これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<事業目標>
@崩壊と立地環境、根系分布の関係を整理することで樹木根系による土砂移動抑止効果を適切に評価するとともに、
A山地の潜在的な災害発生危険度を精度良く予測することで、
山地災害の発生を回避・軽減しつつ林業を推進する技術を開発する。
<取組状況・改善点>
(1)樹木根系を考慮した防災林配置技術の開発
森林根系が持つ崩壊防止機能を正確に評価するため、山地の地形種や地質による樹木根系分布の違いについて調査を行った。
(2)山地災害リスクを回避・軽減する現地判定技術の開発
山地の潜在的な崩壊発生リスクの把握と山地危険度に対応した作業方法について検討してきた。
これまでに路網を開設すると崩壊が生じやすい地形の特徴を明らかにした。また、崩壊の誘因となる水の集まりやすさを植物指標により判定する方法を開発した。
これまでの取組に対する評価
(1)樹木根系を考慮した防災林配置技術の開発
作業道の切取り法面に残っている切り株の根系分布と地下構造の調査から、スギ・ヒノキの根系は土層厚、岩盤の破砕程度により鉛直方向への分布が規制されていた。
崩壊すべり面には直径3o以下の細い根しか残っていない。岩盤に侵入する根は細くなるが単位面積当たりの引き抜き抵抗力は大きかった。
(2)山地災害リスクを回避・軽減する現地判定技術の開発
崩壊の発生しやすい危険地形を類型化し、抽出結果をGIS上に表示することで広域でのリスク評価が可能となった。
本研究成果を基にした研修を実施している。