜産物(牛乳・ 肉)生産につながる。
エ、農家の自給粗飼料栽培意欲を高めるとともに、草種・品種の選択の幅を増やすことができる。
(2)飼料分析を活用した給与技術向上支援事業
ア、飼料の品質や栄養価が明らかになるため、牛の健康管理と生産性の向上を両立できる。また、自給飼料の品質や栄養価を把握することで、栽培管理の問題点が明らかになり、生産技術の改善が進む。
イ、現状での飼料給与上の課題を明確化し改善方針を決定する過程を積極的に支援。こうした改善事例を増やすことで県全体の技術レベルの底上げを図る。
(3)粗飼料生産事業
ア、供試牛にかかる飼料経費の抑制が図られる。
イ、場内で発生する家畜排せつ物の処理費用抑制。
ウ、試験場で試験した優良品種を大面積で栽培することで、より実態に近い情報(収量性、生育状況など)が得られ、生産現場での有効な情報発信が可能となる。
エ、試験場内での肥培管理や生育状況等が農家指導に役立つので、自給粗飼料を基盤とした畜産経営の推進に貢献できる。
4 要求額の内訳
(1)粗飼料増産のための優良品種選定試験
項目 | 金額(千円) |
需用費
(種子代、肥料・農薬代、その他資材) | 57 |
合計 | 57 |
(2)飼料分析を活用した給与技術向上支援事業
項目 | 金額(千円) |
需用費
(消耗品費、修繕費) | 588 |
備品購入費
(ケルダール分解器、繊維抽出装置) | 6,688 |
合計 | 7,276 |
(3)粗飼料生産事業
項目 | 金額(千円) |
委託費
(粗飼料生産作業委託費) | 5,424 |
需用費
(種子、農薬・肥料、機械修繕等) | 5,097 |
備品購入費
(マニュアワゴン) | 2,612 |
合計 | 13,132 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○これまでの取組状況・改善点
(1)粗飼料増産のための優良品種選定試験
H31年度試験品種数
トウモロコシ:6品種、イタリアンライグラス:6品種、夏牧草:3品種
○うち試験終了品種数
トウモロコシ:1品種、タリアンライグラス:4品種
○当該単年度の試験成績及び3カ年の試験期間の通算試験成績についてホームページ、団体機関誌等により情報を公開。
○R2年5月に県奨励品種選定会議にてイタリアンライグラス2品種を県奨励品種に選定した。
(2)飼料分析を活用した給与技術向上支援事業
○依頼分析件数の推移
H28:376、H29:600、H30:634 R1:581
R2:221(9月末時点実績)
○自給粗飼料の分析結果については、肥培管理や収穫時時期などの技術改善について農家や指導機関に対し指導・助言を実施。
○TMR分析については、農家や指導機関に対し成分バランスや乳牛への影響等について指摘、改善に向けた助言を実施。
○試験場内で飼育している牛に給与する飼料の成分分析及び評価を行い、試験研究の円滑な実施に貢献。
(3)粗飼料生産事業
○年2回、トウモロコシとイタリアンライグラスを栽培・収穫し、場内の試験牛への給与を行った。
○場内で発生する家畜排せつ物は全て堆肥化し、圃場へ還元した。
これまでの取組に対する評価
○これまでの取組に対する評価
(1)粗飼料増産のための優良品種選定試験
○飼料価格高騰対策や安心・安全な畜産物の生産といった観点から、畜産農家の良質な自給粗飼料の増産への関心は高まっており、試験結果に対する畜産農家の注目度は高い。
○鳥取県の気候に適した飼料作物品種を試験により選定し公表することで、自給粗飼料の増産意欲の向上と畜産農家の経営改善の一助となっている。
(2)飼料分析を活用した給与技術向上支援事業
○飼料給与管理技術や自給飼料生産技術の改善のために、飼料分析は積極的に活用されており、畜産農家を始め指導関係機関からの期待は大きい。
○飼料の分析により、畜産農家は常に変化する飼料の品質や栄養価を把握し、適切な飼養管理や自給粗飼料生産に役立て、経営の改善と安定の一助となっている。
○試験場内で実施している各種試験研究では、牛に給与している飼料の栄養価や品質を詳細に把握することは必須であり、こうした理由からも飼料分析できる環境は必要。
(3)粗飼料生産事業
○酪農部門では給与飼料の約5割(現物給与量)を本事業で生産される牧草でまかなっており、飼料費抑制とともに牛の健康状態も良好に保たれている。
○毎年の牧草収量も比較的良好。これは還元したふん尿の肥料効果によるものが大きいと考えられる。
○本事業は、牛の試験研究の実施を支える、非常に重要な役割の一端を担っており、必要不可欠であると考えている。
工程表との関連
関連する政策内容
消費者の求める安全・安心・高品質な畜産物生産技術の開発
関連する政策目標
場内の糞尿の圃場還元と供試牛に係る飼料経費低減を図り、同時に優良品種の農家への実証展示を行う。
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
11,927 |
0 |
778 |
0 |
0 |
0 |
4,274 |
0 |
6,875 |
要求額 |
20,466 |
0 |
778 |
0 |
0 |
0 |
4,883 |
0 |
14,805 |