1 事業の目的・概要
農業者の高齢化が進む中、特に中山間地域の農地法面は平地と比べ長大で草刈の負担が大きく、農地の維持や担い手等への農地集積における大きな支障となっており、法面管理の省力化を図ることは喫緊の課題である。
鳥取県では平成28・29年度に被覆植物であるセンチピードグラスを用いた実証試験を行い、管理省力化及び雑草抑制の効果を確認できたことから、これを早期に普及促進させるため、鳥取県中山間ふるさと農村活性化基金を活用し各市町にモデル展示・PRほ場を設置する。
2 主な事業内容
内容 | 事業主体 | 実施要件 | 負担割合 | 予算額 |
モデルほ場を設置し、
種子吹付及び法面管理を委託 | 県 | (1)対象地域
- 中山間地域おいて、中山間地域等直接支払又は多面的機能支払に取り組んでいる組織又は取り組む予定の地域。
(2)地元体制
- 県の作成した作業手順書に沿った管理を行うこと。
- 生育調査やPR活動等に協力が得られること。
| 県(基金)1/2
市町1/2 | 12,613 |
生育要因の調査分析 | 県 | 法面保護工における種子吹付後の生育等に係る技術・知見を有する企業・法人等 | 県(基金)
10/10 | 1,000 |
3 要求内容
令和3年度要求額 13,613千円(県負担7,307千円)
(内訳)
・PRほ場の設置(法面管理、種子吹付)
第2期(3年目) 291千円(法面管理:291千円)
第3期(2年目) 12,322千円(法面管理:460千円、種子吹付:11,862千円)
・生育要因の調査分析 1,000千円
4 前年度からの変更点
第1期実施地区において、一部生育不良が確認されたことから事業工程を見直し、実施結果の調査分析を行う。
- モデルほ場の生育結果に対し、専門知識を有する法面協会に生育要因(土壌・地形・気象条件、種子吹付量、吹付前後の法面管理状況等)に係る調査分析業務を委託。
- 上記の結果を反映したマニュアルの改定(各作業の判断基準、チェックリスト、事例写真の追加等)
5 債務負担行為限度額
(1)令和元年度農地法面管理省力化支援事業(H31議決分)(第2期)1,130千円(令和2〜3年度)
(2)令和2年度農地法面管理省力化支援事業(R2議決分)(第3期) 1,161千円(令和3〜4年度)
6 財源
鳥取県中山間ふるさと農山村活性化基金」の運用益、繰入を充当する。
- 基金残高(令和2年度末見込み) 1,145,459千円
- 残高(令和2年度末見込み)の3% 34,364千円
- 令和3年度運用益(見込み) 1,140千円
- 基金繰入限度額(見込み) 33,224千円
※基金繰入限度額は、基金残高に3%を乗じた額から当該年度運用益を除いた額
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・モデルほ場での取組を通じた技術・評価の普及促進及び事業完了後も継続的に取組が継続される仕組みの確立を目的とする。
・県が作成した作業手順書に基づき、平成30年度よりモデル展示・PRほ場の設置を進め、関係課と連携し現場指導を行っている。(第1期:33地区、第2期:29地区、第3期:23地区)
・法面管理が不適切だと被覆度が低下する傾向があるため、地元が適切な管理を徹底できるよう手順書の改定を行う。
これまでの取組に対する評価
・第1期の取組地区では、草刈り回数の減少(例:年6回から3回))や作負担の軽減を実感している。